カウンセリングと日常会話の違いとして、最も大きいのは目的の違いです。
カウンセリングは、心の問題解決という目的がある会話で、相談者のための会話、時間です。
日常会話はお互いの関係性の維持や構築、情報のやり取り等の目的で行われることが多いですが、そもそも会話の目的が無い場合もあります。
この記事ではカウンセリングと日常会話の違いを5つ解説します。
カウンセリングと日常会話の違い一覧
カウンセリング | 日常会話 | |
会話の目的 | 心の問題解決のための会話 | 無い場合有り |
会話の主体者 | 話し手(相談者) | 未設定 |
時間設定 | 有り(50~120分) | 無い場合有り |
聞く量、話す量 | 偏り有り | 基本偏り無し |
会話内容 | マイナスの感情を出しやすい | マイナスの感情は出しにくい |
会話の主体者の違い
カウンセリングの主体者
カウンセリングは相談者の心の問題解決のための会話ですので、主体者は相談者です。カウンセラーは問題解決のためのサポート役となるため、話す時間よりも聞く時間がどうしても長くなります。
カウンセリングは相談者のための時間ですので、相談者が話したいことを話せる範囲で自由に話して頂くことを重視しています。そのため話し手(相談者)と聞き手(カウンセラー)が明確に分かれます。
日常会話の主体者
日常会話の主体者は、特に決まっていません。どちらかが聞き手になることもあれば、話し手になることもあります。通常会話量の偏りは大きくなく、話したり聞いたりが交互に繰り返されることが多いです。
時間の使い方の違い
カウンセリングの時間は50~120分の間で行われることが多いです。これは人が集中できる時間には限りがあるためです。
カウンセリングで話す側(相談者)は、自分の心の内面を見つめることが多く、心の体力をかなり使います。
カウンセリングで聞く側(心理カウンセラー)も、相談者の発言を完璧にコピーする勢いで聞くため、集中力をかなり使います。
詳細:カウンセリングで時間が設定されている4つの理由
これに対して日常会話では特に時間は決まっていません。人によっては何時間でも話せるのは、話す、聞くを交互に繰り返しており、それほど疲れないことと、カウンセリングほど集中して聞く必要がなく、その場のノリで楽しく会話できる点も大きいです。
お互いの聞く量、話す量の違い
日常会話では、お互いの話す量、聞く量のバランスが取れていることが多いです。どちらかが一方的に話したり、どちらかが一方的に聞くケースは多くはありません。
カウンセリングではお互いの話す量、聞く量にはどうしても偏りが出ます。カウンセラーが聞く量が多くなるケースがほとんどです。
会話内容の違いと会話の方向性
カウンセリングでの会話内容
カウンセリングは心の問題解決のための会話ですので、どんな事に困っているのか、何が辛いのか、どんな事が苦しいのか等、相談者のマイナスの感情にアプローチすることが多いです。
過去のトラウマや自分の本音など、ある意味誰にでも話せない事、あまり他人に知られたくない事を話すケースも多いです。幼少期の親との関係性を聞くことも多々あります。
そのためカウンセラーと相談者は、普段の生活ではあまり関係性が無いほうが話しやすいです。
カウンセリングと比較した日常会話の内容
日常会話では基本的に、聞く側はマイナスの感情にアプローチしません。辛いこと、苦しい事を詳しく聞き、それを出してもらうように促すことはあまりしません。
これはマイナスの話題を話されると聞く側に負担がかかることもありますが、話す側の心構えが整っていないと、心に土足で立ち入られたと感じられる場合もあるためです。
日常会話で自分自身の辛さや悲しみやイラ立ちなど、マイナスの感情はなかなか表に出しづらいですし、聞きにくい部分です。
まとめ
カウンセリングと日常会話の違いを5つ紹介しました。
- カウンセリングには目的があるが、日常会話では目的が無いことがある
- カウンセリングでは時間が決められているが、日常会話では決められていない
- カウンセリングは相談者のための時間で、料金が発生する
点が特に大きな違いです。
共通点として、会話の主導権は一見話す側にあるように見えますが、実際は聞く側が握っています。
何を質問するかで会話の方向性は大きく変わりますし、聞く側の反応により、どんな内容をどのくらい話すかが変わります。