カウンセリングに関係する仕事として、近年急速に伸びてきている「話し相手サービス」があります。
この記事では、話し相手サービスとは何か、プロとして活動する方法、独立開業する方法を解説します。
話し相手サービスとは|仕事内容
基本対面で実際に会うことはなく、主に電話やスカイプでクライアントと会話します。「話を聴くこと」がメインで、アドバイスや情報提供は基本しません。カウンセリングのように問題解決を目的とはしていません。
話し相手サービスの目的は、
寂しさをやわらげる事、話して気持ちを軽くしてもらう事
と言えます。
顧客によって、愚痴を言われる方もいれば、そうでない方もいます。
利用しやすさ・料金の安さが特徴
なぜ話し相手サービスが利用しやすいのかというと、クライアントがサイトを見る→電話をかけるというワンアクションで利用出来るからです。ネットで買物をする感覚で利用できます。料金も後払いのところが非常に多いです。
話し相手サービスは、カウンセリングと違い料金が破格です。相場は10分300円!1時間にすると、1800円です。カウンセリングの相場は、1時間6,000円程度なので、約3倍の差があります。
これは、話し相手サービスは基本傾聴のみで高いスキルを必要としない事と、電話さえ繋がれば固定の場所を必要としないので、経費が安くつくのが大きいです。
話し相手サービスのプロになるには
話し相手サービスを実施しているサイトの採用面接に合格するか、自分で開業するかです。
無資格でもやれますが、採用してもらったり、魅力のある傾聴でリピートしてもらうためには、心理学・カウンセリングの知識があったり、傾聴スキルが高いほうが有利です。
開業しやすい業種であることに間違いありませんが、サービスを継続できるかどうかは、傾聴、カウンセリングスキルが大きく関わってきます。
すでに話し相手サービスを開業されている方のほとんどは、いずれかのスクールで学ばれて資格取得しています。ですので、まずはベースをスクールで学ばれるのがお勧めです。
採用募集しているところについては、話し相手サービスの求人でも紹介していますが、複数ありますので、ご自身で合いそうなところを「話し相手サービス 求人」などのキーワードでリサーチしてみて下さい。
独立開業する場合は、サイトのプロフィールであなたの独自性(この仕事をやろうと思ったきっかけや、自分の体験談等)を打ち出して「この人に話しを聴いて欲しい」と感じてもらえれば、あなたを必要としているクライアントは必ず現れます。
独立開業するには
話し相手サービスは、間違いなく非常に独立開業させやすい業種です。というのも、赤字になる心配・リスクが非常に少ないです。
他の業種に比べて経費がほとんどかからないので、全く仕事が入らなかったとしても、月々の電話代金(通話のみだと1000~2000円程度)と、ホームページ運営に必要な代金(年間13,000円程度)くらいです。
飲食業のように仕入れた品物が腐ってダメになる心配もないですし、場所代のための敷金礼金も必要なく、借金をして事業を開始する必要もありません。
うまく回って人を雇えるくらいの規模になると、その人に仕事を依頼するだけで1時間740円程度の収入(顧客が支払う料金:1800円-従業員に支払う料金:1080円=740円)も入ってきます。
準備に必要な物
必要なのは、携帯電話(固定電話)とホームページだけです。実際に対面しないので、顧客にお茶を出す必要もありません。
領収書は銀行振込の時の「振込明細書」が領収書として機能しますので、発行する必要もありません。
ホームページについて
業者に依頼すると、10~15ページ程度で30~40万円近くかかってしまいます。行政の補助金が利用できるケースもありますが、ご自身で作成されるのがお勧めです。自分で作ると経費として年間5000~13,000円程度で済みます。
具体的なサイト作成方法については、カウンセラーとして独立した時のオススメのホームページの作り方の記事をご参照下さい。ホームページ作成は意外と簡単です。
独立開業した場合、いかにSEO対策(検索で上位表示される事)にしっかりと取り組むかがミソになります。
具体的には「話し相手」などのキーワードで検索上位に入るために、顧客が興味を持ってくれそうなオリジナルのブログ記事を書いてページ数を増やしていけば、検索順位は少しづつ上がってきます。サイトを作ってすぐに検索上位に入ることはまずないです。検索上位に入って自分で顧客を獲得するために、地道に記事を増やしていく必要があります。
クレジットカード決済について
支払いのハードルを下げるために、クレジットカード決済は使えるようにしておいたほうがよいです。契約方法は簡単です。ペイパルだと、
