傾聴の聴き方を実際にやってみると、実は非常に疲れます。
傾聴は話し手にとっては、「わかってもらえた」「思っていたことが話せてスッキリした」といったメリットがありますが、特に初めて傾聴をやってみたり、取り組み始めの時は、疲労感が強いです。
この記事では、真剣に傾聴に取り組むとなぜ疲れるのか?を解説します。
1 集中力を大きく使うため
真剣に傾聴すると、集中せざるを得ません。傾聴自体、そういう仕組みになっています。
傾聴の時に意識して聴くポイントは、大きく分けると以下の6つです。
- 受容的な態度(話しやすい空気作り)
- うなずき
- あいづち
- オウム返し
- 共感のことば
- 効果的な質問
各詳細は傾聴技法一覧ページをご参照下さい。
相手の表情や姿勢をしっかりと見て、的確なオウム返しを意識するだけでかなり集中せざるを得ません。というのも、
と意識すると、なんとなく聞いていたのでは出来ないからです。
この集中力を大きく使うオウム返しに加えて、うなずきとあいづちを入れつつ、話し手がどういった気持ちなのか?も察しながら聴く必要がありますので、そこまで意識を振ると疲れて当然です。
ですので、トレーニングでは空調の整った部屋でも、汗をかきながら傾聴する人も少なくありません。
傾聴する側としては集中力を使うので疲れます。しかし話し手にとっては、「これだけ真剣に関わってもらえるのであれば、この人になら自分の悩みや辛い過去を打ち明けても大丈夫かな」と感じてもらえます。
2 慣れない聴き方のため
↑で紹介した話の聴き方・傾聴を普段から常に意識してされている方は、まずいません。
慣れていない事をすると、人はどうしても疲れます。
普段車をほとんど運転しない人が運転する場合と、毎日車に乗っている人が運転する場合では、両者の疲労感が違うのは明らかです。
傾聴もこれと同じで、慣れる毎に疲労感も軽くなっていきます。
トレーニングの時は、3分、5分の傾聴でも疲れるため、「本当にこれを60分続けてカウンセリングが出来るようになるの?」と思われる方もいらっしゃいますが、慣れれば大丈夫です。
ただ、慣れても疲れる聴き方であることに変わりはないので、ほとんどのカウンセリングは60分か90分で設定されています。
まとめ
傾聴に取り組むと疲れる理由として
- 集中力を使うから
- 慣れない聴き方だから
の2つを紹介しました。
傾聴して疲れたという事は、真剣に集中して話を聴こうとしたからであり、新しい聴き方にチャレンジしているからこそです。