認定スポーツカウンセラー資格は、「日本臨床心理身体運動学会」が認定する資格です。
同学会で行われている事例発表を見ると、
「試合で緊張する」選手と紹介されて来談した男子大学生の事例
「自分を追い込んでしまう」女性アスリートとの面接
など、スポーツ領域よりも、カウンセリング領域が大きい資格といえます。
資格には3級、2級、1級と3種類あり、心理関係の資格としてはかなり特殊で、取得するためにはまず当学会に入会する必要があります。詳細を解説します。
資格取得のために必要な事
当学会への入会ですが、「正会員、一般会員、準会員」のいずれかの会員申請をします。会費はいずれも入会金が1万円、年会費が
正会員:10,000円
一般会員:9,000円
準会員:7,000円
となります。
会員になるためのハードルが実はあり、1番ハードルの低い準会員になるためには、一般会員1名から推薦を受ける必要があります。(※同学会の会則第5条より引用)
ですので会員の方との繋がりが無い方は、まず当学会の講習会に出て、推薦してくれる人を作る必要があります。(※講習会は大阪で行われていることが多く、5,000円程度で参加できます)
難易度、合格率
試験が行われるタイプではないため、合格率は存在しません。
3級についてはそれほど難易度は高くないのですが、2級になると資格申請要件のレベルが高まり、グンと難しくなります。詳細を解説します。
3級の資格申請要件
同学会の資格認定細則、第3条で次のように定められています。
- 学校教育法に基づく大学において、指定の単位を修得し、卒業した者または卒業見込みの者。※ただし指定科目の履修が不十分である場合、資格認定委員会の主催する講習会を受講することにより補うことができる。
- 競技歴または運動歴が継続6年以上または通算8年以上ある者。ただし、中学校以降に限る。
つまり、上記の運動歴があるか、大学で指定の体育学系科目14単位、心理臨床学系科目14単位を取得して卒業していれば資格審査を得られます。
難易度が最も低いルートとして、通算運動歴8年以上で当学会に入会していれば3級の資格申請要件は満たせます。このルートなら、心理関係の事を学んでいなくても申請は可能です。※審査があります。
3級の費用について
審査料は1万円、合格後の登録料は3万円ですので、他の心理資格と比較しても高くはありません。
2級は難易度が格段に上がります。
2級の資格申請要件
以下のすべての要件を満たす必要があります。
- 認定スポーツカウンセラー3級を取得後5年以上の者,または臨床心理士もしくは医師免許を取得している者。
- 学校教育法に基づく大学院において,臨床心理学もしくはそれに準ずる心理臨床に関する分野を専攻する課程を修了した者,またはそれと同等以上の教育を受けたと認められる者。
- スポーツカウンセリングの臨床経験を有する者。
- 資格認定委員会が認めるスーパーヴァイザーによる個人スーパーヴィジョンを受けた者。
※同学会の細則第4条より引用
臨床心理士もしくは医師免許を取得している必要があるため、非常に取得難易度が高いです。
2級の費用について
審査料は1万円、登録料が4万円になります。
1級についてはスポーツカウンセリングの臨床経験が5年以上求められ、さらに難易度が高まります。
更新の有無
更新の必要はありません。ただし、会員でいるためには年会費が必要になります。
収入、年収について
ハローワークで公募されるタイプの仕事ではなく、紹介もしくは営業して掴むタイプの仕事です。
通常のカウンセリングよりも専門性が求められるため、1時間あたり7,000~10,000円が請求の目安といえます。
安定性のある仕事とは言いにくく、他の心理の仕事と合わせて行うのが現実的です。そのため年収についてはその人の実力次第になってしまいます。
まとめ
認定スポーツカウンセラー資格は、3級の取得難易度は低めですが、2級から格段に難しくなります。
学会から特に仕事の紹介は見られません。取得条件を満たしていれば試験や面接等はなく、書類審査に通れば取得できます。
その他スポーツ選手のメンタルサポートを行っている団体として、アイディアヒューマンサポートサービスがあり、こちらはメンタルトレーナー養成講座を15年以上行っています。
アイディアは過去オリンピックの体操選手や、プロテニス選手のメンタルトレーニングを行っている実績もあり、プロスポーツ選手のサポートにも対応してます。
認定スポーツカウンセラー資格は、カウンセリング領域が強めのスポーツ選手をサポートしたい方向けの心理資格といえます。