心理の仕事

心理カウンセラーの仕事内容、何をするかをプロが解説

心理カウンセラーの主な仕事内容は、カウンセリングです。カウンセリングは心の問題解決のための会話で、1回50~120分間で行われるケースがほとんどです。

カウンセラーの活動場所はいくつかあり、場所によって仕事内容は若干変わります。この記事では心理カウンセリングの仕事で具体的に行う事と、場所ごとの仕事内容を解説します。

心理カウンセリングの仕事の流れ

対面での場合シンプルにお伝えすると、

  1. 予約を受け付ける(ホームページ、メール、電話にて)
  2. カルテを見直す(初回は無し)
  3. カウンセリング実施
  4. カルテの記入

で完了です。中にはカウンセリング中にカルテを書き終えるカウンセラーもいます。カウンセリング当日の様子について詳しく紹介します。

カウンセリング当日

  1. お迎えする(事前に掃除、リラックスできる音楽をかけておく)
  2. 初回の方は、事前用紙(どんな事で困っているか、最終的にどうなりたいか等)を記入してもらう
  3. 飲み物をお出しする
  4. カウンセリングを実施(50~120分程度)
  5. お見送り

上記は独立開業してカウンセリングルームで行っている私自身の場合です。代金と領収書の受け渡しは、カウンセリング前に私自身が行っています。ちなみに病院で受ける場合は、飲み物は基本出ません。

相談者と会話の内容

カウンセリングの会話内容は、ケースやクライアント(相談者)によって変わります。病院であればパニック障害やうつ病など、日常生活に支障をきたしている方が来られるケースが多く、私設のカウンセリングルームであれば人間関係、恋愛、夫婦関係、コミュニケーションについての悩みが多いです。

比較的短期間で解決出来そうであれば、カウンセリング時間の約2/3は現在の状況やどんな事が辛いかをお聞きし、残りの時間で具体的に問題解決のためにどんな事が出来るか、普段の生活で実施出来そうな課題を共に考えたり、情報提供する事もあります。

また、問題や本当に感じている事、求めていることを明確にするために箱庭療法(人形やグッズ、砂と箱を使う心理療法)や絵画療法、エゴグラム心理テストなどを実施するケースもあります。

10回を超えるような長期になると、現状や課題に対してどうだったか、前回から今回までの変化、生活していて気付いたこと、次回の課題について等を会話します。

カウンセリングでクライアントの方に辛い体験を見つめてもらい、抱えていた気持ちがクリアになる事でその体験の意味を新しく考える力が湧いてきたり、悩みの根本原因を見つけられるケースもあります。

最終的には自己肯定感を育んでもらう(自分を好きになってもらう)ことがゴールになるケースが多く、様々な心理学・心理療法の観点を使って生きやすくなるようサポートします

