心理カウンセラー資格の種類は非常に多く、何が自分に合っているか戸惑うと思います。
お勧めの資格は、取得する人の目的によって変わります。万能の心理資格はありません。
この記事では実際に様々な心理資格を取得し、プロの心理カウンセラーとして20年活動している私が、目的別にお勧めの心理資格を7つ紹介します。
通信の心理資格おすすめ2つ
通信の心理資格が適切な方は、シンプルに心理学を学んでみたい方、手っ取り早く何らかの心理資格を取得したい方です。
費用が安く、自分のペースで学べるのが大きなメリットですが、デメリットとして通信では実際に人と関わって学ぶことが出来ません。そのためカウンセリングスキル習得の目的には不向きです。仕事にしたい方は通学以上が適切です。
通信の心理資格は多数あり、当サイトでも16の資格詳細を解説しています。その中でも、カウンセリングの良さを最も実感しやすいのが↓です。
セルフケアカウンセラー資格
学びを通してストレスに強い心を作る事を目的とした通信講座です。
世界的に使われているメジャーな心理学を学びながら、自己肯定感を高められる、自己理解・他者理解を深められる内容になっています。
この講座の大きな特徴は、動画講座主体の学びという点です。テキスト主体の学びではどうしても心理学・カウンセリングの良さを感じにくいところがありますが、動画講座を受けながら、実際にどのように心理学を役立てれば良いかを掴みやすくなっています。
デメリットはコスト削減でテキストがシンプルな点ですが、資格取得までのトータル費用は通信で最安です。
通信で心理資格取得を考えている方に、最もお勧めできる講座です。
大学卒業資格(学士)
通信課程の心理系大学で学ぶことで、卒業すると学士の称号が得られます。
通信制大学の場合、入試は書類審査のみでかんたんです。費用は4年間で100万円前後と、手軽に出せる金額ではありませんが通学の約1/4です。心理学を学びつつ大卒資格を得たい方にはお勧めできます。
大学の授業は基本的に座学ですので、スキルやコミュニケーション力の向上は期待しない方が良いです。
通信課程ですが年間10日程度はスクーリング(通学での受講)を選択できる大学が多いです。
通学の心理資格おすすめ3つ
カウンセリングスクールに通学し、資格取得する方法です。通う間隔は週1~月1回まで様々です。
通学のスクールが適切な方は、カウンセリングスキルを日常や仕事に活かしたい、自分を癒やしたい、仕事につなげたい方です。
特に心理の学びを通じて自己肯定感を高めたい、コミュニケーションスキルを高めたい方に通学のスクールは適切です。
デメリットは、費用、期間ともに通信より多くかかる点です。
メリットは実際に人と関わりながら実践的に学べる点で、スクールによっては実際のカウンセリングの様子を見ながら学べます。
この方法で資格取得後、仕事にしている方もいますが(私もその1人です)、プロになる難易度は高めです。全国各地で取得できる、おすすめの資格を3つ紹介します。
プロフェッショナル心理カウンセラー
民間のカウンセラー養成スクールは複数ありますが、その統一資格です。受験資格を満たすためのハードル、取得にかかる費用はやや高めですが、民間資格としては心理の仕事を得やすい方です。法務省、厚労省などの公的な期間から仕事を請け負った実績もあります。
主目的が「自分を癒やす」「人間関係向上に活かす」という方は、資格取得は置いておき、カウンセリング講座の受講だけで得られるものは大きいです。受講のみであれば費用はかなり抑えられます。
キャリアコンサルタント
学歴不問で取れる国家資格です。キャリアカウンセラーとも呼ばれており、就労支援や働く事に悩みを抱えている人のサポートが主な役割です。
全国で受講できますが、資格取得を通して自分を癒やしたい、自己理解を深めたい方には不向きです。
企業の人事関係の方がスキルアップで取得するケースが多く、この資格を活かして対人援助の仕事に就く事も可能です。
正規職員としての雇用はほぼゼロですが、国家資格にしては比較的短期(約半年)で取得でき、費用も約40万円と他と比較するとそれほど高くありません。
NLPプラクティショナー
NLPは様々な心理療法の良い所取りをしているプログラムで、米国NLP協会が認定している資格です。
日本での浸透度も高く、地方都市で受講できます。試験は無く、所定の講座(約40万円)を修了することで資格取得できるタイプです。
2年毎に更新の必要があるのがデメリットですが、この資格取得後に独立開業して活動している方は複数います。
人間関係の改善や、自分の性格や考え方をより生きやすくする目的で受講される方が多いです。
大学、大学院修了が必須の心理資格おすすめ2つ
