目を見て話せないと、人と会うこと自体がストレスになりやすいです。
また、相手が話している時に目を見れないと、相手は自分の言ったことをわかってくれたのかどうか不安になります。
目を見て話せなくても生活することはできますが、見れないよりも見れた方が人間関係も良くなります。この記事では、それを根本的に克服する方法を解説します。
目を見れない理由・原因
理由を探るためには、まずは目を見て話せない時の自分の状態を確認することがとても大切です。目を見て話せない時、
- 自分自身がどんな状態なのか?
- どんな気持ちなのか?
を思い起こしてみて下さい。ほとんどの方が
- 緊張で胸がドキドキしたり、顔が赤くなったり、呼吸が早くなる
- 人からどう思われるか気になる
- 相手の視線が怖い
という状態だと思います。結果として
- 相手の視線が怖いので目を見れない
- 相手を見れないため、相手がどう思っているか、さらにわからなくなる
- 相手がどういう状態かわからなくて怖い
という悪循環が生まれます。
人はよくわからないものに対して、特に怖さを感じます。
この悪循環をクリアにする方法を解説します。次の1点だけ覚えておけば大丈夫です。
怖さを感じながら相手に意識を向ける
克服する方法のポイントは、人と関わる時に怖さを感じながら相手に意識を向ける事です。相手に意識を向けるとは、
相手の表情や姿勢を見たり、相手の声のトーン、相手の状態や気持ちに意識を向けていきます。
始めは目を見れなくても良いので、とにかく表情や姿勢などを見て、相手の状態をキャッチする方向に意識を向けます。
目を見れない状態の時の自分自身は、緊張感が強くて動機が早かったり、怖い気持ちがあります。
普段とは違う異常状態と感じられて、どうしてもその自分に意識が向かいがちですし、それを取り除きたい気持ちが働きます。
言葉を変えると、人と関わっているのに自分のことばかり気になっている・考えている状態ともいえます。
これを改善するためには、緊張していても良いですし怖くても良いので、それを取り除こうとはせず、相手に意識を向けて関わります。
怖さや不安感は取り除こうとすればするほどそちらに意識が向かい、どんどんそれが増幅されます。(森田療法ではこれを精神交互作用と呼ばれています)
上の図の通り、意識が相手に向かえば、その分自分に意識がいかなくなるので、緊張感や怖さも弱まります。
つまり目を見て話せないのを克服する最大のポイントは、
緊張や怖さを感じて自分に向いている意識を、相手の状態を見る・察する方に向ける
事です。実際にやってみるとその効果を体感できますので、是非現場で実践してみて下さい。
どのくらいの時間目を見るべき?

という事を気にされる方がおられます。
結論からお伝えすると、目を見る時間を決める必要はありません。
なぜかというと、会話しながらこれが気になる事自体が意識が自分に向いているためです。
もしあなたが誰かと会話をしていて、あなたが話しているときに相手が

等と考えられていたら、いい気はしないはずです。それよりも会話を楽しんだり、相手の状態の方に意識を向けてみて下さい。その方が目を見る時間や反らすタイミングも、自然なものになります。
その他覚えておくと効果的な事を3つ紹介します。
その他の方法
「相手が話している時」に目を見る
自分が話す時よりも、相手が話している時に目を見る方がハードルが低いです。
自分が話す時はどうしても「話す内容」の方に意識がいきやすいためです。
相手が話している時に目を見ると「関わろうとしてくれている」と相手の方に感じてもらいやすいです。
目を合わせやすい人から始める
誰に対しても目を見て話せないのであれば、できるだけあなたが関わりやすい人からスタートしてみて下さい。
関わりやすい人とは、あなたのことをよく理解してくれている(理解しようとしてくれる)人や、言ったことをあまり否定しない人です。
心理カウンセラーは基本的に上記の関わり方ですので、カウンセリングという安全な場で練習するのも1つです。
挨拶の時に目を見る
おはようございます、お疲れ様ですといった挨拶の時であれば、目を合わせる時間は1秒もありません。
ただ、目を合わせずに挨拶する人は意外と多いです。挨拶の時に目を合わせるだけで印象はかなり良いです。
職場で部下が上司に挨拶したときに目を合わせてくれると、それだけで自分のことをちゃんと認めてくれていると感じられます。
目を合わせるだけでそのくらいのパワーがあります。
まとめ
目を見て関わるのが苦手な方には、幼少期に親との関わりが薄かった方も少なく有りません。
生まれ育った環境で得手不得手はどうしてもありますが、コミュニケーションはスキルでもありますので大人になってからも高められます。
特に初対面の人と関わる時に緊張感や怖さは付き物です。それを取り除くのは不可能ですので、緊張したまま、怖いまま相手に意識を向けていってみて下さい。
いつの間にか緊張感は弱くなり、目を見ながら会話できているはずです。