うなずきとあいづちの違いで疑問を持たれる方も多いですが、それぞれ全くの別物です。
うなずきとは、首を立てに振ってうなずくこと。
あいづちは、話し手の方が話している最中に、聴き手が発する「あいの手」です。傾聴時は、「はい」「えぇ」「そうなんですね」などのあいづちを使うことが多いです。特に電話口ではあいづちを意識して「はい」「えぇ」といれないと、顔が見えない分聞いてもらっているのかどうかわかりません。
うなずきとあいづちは、普段の生活で無意識のうちにされている方がほとんどです。たまに会話をしていて、全くうなずかなかったり、無言のまま全くあいづちを入れない方もおられます。それでもしっかりと話の内容を掴んで聴くことは可能です。
傾聴時にうなずきとあいづちを入れるのには、ある理由があります。
うなずきとあいづちを入れるたった1つの理由
自分自身が話をしているときに、聴いてくれている人が全くうなずかない、全く何も言わない(あいづちがない)状態だと例え話を聞いていたとしても、話す側が本当に聞いてくれているんだろうか?と不安になるためです。どんどん話したい!という気持ちにはなりません。
うなずきとあいづちは、話し手が聴いてくれているんだなと感じてもらうために意識的に入れていきます。聴いてくれていると思えると、どんどん話そうと思えます。
↓の動画をご覧頂くと、うなずきとあいづちが無しの場合と、有りの場合の違いがわかります。(違いの実演は約2分)
様々な種類のうなずきとあいづち
相手の方に「聴いてくれている」と感じてもらうためには、一定の深さのうなずきではなく、深いうなずきから浅いうなずきとバリエーションがあるのが自然です。会話の内容や話し手の気持ちに注意して聴いていると、うなずきにも自然とバリエーションが出ます。
あいづちも「はい」の一言だけでも言葉としてはワンパターンですが、話し手の会話の内容に合わせて、聴き手のあいづちの声の大きさや声のトーンを変え、気持ちまで汲み取っているあいづちとして使っていくことも可能です。
聴き手がどんな風に、どのくらいうなずきとあいづちを入れながら聴いているかは、話し手がどこまで話すかを無意識のうちに判断する基準の1つでもあります。
相槌のレパートリーについて
相槌はあくまで「合いの手」であって、聞き手の主観は挟みません。ですので言葉のレパートリーは多くありません。使用頻度の高いものから紹介すると
「はい」「えぇ」「そうなんですね」「なるほど」
くらいです。言葉のレパートリーは多くありませんが、声のボリュームや気持ちの汲み取り具合を含ませることでバリエーションが生まれ、聞き手に「聞いてもらっている」という感覚を持ってもらえます。
相槌は普段の会話での使用頻度も高いため、傾聴技法の中では比較的身に付きやすく、難易度が低いです。そのため、傾聴を最短距離で身に付けるためには、あいづちとそうでないものは分けて考える必要があります。
あいづちには含まれないもの
確かにそうですね。知らなかった。凄いですね。さすがですね。
上記は聞き手の主観が入る言葉、同意の言葉です。相槌ではありません。
大変でしたね。つらかったですね。
上記のような言葉はあいづちではなく、相手の気持ちを汲み取る共感の言葉です。共感の方が習得難易度が高いため、分けて考えます。
何でそう思ったんですか?それからどうなったんですか?
上記はあいづちではなく、質問になります。効果的な質問は傾聴でも難易度が高いです。
傾聴技法は繋がっているスキルですが、最短で習得するためには何が出来ていて、何が適切にやれていないかの確認が大切です。
うなずきとあいづちは、普段の聴き方でも使用する方が多いですが、傾聴では意識して積極的に入れて聴きます。