仕事や家庭である程度の我慢が必要な場面もありますが、人間関係で我慢が重なると非常に苦しいです。
言いたい事、やりたいことを抑え、我慢に我慢を重ねると、溜まった感情はどうしても爆発します。
- 無意識に我慢してしまう
- 感情が爆発し、人間関係を壊す(特に恋人関係)
パターンが繰り返されることも多いです。
同じようなケースとして、我慢に我慢を重ねた結果、過労で職場を辞めるのを繰り返すケースもあります。
この記事では無意識に我慢してしまう心理と、それを根本から克服する方法を心理学の観点から解説します。
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疲労感が強くて考える余力が無い時
我慢に我慢を重ねると心身ともに疲れて、考える・その事について会話する余力が無い場合もあります。
そんな時は、まずは考える余力が生まれるまで休むに尽きます。しっかり食べて、しっかり寝る生活をしていれば、やがて気力も体力も戻ってきます。
我慢をやめる事は、ある意味自分自身の見たくない感情と向き合わざるを得ません。そのためには、ある程度の心の体力が必要です。何とかしたいと思えた時がそのタイミングです。
1 我慢していた自分の本音を確認する
我慢しやすいということは、自分の思い(例:こう思う、こうして欲しい、これは止めて欲しい)や、マイナスの感情(自分の怒りや悲しさなど)を、抑え込む傾向があるということです。
何度もこれが繰り返されると、自分が本当はどう感じているのか?どう思っているのか?の本音がわからなくなることがあります。
我慢をやめるためには、まずは自分はどんな感情を我慢する(抑え込む)傾向があるのかを知っておく必要があります。そのためには、
のが最も効果的です。それがやりにくければ、1人で日記につけるのもOKです。
辛さやイラ立ち、怖さや悲しさ等のマイナスの感情は、話したりそれを何らかの方法で発散させることでクリアにできます。
感情を溜め込んだままだと、どうしても他のことを考えるエネルギーが奪われます。そのためまずは自分自身が我慢することで、どんな気持ちになっているのか?を把握する必要があります。
その後は、なぜ我慢する思考パターンになっているのかをみていきます。
2 我慢の元になっている価値観に気付く
我慢する思考パターン(心理状態)として、次の価値観のいずれかが無意識に根付いています。
- しっかりしなければならない(完璧でなければならない)
- 役に立たなければならない
無意識なので、自分がそう思っているとさえ気付いていません。
例えばしっかりしなければならないという価値観が無意識にあると、その逆のマイナスの状態の自分を出せなくなります。悲しかったり、腹が立っている自分を出せずに抑え込むことが続きます。
この行動パターンを自分で把握できていれば何とかそれをコントロールできるのですが、幼い時から無意識に続けてきたことなので根付いてしまっています。
その他、仕事を自分1人で抱えすぎて過労で仕事を辞める場合、役に立たなければならないという価値観が無意識にあるケースが多いです。
この場合は、頼まれたら断れない理由・心理と改善方法3ステップの記事をご参照下さい。
我慢の元になっているネックの価値観を把握した後は、なぜその価値観が根付いたのか、自己理解を深めていきます。
3 我慢の元となる価値観が根付いた原因を理解する
我慢の元となるネックの価値観(例:しっかりしなければならない)が無意識に根付く原因は、それまで育ってきた家庭環境です。
TA交流分析を創始したエリック・バーンは、人の価値観の基盤は、7歳位までに築かれるといっています。
例えば幼い時に両親に何を言っても言い返されていた、自分の言い分や弱音を親に言ったことがないと、無意識にしっかりしなければならない(弱みを出してはならない)という思いが根付きます。
そもそもそういった環境だと
状態になります。マイナスの感情は抑え込めば無くなるものではなく、積み重なっていくため、我慢の限界を超えたところで爆発します。
その他幼い時に、お姉ちゃん(お兄ちゃん)なんだから我慢しなさいと言われ続けたり、両親のグチを聞かざるを得なかったり、両親が早い段階で離婚して親戚に預けられて甘えられなかった(我慢せざるを得なかった)りすると、どうしても我慢する傾向が身に付きます。
その時は必要があって身に付けた生き方ですが、成長するとその生き方が合わなくなる時期もきます。
自分の我慢のルーツがわかると、それだけで納得感・自己肯定感は高まります。その時はそうせざるを得なかったわけですから。
4 我慢の元となる価値観を緩める
次は我慢の元になっている価値観を緩めます。
→しっかりした方が良い
という形で、ポイントは緩めるという点です。
というのも、我慢を続けてきたのはそれまで育ってきた環境で、そのときはその必要があって無意識に身に付けた生き方であり、今まで数十年間続けてきているため、急には変えられません。
急には変えられなくても、少しづつあれば緩めることは可能です。
時には自分のマイナスの感情を出す人間関係(関わり方)が経験として積み上がっていくと、無意識に我慢することは無くなります。
ここまででかなり楽になりますが、次の項目も意識するとより改善スピードが早まります。
5 自分はどう思うか、どうしたいかを大切にする
普段の生活や人と関わった時に、自分はどう思うか・どうしたいかをできるだけ意識するようにします。
自分がわからないという方もいますが、常に意識していきなりそれを伝える必要は無いので、まずは日記に「この時こう思った、こう感じた」と書くのがお勧めです。自分自身が浮き上がります。
人間関係で思ったことだけでなく、とにかく自分のやりたいこと、食べたいもの、自分の欲求を大切にします。
好きな漫画や動画を見る等、何でも良いので、自分がやっていて楽しいと感じることを増やしていってみて下さい。
というのも、我慢する傾向が強いとTAエゴグラムという心理学では、AC(他人に合わせる要素)が高く、FC(自由に振る舞う要素)が低いためです。
経験が増えると、他人を優先しすぎたり、我慢する傾向は必然的に弱まります。
まとめ|我慢が減るとグチも減る
我慢をやめるステップとして
- 我慢していた自分の本音を確認する
- 我慢の元になっている価値観に気付く
- 我慢の元となる価値観が根付いた原因を理解する
- 我慢の元となる価値観を緩める
- 自分はどう思うか、どうしたいかを大切にする
を紹介しました。
あなたの我慢で今まで助かった人もいると思います。ただ、無意識に我慢を続けてしまうと、自分も人間関係も壊れます。また、どうしても自分がグチを言う機会も多くなります。
我慢する思考パターンはそれまでの家庭環境で知らず知らずのうちに身に付いたものですが、自分はどう思うか・どうしたいかという自分の欲求を大切にすれば、必ず緩める事ができます。
ちなみいn今回のように人生で嫌なパターンが繰り返されるケースは、心理学では人生脚本と呼ばれます。
関連:人生脚本とは|効率的に書き換える方法を心理学を通して解説