傾聴と名のつく資格には国家資格は無く、民間資格のみです。傾聴を学べる講座は、傾聴に特化したタイプと、カウンセリングの一部として傾聴を含むタイプがあります。
傾聴に特化したタイプの方が費用は基本的に安くなるため、この記事では主にその資格取得講座の費用と特徴を解説します。記載している難易度は、取得にかかる期間や実技試験の有無、費用などから判断しています。
傾聴の資格7種類
資格名 | 費用(税込) | 取得方法 |
傾聴アソシエ | 27,500円 | オンライン受講 |
高齢者傾聴スペシャリスト | 34,000円 | 通信添削3回を修了 |
傾聴療法士 | 70,000円 | 通学(長野、静岡) |
傾聴カウンセラー|JCS認定おすすめ | 110,000円 | オンライン受講 |
傾聴サポーター | 169,000円 | オンライン受講 |
傾聴心理カウンセラー|LBA認定 | 268,000円 | オンライン受講 |
臨床傾聴士 | 552,000円 | 通学(東京・大阪) |
傾聴を含む資格取得講座
キャリアコンサルタント | 386,600円 | オンラインまたは通学 |
産業カウンセラー | 392,700円 | オンラインまたは通学 |
傾聴アソシエ
学習区分 | オンライン |
標準学習期間 | 合計2日間(4時間30分) |
難易度 | やさしい |
デメリット | 事前情報が少ない |
メリット | 資格取得しやすい |
費用 | 27,500円(税込) |
URL | https://www.jkpa.or.jp/basic |
傾聴アソシエは、一般社団法人日本傾聴技能普及協会が認定する資格です。オンラインにて135分X2日間(土日に開催)を受講し終えると、資格取得できます。
テキストがPDFでメール送付のみのため、自分自身でコンビニなどでプリントアウトする必要があります。
オンライン開催ですが1~3名の少人数で実施しており、パーソナルなアドバイスは受けやすい環境です。個別受講にも対応していますが、その場合も受講料は同額でかなり良心的といえます。
費用はトータル27,500円で、1時間あたりに換算すると6,111円で標準的です。
運営元はYouTubeは行っておらず、事前情報が少ないため判断しにくいのがデメリットです。
高齢者傾聴スペシャリスト
学習区分 | 通信 |
標準学習期間 | 3ヵ月 |
難易度 | やさしい |
デメリット | 通信のため実演練習無し |
メリット | 資格取得しやすい |
費用 | 34,000円(税込) |
URL | https://www.u-can.co.jp/course/data/in_html/1454/![]() |
高齢者傾聴スペシャリストは、ユーキャンで学ぶ通信講座です。名前の通り高齢者に特化した傾聴の使い方を学べます。
他の傾聴資格と比較し、通信講座の学びのみで資格取得が完結します。(通信添削3回の修了で資格取得、試験無し)そのため資格取得のハードルは低いですが、スキルの習得には不向きといえます。
傾聴療法士
学習区分 | 通学(長野または静岡) |
標準学習期間 | 3ヵ月 |
難易度 | 標準 |
デメリット | 参加しにくい |
メリット | 資格取得後の活動の場有り(長野県) |
費用 | 70,000円 |
URL | https://toumei.org/keicho/ |
傾聴療法士はNPO法人日本精神療法学会が認定する資格です。傾聴療法士養成講座(全6回合計12時間)を受講後、課題レポートの提出、実習15単位取得で資格取得できます。
オンライン未対応で、会場は長野県または静岡県となります。
料金はトータル70,000円です。
問い合わせると以下の返答を頂きました。
傾聴療法士費用詳細
養成講座全6回講座:10,000円+テキスト代2000円
講座最終回課題レポート審査料:2000円
準傾聴療法士申請の認定料15000円+本会会費5000円
傾聴実習レポート審査料:2000円×3回
15回の実習終了後の傾聴療法士資格申請:3万円
代表の方は東京大学大学院を修了されており、アメリカの大学でも心理を学んでおられ、NPOを立ち上げた思いもとても素敵だと感じます。
養成講座が月1回ペースでの開催のため、現地の方以外は参加しにくいのがデメリットです。
傾聴カウンセラー|JCS認定 おすすめ
学習区分 | オンライン |
標準学習期間 | 4ヵ月 |
難易度 | 標準 |
デメリット | 小さなスクール |
メリット | パーソナルなアドバイスを受けれる |
費用 | 110,000円 |
URL | https://be-counselor.com/keicho/keicho-online-training |
JCS認定傾聴カウンセラーは、ジョイカウンセリングスクールが認定する資格です。
