効果的な傾聴トレーニング方法のポイント

傾聴はスキルですので、トレーニングすれば誰でも習得できます。そのポイントを紹介します。

傾聴を学ばれたことがない方は、まず傾聴とはの記事をご参照下さい。

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よくある質問と感想

傾聴すると不自然な会話になる

トレーニングに取り組むと、特にオウム返しや共感の言葉の時に不自然な会話になりやすいです。

理由はシンブルで、取り組み始めはまだ傾聴に慣れておらず、話を聞きながら、意識が自分に向きやすいためです。

例えば相手が話している最中に、次はどんな質問をしようか、この共感のことばで合っているだろうか?等が気になったり、オウム返しをする時に、オウム返しを言うことに強く意識が向いて、その言葉を相手に届けられないと不自然な会話になります。

これは傾聴トレーニングをすると、ほぼ誰しも通る道です。慣れるまではどうしても傾聴を行う自分自身に意識が強く向きます。

解決法1 意識を相手に向け続ける

この解決法は非常にシンプルで、まずは意識せずとも楽にオウム返しや共感を出来るように、何度もトレーニングを繰り返すことです。

そしてトレーニング中に意識が自分に向いたら、その事実にまずはしっかりと気付くことが大事です。意識が自分に向いていると気付いたら、再び相手に意識を向けるようにしていきます。

相手に意識を向けるとは、相手の視線や表情、姿勢、声のトーン、言葉の内容に強く意識を向け、相手はどういう状況なのか、どんなことがつらいのかという点に意識をフォーカスさせていくことです。これは実践して慣れるしかありません。

解決法2 相手と良い関係を築こうと思って関わる

傾聴トレーニングの目的は自分の傾聴スキルを高めるためですが、スキル習得に意識が向くと傾聴の本来の目的が飛びがちです。

様々な傾聴技法は、「相手のことをよく知りたい」「相手と良い関係を築きたい」という聴き手の核の思いが、形になって現れたものです。トレーンングに夢中になっていると、この核の思いを忘れて、枝葉の傾聴技法が上手くできているかどうかに意識が強く向くことがあります。

そんな時は「相手と良い関係を築こう」と思って関わっていくことで、思いとスキルが融合し、自然な傾聴が生まれます。

どうしても意識を相手に向けられない時は、傾聴している時に自分自身がどんな気持ちなのか?を振り返ってみて下さい。そしてその気持ちがなぜ湧いてくるのかを掘り下げてみていくと、突破するきっかけに出来ることがあります。

傾聴が不自然に感じられるということは、今一歩傾聴を使い切れていないという証でもあり、同時に傾聴にしっかりと取り組んだからこそ見えてくることです。

ここを突破するのに時間がかかる方もいますが、突破できると聴く人にとっても、話した人にとっても、そしてその傾聴を側で見ている人にとっても感動モノの傾聴になります。

傾聴に取り組むと非常に疲れる

傾聴トレーニングはハッキリ言って疲れます。理由は次の2点です。

  1. 集中力を大きく使うため
  2. 慣れない聴き方のため

1 集中力を大きく使うため疲れる

真剣に傾聴すると、集中せざるを得ません。傾聴自体、そういう仕組みになっています。

相手の表情や姿勢をしっかりと見て、的確なオウム返しを意識するだけでかなり集中せざるを得ません。というのも、

正確に、一言一句コピーする勢いで聴こう

と意識すると、なんとなく聞いていたのでは出来ないからです。

この集中力を大きく使うオウム返しに加えて、うなずきとあいづちを入れつつ、話し手がどういった気持ちなのか?も察しながら聴く必要がありますので、そこまで意識を振ると疲れて当然です。

そのためトレーニングでは空調の整った部屋でも、汗をかきながら傾聴する人も少なくありません。

傾聴する側としては集中力を使うので疲れます。しかし話し手にとっては、「これだけ真剣に関わってもらえるのであれば、この人になら自分の悩みや辛い過去を打ち明けても大丈夫かな」と感じてもらえます。

2 慣れない聴き方のため疲れる

傾聴技法を普段から常に意識してされている方は、まずいません。

慣れていない事をすると、人はどうしても疲れます。

普段車をほとんど運転しない人が運転する場合と、毎日車に乗っている人が運転する場合では、両者の疲労感が違うのは明らかです。

傾聴もこれと同じで、慣れる毎に疲労感も軽くなっていきます。

トレーニングの時は、3分、5分の傾聴でも疲れるため、「本当にこれを60分続けてカウンセリングが出来るようになるの?」と思われる方もいらっしゃいますが、慣れれば大丈夫です。

ただ、慣れても集中力を使う疲れる聴き方であることに変わりはないため、ほとんどのカウンセリングは60分か90分で設定されています。

傾聴して疲れたという事は、真剣に集中して話を聴こうとしたからであり、新しい聴き方にチャレンジしているからこそです。

傾聴トレーニングすると自分らしさが無くなる

特にカウンセリングでは「相談者さんご自身の本来の良さ・持ち味を活かす」ことが最終的な目的となることがあります。それをサポートする聴き手(カウンセラー)自身が自分らしさを発揮できてなくて良いのか?という思いから、この点が気になる方がいます。

傾聴トレーニングに取り組むと、自分らしさが無くなるように感じられるのは自然なことです。

「型」の練習をしているため

何かを習得しようとすると、始めは当然「型」を意識してそれが出来るように取り組みます。傾聴に限らず何でもそうです。

この「型」は先人が様々な試行錯誤、成功と失敗を繰り返して作ってきたもので、それに習ってやれば効率的にスキルを身に付けることが出来ます。

傾聴トレーニング時に自分らしさが無くなる違和感は、この「型」に自分自身をはめて練習している時ですから、ある意味自然な感覚です。自分らしさが無くなっていると感じられて当然です。

この時は聴き手が自分らしさを意識するよりは、いかにステップアップ出来ているかを意識した方が前進出来ている実感を味わえます。

そしてトレーナー側から見ていると型を練習していても、その人らしさやその人のコミュニケーションの特徴は次のポイントでしっかりと現れています。

親しみやすさ

傾聴者の表情や、声のトーン、姿勢などのかかわり方で現れます。

かかわりの強さ(声の大きさ)

会話の内容にもよりますが、聴く側がしっかりと声を出しながら聴いていると、「関わってもらえている」という感覚が話し手に生まれます。あいづちやオウム返し、質問時などに声をしっかりと出しながら聴けることは強みです。私は声をしっかりと出すことが苦手な方でした。

声の温度

特に安心できる声で傾聴してもらえると、それだけで癒やされます。声の温度はその人の人柄が現れやすいです。

感情への触れ方(質問のセンス)

ここについても、得意な方とそうでない方に分かれます。つらい・悲しい体験をしていて、その体験がクリアになっている人は、感情に繊細に触れていくのが得意な方が多いです。私は質問が大の苦手で、傾聴ロールプレイで何を質問してよいかわからず、沈黙の間を作ってしまった事がよくありました。

素直さ(的確なオウム返し)

プライドを置いておいて素直に吸収出来るのも大きな強みです。オウム返しは特に話し手の言葉を的確に受け取る必要がありますので、得意な方とそうでない方に分かれます。そうでない方も練習を繰り返せば必ず出来るようになります。

「傾聴の型」を練習している時は、自分らしくないと感じられることもあります。ただトレーナー側から見ると、その人らしさは充分に現れています。

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