高卒だと心理カウンセラーになれるかどうか不安な気持ちがあるかもしれませんが、実際の所、高卒でプロとして活動している人はいます。
何をもって心理カウンセラーなのかという明確な基準はありませんが、プロとしてお金を頂ける状態とします。何らかの心理資格を取得しただけでは心理カウンセラーとは言い難いです。
心理資格は2ヶ月程度で簡単に取得できるものから、大学院修了が必要なものまで様々です。簡単に取得出来るタイプほど仕事の安定感は低いです。
この記事では高卒の方が取得しやすい心理資格と、その後の仕事について解説します。敷居が低い順に紹介します。
通信課程で資格取得する場合
最も手っ取り早い方法がこれです。ただし通信だと資格取得はかんたんですが、仕事を得る難易度が高いため、プロを目指すのであれば通学での学びをおすすめします。
通信で学ぶのであれば、動画形式で安く学べるセルフケアカウンセラー資格通信講座だと、学びを通して自分のストレスケアや、自己肯定感の向上にも繋げられます。
デメリットとしてスクールから仕事の紹介は無く、自分で各種SNSやHPなどから仕事を得る必要がある点です。
ただ、非常に安価で資格取得出来るので、仮に自分で仕事を得られなかったとしても他業種と比較するとローリスクです。たいした赤字にもなりません。心理資格にはいくつか種類がありますが、↓から無料で資料請求できます。
とりあえずやってみて、もっときっちりカウンセリングを習いたいと感じられたら通学のスクールを活用するのも1つの手です。
資格取得が目的であれば通信が簡単ですが、プロとして活動するのが目的であれば、通学のスクールの方が適切です。通信と比較すると費用がかかりますがその分仕事の幅も増え、プロとして活躍している人は段違いに増えます。
民間の養成スクールに通学する場合
それぞれのスクールの講座やトレーニングを受講後、各団体の認定資格を取得し、仕事を得ます。私自身この方法で資格取得し、プロとして19年活動しています。
学びの中で実際にカウンセリングの様子を見れたり、プロから直接アドバイスをもらえ、必要な知識やスキルを効率的に学べます。プロになるまでの平均的な期間は2年間程度、費用は30万~50万程度が平均的です。
デメリットとして民間の心理資格は、大卒必須の心理資格と比較すると認知度がどうしても低いです。
その分カウンセラーとしての実力や、社会性、信頼性が求められる世界でもあります。個人で独立する場合は、クライアントさんに魅力を感じてもらえるような経営力も必要になります。
民間のカウンセラー養成スクールに通って資格取得した場合、次のようにプロとして活動している方がいます。
1 そのスクールが紹介しているカウンセリングの仕事を行う
スクールによっては、公的機関や専門学校、企業などからカウンセリングの仕事を請け負っているところがあります。カウンセリングの仕事は期間や収入など、不定期で安定しないところは多いですが、経験や実績を積む上で貴重な現場といえます。
2 そのスクールに務める
民間の養成機関を修了した場合、受講したそのスクールで非常勤のカウンセラーや、カウンセリング講座の講師、スクールのスタッフとしてプロのカウンセラーになるという道を作れます。
関連:カウンセラー養成スクールのスタッフ、心理セミナー講師になる方法
3 カウンセラーとして独立する
ご自身で開業する方法です。独立開業カテゴリーでも紹介していますが、開業して1人でカウンセリングの仕事を行っているカウンセラーは、かなりいます。
スクール修了後すぐに独立することも出来ますが、まずプロとして何らかの経験や実績を積まれ、スキルアップしてから独立されるほうがクライアント(相談者)の方に納得・満足してもらえる仕事が出来ます。いきなりカウンセリング1本で独立するよりは、他の仕事と兼業し、メドがついてから独立するほうが安全です。
4 資格取得後、ハローワークなどで募集している仕事にエントリーする
ハローワークで募集している心理・カウンセリングに関する仕事では、大卒必須の心理資格が必要でないものも多いです。電話相談員やDVの相談員等も公募されています。
スクールカウンセラー、病院での活動を目指す場合