60分のマンツーマンでの傾聴トレーニングを受け、実技試験に合格した時点で資格認定となります。規定の回数は18回ですが、それよりも早く実技試験に合格することも可能です。
デメリットは代表が1人で行っている小さなスクールのため、様々な講師と関われない点です。
メリットは完全マンツーマントレーニングのため傾聴の練習時間が長く、パーソナルなアドバイスを受けることでスキルアップにつなげられる点です。YouTubeで実際に傾聴している様子をアップしているスクールはこちらのみで、事前判断もしやすいです。
傾聴サポーター
学習区分 | 対面(東京)またはオンライン |
標準学習期間 | 合計3日間(21時間) |
難易度 | 標準 |
デメリット | やや高額 |
メリット | 受講しやすい |
費用 | 169,000円(税込) |
URL | https://jkda.or.jp/school/supporter |
傾聴サポーターは、一般社団法人日本傾聴能力開発協会が認定する資格です。東京またはオンラインにてレッスン1~9の全単位(合計3日間で21時間)を受講し終えると資格取得できます。
費用はトータル169,000円で、1時間あたりに換算すると8,047円でやや高めといえます。傾聴の資格としては珍しく更新が年1回(1万円+税)必要です。
受講日の3日間はいずれも土日の日中で指定されており、開催日が多めのため受講しやすいです。東京会場の定員は8名でロールプレイ時に講師からアドバイスを受けやすい環境ですが、オンラインの参加者は定員100名のため、パーソナルな対応は期待しない方が良いです。
運営元の方はYouTubeで多く動画を出しておられるため、事前に雰囲気を感じられるのも大きなメリットです。
傾聴心理カウンセラー|LBA認定
学習区分 | オンライン |
標準学習期間 | 70時間以上を受講 |
難易度 | 標準 |
デメリット | トータルは高額 |
メリット | 事前の無料相談有り |
費用 | 268,000円 |
URL | https://cs-sch.japlis.jp/coursegaiyou/ |
LBA認定傾聴心理カウンセラーは、一般社団法人日本傾聴連合会が認定する資格です。
養成講座の規定の80%を受講終了し、実習10回の完了、傾聴スキル認定の合格で資格取得となります。(すべてオンライン対応)
受講料総額は268,000円で総額では高めですが、トータル70時間の受講として1時間あたりに換算すると3,838円で安いです。カリキュラムには発達心理関係の傾聴以外のものも多く含まれるため、そこも含めて学びたい方向けといえます。
総費用は高額のため、事前に無料相談を受けれます。その時に担当の方と会話してみて、「この人のような傾聴が出来る人になりたい」と思えるかどうかが大切だと感じます。
臨床傾聴士
学習区分 | 通学(東京・大阪) |
標準学習期間 | 2年間 |
難易度 | 高い |
デメリット | 高額で通学のみ |
メリット | 資格の権威性が高い |
費用 | 552,000円(2年間合計) |
URL | https://sophia-griefcare.jp/kouza/shikaku4.html |
臨床傾聴士は、上智大学グリーフケア研究所が認定する資格です。上記サイトは本当に上智大学と関係があるのか疑問がありましたが、調べてみると上智大学公式サイトからリンクしてありました。
入学試験はありませんが、大学(短期大学を含む)を卒業していないと受講できません。
定員は東京48名、大阪27名で、授業は毎週水曜18:30~20:00か、隔週土曜の9:30~16:40で実施されています。
出願要項詳細はこちら
グリーフケア(大切な人を亡くした時の悲しみのケア)を大学で深く学びたい方向けです。
傾聴の学びを含む資格取得講座
キャリア・コンサルタント
キャリアコンサルタントは国家資格で、相談者が望む仕事に就けるよう、実務的・心理的にサポートする人の事です。
受講料は30万円程度のスクールが多いですが、教育訓練給付制度が使えるため、受講料15万円プラス56,600円(受験と登録にかかる費用)で資格取得できます。
資格の権威性は高めですが、傾聴のみ学びたい方には不向きです。
詳細:キャリアコンサルタントとは|メリット・デメリットを解説
産業カウンセラー
産業カウンセラーは、労働者の心のケアと予防が主な役割で、講座は傾聴の面接演習を含みます。
全国各地で対面での練習ができますが、総額392,700円かかり、傾聴の指導員の質にバラツキがある話を聞くため、お勧めはしにくいです。
傾聴は一生役立つスキル
傾聴の習得は他者にメリットがあるだけでなく、自分の感情を見る力が上がったり、人とのコミュニケーションに自身が付き、関わる時の緊張感も少なくなります。
また、お子さんがおられる方は、傾聴を使うとお子さんの自己肯定感も高まります。
カウンセリングと比較すると短期間で習得できるため、迷っておられるのであればやってみることを是非おすすめします。