ユング心理学とは、スイスの心理学者・カール・グスタフ・ユング(1875~1961)が提唱した、心の深い部分を知るための心理学です。
「ユング心理学」という名前自体はとてもメジャーなのですが、本を読んだだけではとてもわかりにくく、難しいです。著者が初めてユング関係の本を読んだ感想は、「よくわからない!」でした。
この記事では、具体的にカウンセリングでユング心理学がどんな風に使われているか、活かされているのかをわかりやすく解説します。
アートセラピーの分析、夢分析に役立つ
ユング心理学は、アートセラピーを学びたい方には必須の心理学といえます。(※ここでいうアートセラピーとは、絵画療法、箱庭療法、コラージュ療法、造形療法などの芸術療法のことです。)
なぜかというと、ユング心理学を知っていると、クライアントが描いた絵や箱庭をパッと見てすぐにその分析が出来、いくつかの仮説が立てられるからです。(分析の仕方は夢分析も同じです)ユング心理学は、分析心理学ともいわれています。
例えば花や木のパーツが渦巻き状に描かれている場合、もしくは渦巻きそのものが出てきている場合は、母親に対しての何らかの引っ掛かりを感じている事が多いです。
というのも、渦巻きというと「巻き込まれて身動きが取れなくなるもの」や、「そこから何かが生み出されるもの」等の人であれば誰しも思い描く共通のイメージがあります。このイメージと、多くの人が思い描く「母親のイメージ」は一致してます。母親は、やさしく育ててくれる反面、過保護になると自立が妨げられる存在でもあります。
元型にはいくつかのタイプがあります。↑で紹介した「渦巻き」的なイメージは、グレートマザー(太母)と呼ばれています。
様々なユング心理学の元型
いくつかの代表的な元型と、その意味合いを紹介します。あくまで「仮説」として参考になるもので、実際にどうなのかはその人と会話して確認していく必要があります。
グレートマザー
↑で説明した「渦巻き」や、「海」、「怪獣」、「洞窟」などが当てはまります。
こういったものが絵や夢に出てくると、「今は守られたい」という思いが現されていることもありますし、「その人自身の中の自分自身や他人を育む力」が現されていることもあります。「自立」がテーマの事も多いです。
幼稚園・小学校低学年くらいのお子さんは、砂場で穴を掘ったり、トンネルを作って遊ぶ事が多いですよね。あれはなぜかというと、穴を掘ったりトンネルを作ることで、言葉では言い表せない思いが満たされるからです。
というのも幼稚園や小学校に入ったばかりの時期は、接する人や過ごす場所が大きく拡がり、環境の変化が子供にとっても大きいです。
心の中では「まだ誰かに・何かに守られていたい」という気持ちがあります。その気持ちが穴を掘る(穴に入れば守られる)事や、トンネル遊びをする(トンネルは胎動と通じるものがあります)事で満たされる・浄化される効果があるからです。
ユングの元型を詳しく知ると、その人自身が心の深い部分で感じている事をキャッチするのにとても効果的です。
他に有名な元型として、シャドウ(影)を紹介します。
シャドウ(影)
ユング心理学におけるシャドウとは、その人自身がまだ受け入れられない自分自身の思いです。
例えば、腹の中では怒り心頭なのに、「笑顔でいないといけない。怒ってはいけない」と思っているとそれはシャドウになります。そのイメージが、絵や夢では、「怖い動物」(蛇やライオン、ワニ等)や、「ピエロ」となって表れます。
もの凄く真面目な人、勤勉な人にとっては、「休む事・ゆっくりする事・何もしない事」がシャドウになる場合も。そうなると、「休みたい・動きたくない自分自身」を受け入れられていないので、オーバーワークになって身体を壊すこともあります。他人が休むことに対しても、どうしても厳しくなります。
ちなみに「どうしても好きになれない・見るだけでイライラする人」は、自分自身のシャドウをその人が出している事も多いです。私は職場でパソコンのキーボードを大音量で叩いたり、イライラセカセカする人が大嫌いですが、実は私自身もかなり短気でイライラしやすい方です。そんな自分のセーブしている気持ちを出している人を見ると、自分の嫌なところを見るようです。。。
シャドウについては、始めは自分がそう思っているとさえ気付いてないです。まさに影。まずは、自分自身のシャドウに気付くことが受け入れていく大きな一歩になります。
まとめ
ユング心理学の特徴として、アートセラピーの分析や夢分析にとても役立ちます。
分析の基本的な考え方として、元型があります。この記事では比較的出てくる事が多い「グレートマザー」と「シャドウ」の元型を紹介しました。
ユング心理学は、その人自身が描いたモノ、選んだモノ、見た夢を通して、心の深い部分を知っていくのにとても効果的な心理学です。