マウンティングとは、文字通り自分の方が立場が上であると示してくる関わりです。群れ社会である猿の世界でも行われています。
やたら偉そうな態度を取ってきたり、重箱の隅をつつくように細かく注意してきたり、仕事のミスをわざわざ大勢の前で注意したり、マウンティングを取ってくる人は、職場に限らずどの世界にもいます。
特に上下関係が現れるシチュエーションで多く、職場の上司と部下、買う側と売る側、嫁と姑、親子などでよく見られます。
マウンティングを取るタイプの人と接すると、非常に嫌な気分になります。上から目線で関わられて良い気分になる人はいません。
マウンティングは実は心理学的にも確立されていて、TA交流分析のゲーム分析の中のさぁとっちめてやるぞ!(さぁつかまえたぞ!)と言われるコミュニケーションのパターンです。
国や人種を超えて行われていて、人が無意識のうちに行ってしまう不快になるコミュニケーションのパターンとして確立されています。具体的に解説します。
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マウンティングを取ってくる理由
理由がわかるだけでその人との関わりはグンと楽になります。
理由はシンプルで、自分のほうが立場が上である事を知らしめておきたいという思いからです。なぜこの思いが出てくるのかというと、
- そうしておかないと自分自身が保ていない場合
- 先々どうなるかわからない不安感が強い場合
に分かれます。
立場が上であることを示しておかないと自分が保てない
自分の方が物事や仕事を知っていますよ・出来ますよという事を示して、相手よりも優位に立っておかないと気持ちが落ち着かない人がいます。実は私も若い時そうでした。
そのため、後輩が聞いてもいない仕事のやり方をわざわざ教えたりしてましたが、仕事を効率的に回すために教えていたのではなく、自分の方が上であることを示すためにわざわざ教えていました。後輩からするとうっとうしいですよね。
上下関係を重視するというよりは、自己肯定感が低いので立ててもらわないと自分を保てないのがマウンティングを仕掛けてくる原因です。
不安感の強さからのマウンティング
例えば職場であれば、年功序列制度から能力給に変わってきています。そんな時に有能で将来的に自分を追い抜きそうな若手が出てきたら、この先自分の立場がどうなるかわからない不安感が出てきます。
それならば、今のうちにどちらか立場が上なのかをハッキリさせておこうという気持ちが無意識のうちに働き、細かいミスを指摘してきたりします。ミスを直すのが目的ではないので、個人的に指摘するのではなく、わざわざ大勢の前で叱るようなタチの悪い人もいます。
ですので指摘されたミスを直したとしても、また重箱の隅をつつくようにアラを探してきます。言われた通りにしても根本解決にはなりせん。マウンティングの根本解決に繋がる方法を紹介します。
対処法
対処法は2つあります。やりやすい方から紹介します。
必要最低限の関わりに留める。距離を取る。
その人との関わりは挨拶や仕事上での必要なやり取りのみに限定し、それ以外は一切関わらない方法です。嫌な人と必要以上に関わる必要は一切ありません。プライベートな質問をされても適当にお茶を濁します。
誰とでも良いコミュニケーションを取らないとダメだという思いがあれば、それを少しゆるめると楽になります。
マウントを取らせてあげる。その人の良い面を見る。
マウントを取ってくる理由として、自分のほうが立場が上である事を示しておきたいのであれば、それを満たしてあげます。
「こうしておかないとダメじゃないか!」と言われたら、ムッとする気持ちは少し横に置いておいて
「ご指摘ありがとうございます。助かります。やはりキャリアが長いと目の付け所が違いますね」
という感じで、相手を立てます。相手からしても生意気な人にはきつく言って示しをつけておこうという気持ちが働きますが、自分のことをよく思ってくれている人に対してきつく言う必要は無いですし、きつく言いづらいでです。
ですので自己防衛のためにも、マウントを取ってくる人の良い面にも目を向けてみて下さい。仕事が早かったり他人よりも秀でている所が必ずあるはずです。そこに目を向けるだけでその人に対しての関わりにも変化が出てきますし、可能であればその部分を相手に「ここ凄いですよね」と伝えられるとベターです。
詳細:プラスのストロークの例と使い方
まとめ
マウンティングを取ってくる人は一見強そうに見えますが、実は上に立っておかないと自分を保てなかったり、不安な気持ちからきつく言ってきてます。
対処法としては距離を取るのも良いですし、相手のニーズを満たしてあげる(上に立たせてあげる)のも根本的な解決法です。
どこの職場・世界にもこういう人はいますので、お困りの方は是非試してみて下さい。