心理カウンセラーは専門性・人気の高い職種ですので、病院や学校で働きながら資格取得するタイプは無く、働く前に自分で取得する必要があります。
スクールカウンセラーや病院でカウンセラーとして活動したい場合、
- 公認心理師資格、臨床心理士資格のいずれかを取得する
- 公募されている求人にエントリーする
方法が無難です。というのも、上記の資格が応募要件に入っているケースがほとんどのためです。
いずれも学歴を高卒から上げる必要がありますが、その分仕事を得やすくなる資格ですので、選択肢の1つとして紹介します。
高卒から公認心理師になるには
公認心理師は国家資格で信頼性はNo1です。
高卒では受験資格を満たせません。そのため最短最安の方法は、
- 通信課程の心理系大学を卒業する(4年間約100万円)
- 最低2年間(標準3年)の実務経験を満たす
- 国家試験に合格する
です。大学入試というと大変なイメージがあるかもしれませんが、実は通信課程の心理系大学なら入学は非常に簡単です。入試は無く、書類選考のみで合格率も高い所がほとんどです。ただし、卒業率は50~70%と高くはありません。期間は当然4年間かかりますが、通信だと費用は4年間で合計100万円程度が平均ラインです。(学費のみ)
この資格を取得できた場合、仕事の幅が広がります。タイミングが良ければ、病院に社員のカウンセラーとして就職出来る率も格段に上がります。
詳細:社会人から公認心理師になるには|必要な費用と期間
高卒から臨床心理士になるには
臨床心理士資格は、民間資格としては認知度が最も高く、仕事も得やすいです。
こちらも高卒の学歴のままでは受験資格が満たせません。受験資格としていずれかの大学を卒業後、指定大学院を修了する必要があります。
最安で受験資格を満たす方法は
- いずれかの通信制大学を卒業する(4年間約100万円)
- 指定大学院の通信課程を修了する(3年間約210万円)
です。
詳細:社会人になってから臨床心理士資格を取得するまでにかかる費用と期間
大学は心理学関係に大学は心理学関係に限らず、とにかく4年制大学を修了していればOKですが、この資格取得を目指すのであれば、心理学関係の通信制大学がお勧めです。
ただし個人的には高卒の方に臨床心理士はおすすめしません。理由はシンプルで、国家資格の公認心理師と期間、労力、金銭的にたいして変わらないためです。国家資格の方が圧倒的に就職にも有利です。
臨床心理士のメリットは大学、大学院とも通信課程で可能で、働きながら取得できる点ですが(公認心理師だと大学院からは働きながらは不可能)、将来的に病院での勤務が難しくなると考えられます(診療報酬の関係のため)。
次に、心理カウンセラーになれた場合の給料の目安を解説します。
給料について
就業場所によって変わります。
- 電話相談員:時給1100~1300円程度
- 病院での正社員勤務:年収3~400万円
- スクールカウンセラー:時給4~5,000円
詳細:心理カウンセラーの年収・給料・勤務体系を解説|年収1000万円も有
いずれの仕事もお金目的というよりは、やりがい重視の方、人の心理やカウンセリングが好きな方に向いています。
どのルートを選ぶべきか
公認心理師は国家資格ですが、実技試験があるわけではないため、資格取得=カウンセリングが出来るという訳ではありません。
しかし高卒の方で比較的年齢が若く、病院や学校で雇われて働きたい場合は、この資格を選択肢の1つとして考えてもよいと思います。
公認心理師資格が無くとも民間のカウンセリングスクールに通い、カウンセラーとして活動している方は多くおられます。ご自身の生き方の1つとして、カウンセリングをやっていきたいと考えておられる方には、民間のカウンセラー養成スクールがおすすめです。
ただ、高校を卒業してすぐに民間のスクールに通うという方法はあまりおすすめできません。相談者の立場からしても、社会経験の多いカウンセラーのほうが信頼しやすいものです。何らかの職業を経験しているほうが、社会性や一般常識(顧客や目上の方への対応や言葉使いなど)も身に付きやすいですし、カウンセラーとして活動するときにもその時の経験が必ず役立つからです。