大学、大学院での学びが適切な方は、病院や学校などの公的機関でプロとして働きたい方です。
資格取得の費用、期間とも最も多くかかりますが、その分仕事を得やすくなります。
資格の信頼性・認知度も最も高いですが、注意点として社会人で自分を癒やしたい、コミュニケーション力を高めたい方は、通学のスクールでの資格取得の方が向いています。
理由は大学での講義は大人数で実践的ではない点と、上記の目的だと費用、期間ともにあまりにかかりすぎるためです。
次の2つはいずれも大学卒業レベルが求められ、取得に時間と費用、労力がかかりますが比較的仕事を得やすいです。
公認心理師
2018年9月に第1回試験が実施された国家資格です。心理資格の中で最も信頼性が高く、この資格があれば病院で正社員として働ける可能性が高くなります。
資格取得の基本ルートとして心理系の大学(通信可)と大学院(通学のみ)を修了する必要があり、会社員の方は仕事を辞める必要があります。
心理系の大学卒業+実務経験3年のルートもありますが、採用面接の難易度が非常に高く、社会人にとっては非常に取得しにくいです。
試験は選択式で実技試験や面接試験はありません。現在高校生以下で、病院や学校でカウンセラーとして活動したい方に特に向いています。
心理判定員
児童相談所等の公的機関で、子供や障害者、その家族などを心理学的な面からサポートする仕事です。
試験を受けて資格取得するタイプではなく、この仕事に就くことで心理判定員とみなされる任用資格です。定員が決まっているため、国家資格の公認心理師よりも難易度は高いです。
公務員のため年収が安定しているという点でおすすめです。地方公務員上級(大卒レベル)に合格する必要があり、試験の年齢制限を30歳までとしている自治体が多いです。
向き不向きが分かれる心理資格3つ
以下の心理資格は認知度は高めですが、向き不向きが強めだと感じるタイプです。
認定心理士
認定心理士は試験がありません。いずれかの4年制大学を卒業し、所定の36単位を取得しさえすれば、後は申請するだけで取得できます。(申請に必要な合計費用は41,000円)
「大卒資格が欲しい+心理学を学びたい」社会人の方には向いていますが、大学の講義は座学でスキルトレーニングは無いため、コミュニケーション力を高めたり、自分の内面を見つめて心を整理したい方には不向きです。
ただしこの資格取得を通して大卒資格が得られると、選べる仕事の幅が広がるのは間違いありません。(心理系の仕事に就くにはこの資格だけではかなり難易度が高いです)
臨床心理士について
臨床心理士は、大学院修了が求められる民間の心理カウンセラー資格です。国家資格の公認心理師ができる以前は、最も信頼性が高い心理資格でした。
以前は病院に勤務するときに求められていた資格ですが、近年診療報酬の関係で臨床心理士ではなく、公認心理師が求められるようになっています。
大卒の社会人であれば、公認心理師よりも取得はしやすいです。※費用約220万円、期間最短3年。どうしてもスクールカウンセラーとして働きたい社会人の方は、取得を考えても良いと思います。
産業カウンセラーについて
労働者の心の支援を目的としている資格です。日本の心理系の資格の中では最も歴史があり、NLPと同じく日本各地の地方都市でも取得できるのが大きな特徴です。
受講生同士での傾聴実習が100時間程度ありますが、指導員の質にバラつきがある話を見聞きします。
気になる方は事前に近くの支部で、実際に教えてくれる指導員がどんな人なのか、確認するのをお勧めします。その上でその指導員のようになりたい、見習いたいと思えるようであれば受講を考えても良いと思います。
心理資格選びで大切なこと
心理資格選びで大切なことは、取得する目的を明確にすることです。おすすめの心理資格は、その方の目的によって変わります。
目的がはっきりしないけれど、何となく学びたいと感じておられるのであれば、通学のスクールの無料説明会に行ってみるのをお勧めします。人と関わることで見えてくる・明確になることもあります。
また、実際にスクールに行ってみると、どんな場所で、どんな表情で、どんな対応をしてくれるのかリアリティを持って感じることが出来ます。
説明を受けてみて「わかってもらえた」と感じられたり、「この人から見習いたい」と思えたらやってみるのをお勧めします。心理学・カウンセリングの知識・スキルの良い点は、その後の人生に継続して良い効果を得られる点です。
こちらから通信含むお近くのスクールの資料を無料で請求できますので、比較検討してみて下さい。
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