3分でわかる「国家資格・公認心理師になるには」必要な費用や期間

投稿日:2016年8月1日 更新日:

公認心理師とは

一言で簡単にいうと、心理カウンセラーの国家資格です。

臨床心理士を始めとして、心理関係の資格は民間資格のみだったのですが、2015年9月の通常国会で「公認心理師法」が可決されました。2017年9月15日に施行されています。

第1回公認心理師試験は、2018年9月9日(日)に実施されてます。(合格発表は11月30日)

活動分野は、「保健医療、福祉、教育その他の分野」とされています(公認心理師法第2条)。つまり、病院や学校で活動することが予想されます。

「公認心理士」ではなく「師」の字が正しい表記になります。

社会人になってから公認心理師になるには

まずは受験資格を満たす必要があります。独学では絶対になれません。

受験資格

シンプルにお伝えすると、次の2つのいずれかに該当すれば受験資格が得られます。

  1. 「公認心理師になるために必要な科目」を心理学関係の大学と大学院を出て修了する。
  2. 大学で公認心理師になるために必要な科目を修めて卒業し、文部科学省令・厚生労働省令で定める施設で、規定の期間以上心理関係の仕事に従事する。

「公認心理師になるために必要な科目」ですが、大学での必要な科目として合計25科目、大学院での必要な科目として合計10科目です。必要な科目の詳細は、カリキュラム等検討会報告書の概要の2ページ目にアップされています。

公認心理師資格取得のためには、↓の受験資格の特例に該当する方以外は、まず心理関係の大学を卒業する必要があります。受験資格が満たせる大学、大学院については公認心理師資格対応大学・大学院一覧リストをご参照下さい。

受験資格の特例を3つ紹介します。

特例1(施行前に大学院に入学している場合)

心理学関係以外の4年制大学を卒業している場合でも、2017年9月までに臨床心理士指定大学院に入学していれば、心理学関係の大学に新たに入学する必要はありません。

参考:公認心理師法案 第二条より

次の各号のいずれかに該当する者は、第七条の規定にかかわらず、試験を受けることができる。

施行日(2017年9月)前に学校教育法に基づく大学院に入学した者であって、施行日(2017年9月)以後に心理学その他の公認心理師となるために必要な科目として文部科学省令・厚生労働省令で定めるものを修めて当該大学院の課程を修了したもの。

特例2(施行前に心理系の大学に入学している場合)

「公認心理師になるために必要な科目」の5割程度を大学で修め、その後心理系大学院で必要な科目を修めればOKです。

特例3(心理の仕事に従事していた場合)

特例の経過措置として、公認心理師法施行後5年間(2022年9月まで)は次に該当する人は受験資格があります。

  • 保健医療、福祉、教育関係で心理の仕事を5年以上していた場合
  • 保健医療、福祉、教育関係で心理の仕事についていて、文部科学大臣及び厚生労働大臣が指定した講習会の課程を修了した場合

参考:公認心理師法案 第七条「受験資格」

上記の心理の仕事での経験が必要ですので、介護相談員の経験では特例になりません。

施行時期(2017年9月15日)までに、保健医療、福祉、教育関係で心理の仕事に就いている場合、そこから仕事を5年以上続ければ受験資格の特例が満たせることになります。

臨床心理士との受験資格の違い

臨床心理士は、大学は心理学関係に限らず、とにかく4年制大学を修了していればOKです。大学院は指定大学院を修了する必要があります。

それに比較して公認心理師の場合、大学を卒業していてもそれが心理学関係でない場合、必要な科目が修了出来る心理系の大学に新たに入学し直す必要があります。

このため心理系の学部を卒業していない社会人にとって、臨床心理士資格取得よりもハードルが高いです。費用も期間も大学卒業分必要です。

対応している通信制大学について

2018年度、通信課程の大学で公認心理師資格に対応しているのは、

  • 聖徳大学 心理・福祉学部 心理学科
  • 京都橘大学 健康科学部 心理学科

の2校のみです。2校とも4年間の学費は、スクーリング・実習費等を含めると約100万円です。

※2018年8月追記 東京福祉大学も2019年度より対応します。

大学院の通信課程では公認心理師資格未対応

上記2校とも大学院の通学コースでは公認心理師資格に対応していますが、大学院の通信課程では未対応です。(京都橘大学は、通信課程の大学院は未設置)
聖徳大学大学院に問い合わせたところ、規定の実習時間の多さから通信課程では対応を見送られているとの事です。

放送大学では未対応

2018年度の対応は見送られ、今後の対応については現在未定です。

今後「大学での受験資格に必要な科目」は放送大学で満たせる可能性はありますが、「大学院での受験資格に必要な科目」を満たすのは、↓の理由により難しいと感じます。放送大学に限らず、他の通信課程の大学院も同様です。

通信課程で「大学院での受験資格に必要な科目」を満たすのが難しい理由

通信課程でも、求められる実習時間が膨大なためです。

公認心理師の受験資格として、大学での心理実習は80時間以上とされています。仮に1日5時間の実習時間とすると、合計16日間です。これを大学4年間で割ると、1年当たり4日の実習で済みますので、大学は通信課程でも修了可能です。

大学院についてですが、通信課程(放送大学含む)で「公認心理師の受験資格に必要な科目」を満たすのが難しい理由として、心理実践実習が大学院では合計450時間以上になるためです。

この合計実習時間の450時間を換算していくと、1日5時間として約90日間です。これを大学院の3年間で割ると、年間30日間になります。これだけの実習日数を通信課程でこなすのは現実的ではありません。