シンプルに聞くだけのカウンセラーもいますが、「問題解決のためにどうすればよいか?」が求められるケースも多いです。

上記は基本的な流れですが、カウンセラーの活動場所によって仕事内容も変わるため、場所ごとの特徴を解説します。

病院での仕事内容

病院での心理カウンセラーの仕事内容は、臨床心理査定とカウンセリングがメインです。

心理査定は、発達障害や心理症状などをチェックするための検査です。
カウンセリングは会話中心で行ったり、様々な心理療法を使うこともあります。

精神科・心療内科で働く心理カウンセラーが多いですが、

  • ホスピス(終末期医療)での患者さんの心のケア
  • レディースクリニックでの不妊治療に対しての心のケア

を行っている方もいます。ホスピスでは痛みの緩和ケアとして、アロマテラピーを使う場合もあります。

病院で働くには、公認心理師、または臨床心理士の資格が求められるケースがほとんどです。

学校の仕事内容

小中学校のスクールカウンセラーがメジャーですが、大学の相談室で勤務しているカウンセラーもいます。

スクールカウンセラーの主な仕事内容は、生徒の不登校やいじめ、発達に関わる問題等のサポートです。

相談室でじっと待っているイメージも強いですが、不登校予防のために、カウンセラー側から積極的に生徒に関わる事が期待されています。

不登校に関する親御さんとのカウンセリングでは、ただ聞くだけでは解決しない場合も多いため、具体的にどうすれば良いか?のスキルも求められます。

支援の対象となる生徒は1校につき数百人になるため、先生方と連携を取り、支援が必要な生徒をサポートします。

こちらも公認心理師または臨床心理士資格が求められるケースがほとんどです。

詳細:社会人からスクールカウンセラーになるには|必要な資格、仕事内容と役割

公務員の仕事内容

公務員の心理職でメジャーなのは、児童相談所で働く心理判定員(児童心理司)です。

児童相談所はお子さんの知的発達の遅れ、自閉傾向がある場合、家出、盗み等の問題がある時に相談できる公的機関で、親の病気や離婚、虐待などで子育てが難しくなった時にも相談できる場所です。

心理判定員(児童心理司)の仕事内容は、各種検査と面接です。療育手帳の交付・更新や、相談に来た子どもへの知能検査・発達検査、心理面接など、お子さんの保護者と接する機会も多いです。

詳細:心理判定員とは|年収、仕事を得るまでのルートを解説

刑務所での仕事内容

刑務所の心理カウンセラーは、処遇カウンセラーと呼ばれています。主な仕事内容は

  • 受刑者へのカウンセリング
  • 受刑者の薬物依存離脱指導
  • 薬物依存者へのグループワークの実施
  • 他の担当職員の支援

等です。薬物依存の受刑者のサポートが多めです。

詳細:刑務所での心理カウンセラー|処遇カウンセラーとは

男女共同参画センターでの仕事内容

男女共同参画センターは、配偶者暴力相談支援センターとも呼ばれており、主にDV(ドメスティック・バイオレンス)に関する悩みや問題を持っている人に支援を行っている公的機関です。主な仕事内容は

  • 暴力を受けた人への心のケア
  • 必要な情報の提供

です。特にモラハラ(モラル・ハラスメント、言葉や態度による嫌がらせ)やDVに耐え続けると、判断能力が落ちて冷静に考えることができなくなる場合が多いため、他と比較してアドバイスの要素が強くなるのが特徴です。

詳細:男女共同参画センターでDVに関するカウンセラーとして働くには

独立開業カウンセラーの仕事内容

独立開業カウンセラーの主な仕事内容は次の2つです。

  • 心理カウンセリング
  • 集客に関する仕事(ホームページ、各種SNSの運営、広告の作成と出稿など)

独立開業カウンセラーの場合、まず何らかの方法で相談者に自分の存在を知ってもらう必要があります。それが上記の集客に関する仕事です。

カウンセリングは対面とオンライン両方でやる人もいますし、オンラインのみの人もいます。

私自身も独立開業カウンセラーですが、私の場合は心理セミナーを主催したり、企業のコミュニケーション講座を請け負う事もあります。

値決めや時間帯、予約方法など、すべてを自分で決めるのが独立開業カウンセラーの大きな特徴です。

詳細:心理カウンセラーとして独立開業するために必要な知識と実践方法の全て

カウンセリングスクールでの仕事内容

レアケースですが、民間のカウンセラー養成スクールで活動している人もいます。私も過去経験しました。主な仕事内容は次の通りです。

  • カウンセリング講座の講師
  • 企業への研修講師
  • 心理カウンセリング
  • スクール運営に関する事務(電話応対、ちらし・書類作成、営業など)

詳細:カウンセラー養成スクールのスタッフ、心理セミナー講師になる方法

まとめ

様々な場で活動する心理カウンセラーの仕事内容について紹介しました。

この仕事に興味のある方は、是非1度どこかでカウンセリングを受けてみるのをお勧めします。特に悩みがなくても、自己分析、夢分析、箱庭療法の希望を伝えると受けれる場合がほとんどです。

関連:心理カウンセラーに向いている人の適正診断

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  • この記事を書いた人

井上 隆裕

2004年よりプロの心理カウンセラーとして活動。2013年に独立開業。ジョイカウンセリングスクール代表。 運営者情報

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