自律訓練法は、イメージの力を使ってリラックスを作る方法です。世界中で使われているメジャーなリラックス方法で、イメージトレーニングとも呼ばれています。
トレーナーの誘導に従い、15分~25分の間で実施されることが多いですが、途中で寝落ちしても全く問題ありません。
このページでは、自律訓練法の方法と効果、寝落ちした場合とやってはいけない人について解説します。
関連:自律訓練法音声ガイド
動画で知りたい方はこちら
自律訓練法とは
自律訓練法は、リラックスした身体の状態をイメージし、心と身体のリラックスを作る方法です。自律神経の調子を整える目的で使われることが多いです。
例えば普段から緊張感が強かったり、鬱々とした状態が続いたり、強く気にかかることがあると夜寝る時になっても緊張状態が続き、寝付きが悪かったり、眠りが浅くなります。しっかり睡眠が取れないと、当然次の日の仕事やパフォーマンスに影響します。
心が疲れている時は、緊張や疲労で同時に身体も疲れていることが多いです。その場合、今の状況や問題について会話する余力が無いケースもあります。
そんな時はカウンセリングで心の問題について話すよりは、まず疲れた身体を休めて、会話する気力を取り戻す必要があります。
自律訓練法はそんなシチュエーションで使われることが多いです。(もちろん健全な状態で使っても強いリラックスが得られます)
心配事や不安な事があると、胃が痛くなった経験をされたことがある方もおられると思います。良くないイメージが身体に影響を及ぼすのであれば、良いイメージで身体のリラックスを作るのが自律訓練法です。
自律訓練法の効果
一言でいうと、強いリラックス効果があり、緊張で疲れている身体を休めることができます。その結果として
- 疲労回復
- 寝付きが良くなる、睡眠の質が上がってぐっすり眠れる
- ストレス・抑うつ・緊張感の軽減
- 集中力の向上
などのメリットがあります。
具体的な方法
始めはトレーナーや、カウンセラーからの言葉掛けでイメージします。
詳細:自律訓練法音声ガイド|無条件でできるリラックス
受ける側は、座る場合はリラックスして深く腰をかける、可能であれば仰向けになれるようなリラックス出来る姿勢で受けれるとベストです。時間は20分~25分程度です。
次の順番で呼吸を整え、イメージすることでリラックスを作ります。
- 深い呼吸
- 重さをイメージ(手→足→全身の順番)
- 温かさをイメージ(手→足→全身の順番)
- 涼しさをイメージ(頭のみ)
- スッキリと出来るイメージ
それぞれ補足します。
深い呼吸
深い呼吸はリラックスに強く関係しています。というのも、人であれば誰しも緊張したり興奮しているときは呼吸が早くなり、リラックスしている時には呼吸がゆっくりと深くなります。動物も同じです。
リラックスしている時が深い呼吸なのであれば、逆に身体からアプローチして深い呼吸を意識して行うことでリラックスを作れます。
重さをイメージ
重さとリラックスが関連している理由は、力が抜けてリラックスした状態は、そうでない状態よりも重いイメージが人には焼き付いているためです。子供さんや人をおぶると、寝ていない状態よりも寝ている状態の時のほうが重く感じます。
両手からスタートして、両足、体全体と少しづつ重さをイメージしていきます。
温かさをイメージ
緊張すると脳に血が集まるため、手足などの身体の末端は冷たくなります。逆にリラックスしている状態は、身体の末端まで血液がしっかりと流れている状態となり、手足は温かくなります。寝ている状態はリラックスしている状態ですので、手足は温かいです。今度寝ている人の手足を触ってみて下さい。
お腹を冷やさないための腹巻きもありますが、身体を冷やさず温めることは、血の流れをよくし、身体を良い状態に保つことにも繋がります。
温かさのイメージは、重さのイメージが終わったあとに、両手、両足、体全体とイメージしていきます。
涼しさをイメージ
リラックスするためには、身体は温かい状態がよいのですが、頭まで温かいとぼーっとしてイメージが出来ませんので、頭のみ涼しいイメージで整えます。
冬の露天風呂は身体が温かく、頭のみ涼しい状態ですがとても心地よいです。頭寒足熱の状態をイメージで作ります。
スッキリと出来るイメージ
これはいわゆる覚醒です。
自律訓練法は半分睡眠状態でリラックスを作るのですが、覚醒せずに終わり、現実生活に戻ると気だるさが残ることもあります。寝る前に音源を使って自律訓練法を行うのであればそのまま寝てしまってよいのですが、そうでない場合には覚醒のイメージを入れます。
受けながらそのまま寝る、寝落ちした場合
自律訓練法を受けながら寝落ちしてしまった場合、効果が弱くなるのではないか?という心配があると思います。私もそうでした。
しかし寝落ちしても全く問題ありません。というのも、質の良い睡眠が取れるためです。
緊張感がやや残るまま眠りにつくと、どうしても眠りが浅かったり目覚めが悪かったりします。自律訓練法を受けながらの眠りだと、リラックスした状態で深い睡眠を取ることができ、質の良い休息に繋がります。
本来半覚醒状態でリラックスを作るものですが、途中でそのまま寝ても全く問題ありません。
やや危険、避けた方が良い方
自律訓練法は基本的に副作用が無く、とても安全なリラックス構築方法です。ただ、実は誰にとっても効果があるわけではなく、避けたほうが良い方もいます。
それは、重さのイメージを聞くとどうしても否定的・マイナスのイメージが浮かんでくる方です。
その方の過去の何らかの体験が影響している事がほとんどですが、その場合は無理に受ける必要は一切ありません。受けても辛くなるだけですので止めておくべきです。
効果が感じられない時
自律訓練法の効果は実証されていますが、始めはなかなかイメージすることが出来ず、リラックスを作りにくいこともあります。その際は日を置いて繰り返し行うことで、イメージすることに慣れてくるとリラックスを作りやすくなります。
自律訓練法はカウンセリングだけではなくて、心療内科・精神科などでも行っているところがあります。会話すること無く、理屈抜きに緊張感を和らげたり、ストレスを軽減することが出来ます。世界中の至る国でその効果が認められ、使用されています。
自律訓練法音声ガイド|無条件でできるリラックスのページで実際に体験できますので是非どうぞ。