↓の通信課程対応の大学院は特例です。

特例対応の通信課程の大学院

人間総合科学大学大学院仏教大学大学院では通信制で受験資格が満たせるよう対応予定です。

上記の大学院は、公認心理師法施行日前(2017年9月)に心理系の大学または大学院に入学しており、こちらで解説されている受験資格の特例を満たしている方のみが対象となります。

社会人になってから公認心理師受験資格を満たすための費用と期間

端的にお伝えすると、公認心理師資格対応の大学と大学院を修了する費用が必要です。

受験資格を満たすためのトータル費用は、最安で3,243,100円+530時間分の実習費です。実習費を考えると350万円以上は見積もっておいたほうが無難です。

上記受験資格の特例を満たさず、社会人になってから公認心理師資格取得を目指す場合、現段階では↓になります。

大学、大学院とも通学を利用する場合

約500万円(私立大学の場合650万円)
国立大学約250万円または私立大学約400万円+大学院約250万円

大学は通信課程で大学院は通学を利用する場合

約350万円
通信制大学約100万円+大学院約250万円

上記いずれかの2択です。期間は両方最短6年間になります。

大学院は国立を利用すると、費用は2年間合計で1,383,600円になります。(上越教育大学の場合)

費用詳細は↓をご参照下さい。

大学での費用詳細(通信課程)

聖徳大学 心理・福祉学部 心理学科 (通信課程)の場合
トータル:868,100円+80時間分の実習費(目安20~30万円)

【内訳】入学検定料:35,000円+入学金:3万円+入学時諸経費:29,100円+学費・施設費:123,000円×4年間+学習管理費:8,000円×4年間

引用元:聖徳大学通信課程

通信課程の大学に3年次編入した場合

すでに4年制大学を卒業している方は、心理系以外の学部卒業でも3年次編入が可能です。

3年次編入で公認心理師の対応科目、実習時間が満たせるかどうか東京福祉大学に確認したところ、2年間で満たすのは難しいため、3年次編入しても4年を2回することになる(合計3年間在籍する事になる)との事でした。4年在籍と比較して年間授業料の15万円が安くなるのみ。

大学院での費用詳細

聖徳大学大学院 臨床心理学研究科(通学)の場合
トータル:2,375,000円+450時間分の実習費(目安30~50万円)※2年で修了出来た場合

【内訳】入学検定料:35,000 円+入学金:44万円+授業料・施設費:95万円×2年間

引用元:聖徳大学大学院

実習費の目安は、臨床心理士の場合と比較して立てていますが、時間数が多いため上記金額より高くなる可能性は強いです。

金持ちじゃないと無理か・・・と感じた場合の救済措置かどうかはわかりませんが、大学院をカットして約250万円安く取得出来る方法も、一応公式に用意されています。

大学卒業後、実務経験を積むケース

以下の条件を満たせば、大学院修了無しで受験資格が満たせます。

大学で公認心理師になるために必要な科目を修めて卒業後、文科大臣・厚労大臣が認めるプログラムにのっとって業務が実施されている施設で2年以上(標準的には3年間)の実務経験を積む。

引用元:公認心理師のカリキュラム等検討会報告書

この場合、費用は大学卒業分のみになります。

しかし、「文科大臣・厚労大臣が認めるプログラムにのっとって業務が実施されている施設」が限定されているのは明らかですし、大学院に通う費用と期間を考えると、かなりの人はこちらの方法で受験資格を満たそうと考えるはずです。

実務経験を積むための門は、非常に狭いのは間違いありません。施設の採用面接に落ちると、いつまでたっても受験資格が満たせないリスクがあります。

実務経験について

現状は試案段階ですが、実務経験を積むための施設候補は以下の分野です。

参考:公認心理師法第7条第2号に係る実務経験について

保険医療分野

病院、診療所、介護療法型医療施設、保健所、精神保健福祉センター、介護老人保健施設等。

福祉分野

障害者支援施設、地域活動支援センター、発達障害者支援センター等。

教育分野

学校教育法で規定される学校、教育委員会での活動。

司法分野

刑務所、裁判所、少年院、保護観察所等での活動。

産業・労働分野

組織内健康管理センター・相談室、地域障害者職業センター及び障害者就業・生活支援センター。

あくまで大学で公認心理師になるために必要な科目を修めて卒業後の話なので、現状は試案であり、具体的な施設名が決まるのは数年後になると思われます。

資格試験の受験料や登録料について

公認心理師法施行令(平成29年政令第243号)第2条~第4条によると
試験受験手数料:28,700円
登録手数料:7,200円
と定められています。

まとめ

医療分野・公的な教育分野で心理カウンセラーとして活動したい方は、この資格の取得を考えておいたほうが良いと感じます。信頼性において、国家資格に勝る民間資格はありません。

ただ、一旦社会人になってからこの資格を取得するのは、心理学系の大学+大学院修了が基本のルートとなり、時間的にも費用的にもハードルは高いです。実習時間が多いため、正社員で仕事を続けながらチャレンジするのが極めて難しいです。

カウンセリングを受ける方には、~症、~障害と名のつく医療関連の悩みを持っておられる方だけでなく、自己肯定感を高めたい、コミュニケーション・人間関係で悩みを抱えている、恋愛での悩みをなんとかしたいという方も多いです。

そういった方をサポートするカウンセラーになるには、公認心理師資格を取得せずとも、民間のカウンセラー養成スクールに通う事でも可能です。

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