- 初期・月額費用は無料
- メールでの決済も可能
- HP用の決済ボタンを簡単に作成できる
- 認知度が高く、個人事業主でもビジネスアカウントが作れる
という特徴があるので、お薦めです。
決済手数料は3.6%(顧客が1万円ペイパルで支払った場合、3.6%(360円)+40円の手数料が引かれる)かかりますが、機会損失を防ぐ上でも導入した方が良いです。私も利用してます。
追記
私自身、現在はオンライン決済ではストライプチェックアウトを活用することが多いです。
携帯電話について
これは仕事専用の携帯電話を作っておいたほうが絶対に良いです。というのも、電話でオンオフがつけられるのはとても大きいです。電話番号をホームページに掲載することになるので、普段利用の携帯は使わないほうが良いです。
固定電話を使うとその場所にいる必要性が生まれるため、携帯電話のほうがおすすめです。
先払いか、後払いか
話し相手サービスは、利用しやすくするために「後払い制」を採用しているところが多いです。先払いだと取り逃しがないのですが、後払いだと取り逃しのデメリットはどうしても生まれます。
しかし他の多くの話し相手サービスが後払い制を利用している限り、個人的にはその波に乗らざるを得ないと思います。
という制約をつけておくと良いです。
顧客の料金支払い方法について
銀行振込か、上記で紹介しているクレジットカード決済かになります。
支払い方法の連絡は、サービス終了後(通話後)、Cメールで振込先や決済リンクを送るところが多いです。
1度いずれかの話し相手サービスを、自分自身で利用するとわかりやすいです。
営業時間帯について
話し相手サービスは、風営法に触れる業種ではないので何時まででも営業可能ですが、ご自身の健康のためにも深夜帯は避けた方が良いと思います。
話し相手サービスのプロとして活動した時の特徴
希望の時間だけ働ける
話し相手サービスは、電話を受けれる時間をオープンにしておき(サイトに記入しておき)、電話が実際にかかってきた時点から仕事スタートとなります。オープンにしている時間でも、ちょっと急用が出来た時は、携帯を留守電にしておいて後からかけ直すことも出来ます。
このため、隙間時間を利用したい主婦の方にはうってつけの仕事といえます。
給料・収入面
どこかに雇われた場合、自分の取り分の相場は、顧客が支払う代金の6割程度が目安です。つまり、1時間話を聞いたとして顧客が支払うのは1,800円。そこから実際に働いた自分の収入になるのは1,080円程度です。
特に地方だと時給1,080円だとまずまずの時給に思えますが、話し相手サービスのデメリットとして、いつ電話があるかわからないという点があります。(予約制にしていれば別です)ですので、一般的な仕事のように何時から何時まで仕事にいけば必ず給料がもらえるというモノではありません。
自分で話し相手サービスを独立開業させた場合、取り分はもちろん100%ですので1時間話を聞けば収入は1800円になります。ただし、経費としてサイト運営分の料金が発生します。(年間13,000円程度)
デメリット・給料の上限
話し相手サービスのデメリットとして、カウンセリングに比べて単価が安い分、儲けの上限も必然的に低くなります。
独立したとして1時間あたり1,800円で、1日8人の方がサービスを利用したとすると、1日分の稼ぎの上限は14,400円です。仮にその状態が週5で続いたすると、月の稼ぎの上限は288,000円になります。
独立開業して1人では回らないくらい顧客が増えてくると、当然上限は変わってきます。
まとめ
話し相手サービスは、傾聴が基本でカウンセリングのようにスキル習得に時間がかかるものではありません。たとえどこかに雇われなくても、独立開業してスタートさせて、その中で自分で運営のスキルを身に付けることも可能です。
独立開業した場合のポイントは、リピート客を出来るだけ増やす事と、サイトの検索上位対策です。
検索上位対策については、実際にサイトをオープンさせるとSEO業者から営業電話がかかってくる事もありますが、無視したほうが良いです。業者に依頼すると、他のサイトから複数のリンクを張られ、一時的に順位は上がります。そういった順位の上げ方をするとグーグルのシステムにひっかかる事が多く、順位が一気に下落する事も多いです。
検索順位を上げるためには、日々地道に顧客が興味を持ってくれそうなページを増やし続けるのが一番です。もちろんその作業の時給はその時は入りませんが、しっかり上がればその分リターンが得られます。
何より時間と仕事量を自分で調整出来るのが、話し相手サービス独立開業の一番のメリットです。