傾聴の練習に取り組むと自分らしさが無くなるたった1つの理由

「傾聴の練習をしていると、自分らしさが無くなる感じがするんです・・・。」

という事を言われる方がまれにおられます。

特にカウンセリングでは「相談者さんご自身の本来の良さ・持ち味を活かす」ことが最終的な目的となることがあります。それをサポートする聴き手(カウンセラー)自身が自分らしさを発揮できてなくて良いのか?という点から、上記の事が気になるのではと思います。

この記事では、傾聴の練習に取り組むと自分らしさが無くなる理由を紹介します。

「型」の練習をしているからそれが自然

何かを習得しようとすると、始めは当然「型」を意識してそれが出来るように取り組みます。傾聴に限らず何でもそうです。

この「型」は先人が様々な試行錯誤、成功と失敗を繰り返して作ってきてくれているものですので、それに習ってやれば効率的にスキルを身に付けることが出来ます。

傾聴の練習に取り組むと自分らしさが無くなる感じがするという違和感は、この「型」に自分自身をはめて練習している時ですから、ある意味自然な感覚です。自分らしさが無くなっていると感じられて当然です。

この時には聴き手が自分らしさを意識するよりは、いかにステップアップ出来ているかを意識したほうが前進出来ている実感を味わえます。

そして傾聴している側としては自分らしさが失われたと感じられるかもしれませんが、トレーナー側から見ていると実はそんな事はありません。型を練習していても、その人らしさやその人のコミュニケーションの特徴はしっかりと現れています。

具体的にどんな点で現れているかを解説します。

その人らしさが見えてくるポイント

親しみやすさ

傾聴者の表情や、声のトーン、姿勢などのかかわり方でその人独特の親しみやすさが現れます。

かかわりの強さ(声の大きさ)

傾聴している側がしっかりと声を出しながら聴いていると、「関わってもらえている」という感覚が話し手に生まれます。あいづちやオウム返し、質問時などに声をしっかりと出しながら聴けることは強みなんですね。私は声をしっかりと出すことが苦手な方でした。

声の温度

ここも大きいポイントです。安心できる声で傾聴してもらえると、それだけで癒やされます。声の温度はその人の人柄が現れやすいです。

感情への触れ方(質問のセンス)

ここについても、得意な方とそうでない方に分かれます。つらい・悲しい体験をしていて、その体験がクリアになっている人は、感情に繊細に触れていくのが得意な方が多いです。私は質問が大の苦手で、傾聴ロールプレイで何を質問してよいかわからず、沈黙の間を作ってしまった事がよくありました。

素直さ(的確なオウム返し)

プライドを置いておいて素直に吸収出来るのも大きな強みです。オウム返しは特に話し手の言葉を的確に受け取る必要がありますので、得意な方とそうでない方に分かれます。そうでない方も練習を繰り返せば必ず出来るようになります。

まとめ

「傾聴の型」を練習している時は、自分らしくないと感じられることもあります。ただ、第三者から見ると、その人らしさは充分に現れています。

自分らしさは現すものではなくて、現れるものという言葉をどこかで聴いた事がありますが、本当にその通りだと思います。


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心理資格取得を目指す女性
  • この記事を書いた人

井上 隆裕

2004年よりプロの心理カウンセラーとして活動。傾聴トレーナー、ジョイカウンセリングスクール代表。運営者情報

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