メンタルヘルスマネジメント検定は、名前こそ資格っぽくありませんが、大阪商工会議所が発行する立派な公的資格です。
難易度が低い順にⅢ種、Ⅱ種、Ⅰ種と3タイプあります。この記事ではメンタルヘルスマネジメント検定試験の資格取得に必要な事と、他の心理資格と比較しての難易度を解説します。
メンタルヘルス・マネジメント検定試験とは
この資格は働く人たちの心の不調の未然防止と活力ある職場づくりを目的に、2006年にスタートしています。職場内での各人の役割に応じて、必要なメンタルヘルスケアに関する知識や対処方法を習得します。
職場にカウンセラーが第三者としてサポートに入るイメージではなく、その職場に勤めている人がメンタルヘルスに必要な知識や対処方法を習得することで、職場でのストレスを減らし、仕事の生産性を上げるイメージですね。企業に勤めている方向けの資格です。
資格は、Ⅰ種(マスターコース)、Ⅱ種(ラインケアコース)、Ⅲ種(セルフケアコース)と3種類あります。
最も取得しやすいⅢ種は、セルフケアコースの名前の通り、職場で各人が自分自身でストレスをセルフケア出来ることを目的としています。
Ⅱ種(ラインケアコース)は管理職として部下のメンタルヘルス対策の推進を目的に、Ⅰ種(マスターコース)は、社内のメンタルヘルス対策の推進を目的にしています。
資格取得について
資格取得方法は非常にシンプルで、年2回実施されている検定試験に合格すればそれでOKです。
何らかの講座を受ける必要は無いですし、受験資格は特に無く、独学OKです。
学歴は関係なく、中卒・高卒を問いません。指定の講座を受講しないといけないという事もありません。しいて言えば、必須ではありませんが勉強のために公式テキストの購入が必要な事くらいです。
試験には公式テキストで勉強して独学で望むか、実施されている対策講座を受けてから望むかの2択です。
費用について
著者が感じるこの資格の1番の特徴としては、独学でうまくいけば安価で取得できる資格という事です。各コース毎の受験料(各税込み)は以下のとおりです。
Ⅰ種(マスターコース):11,000円
Ⅱ種(ラインケアコース):6,600円
Ⅲ種(セルフケアコース):4,400円 ※各10%税込
ただ、独学にしても最低限公式テキストを購入して勉強する必要があります。Ⅲ種のテキストが2,200円、Ⅱ種は、3,410円、Ⅰ種が4,730円です。(各税込)
つまり独学でうまくいけば、Ⅲ種は受験料の4,400円+2,200円(テキスト代)=6,600円(税込)で取得できてしまいます。しかも公的資格がです。年会費も必要ありません。
ただ、この資格は通信では受験不可のため、下記の主要都市に出向いて受験する必要はあります。年に2回程度、検定試験は実施されています。
検定試験実施の主要都市
札幌、仙台、新潟、さいたま、千葉、東京、横浜、浜松、名古屋、京都、大阪、神戸、広島、高松、福岡
難易度と合格率について
一言でいうと、Ⅲ種は独学で合格できるレベル、Ⅱ種は対策講座を受けるとそれほど難易度は高くない、Ⅰ種は難易度高といえます。
心理カウンセラー資格難易度ランキングに掲載している資格と比較すると、
Ⅲ種は10位とほぼ同レベル、
Ⅱ種は8位とほぼ同レベル、
Ⅰ種は6位以上5位以下のレベルです。
※受験資格、取得にかかる時間と費用から判定。
検定試験の合格率
直近10回の平均合格率は、Ⅲ種77.6%、Ⅱ種51.8%、Ⅰ種15.4%です。
臨床心理士の平均合格率が約60%なので、それと比較するとⅠ種の合格率の低さが際立っています。
独学で合格できるかどうか
正直なところ、独学で一発合格はⅡ種だと難しいと思います。というのも著者自身Ⅲ種を取得していますが、受験対策講座を受けて合格でした。もし受けてなかったら落ちていたのではと思います。
Ⅲ種は当時は事前に勉強しなくとも、試験当日に対策講座だけ受ければ合格出来るレベルでした。今は筆者が受験した約10年前に比べると、難易度も上がっているようです。
ちなみに資格は免許証サイズの大きさです。
受験対策講座も全国主要8都市(札幌、東京、埼玉、浜松、名古屋、大阪、広島、福岡)で開催されています。丸一日で、受講料は一般の方で12,800円 (税込)。Ⅱ種を考えておられる方は受けたほうが無難と思いますが、返金保証のある通信講座もあります。
お勧めの対策通信講座
キャリカレの合格指導講座は、通信でⅡ種Ⅲ種に対応しており、
- 不合格なら全額返金
- 合格なら他の通信心理資格が無料
と非常に好条件です。
平均学習期間は4ヶ月、DVDの映像講義有り、通信のため自由度が高く、費用は35,200円(税込)とリーズナブルです。
試験について
試験は、Ⅱ種とⅢ種は、選択問題のみで制限時間2時間。
Ⅰ種は選択問題(制限時間2時間)と論述問題(制限時間1時間)が加わります。
時期は、毎年3月と11月に年2回実施されています。不合格になると、どうしても次の試験実施までに間が空くのもこの資格の特徴といえます。
更新の有無
更新の必要は無く、更新料もかかりません。
まとめ
独学でうまくいけば恐ろしく安値で取得出来る資格です。日本最安でしょう。ただ、Ⅲ種でも独学一発合格は簡単ではないです。
心理カウンセラーとしてカウンセリングが出来るようになりたい方向けの資格ではなく、企業のメンタルヘルスに関わっている人事担当者・上司の方、職場でのメンタルヘルスの知識を身に付けたい方向けの資格です。