各都道府県が運営している男女共同参画センター(配偶者暴力相談支援センター)で、主にDV(ドメスティック・バイオレンス)に関する悩みや問題を持っている人に対するカウンセラーを募集していることがあります。
募集されている時期は、例年2月~4月のあたりが多いです。ハローワーク経由で応募でき、募集を見たところ臨床心理士資格を必ずしも必要としていません。
男女共同参画センターは、複数ある都道府県もあります。
代表的な施設についてはこちらをご参照下さい。
仕事内容について
暴力を受けた人への心のケア
暴力は、身体だけでなく心に対しても、最も人を傷つける行為と言われています。
長年暴力を振るわれたり、否定的に言われ、それに耐える生活が続いていると自分でも無意識のうちに「主人の言うとおりにできない私が悪い」などと思い込んでしまい、負のスパイラルにはまり込むこともあります。
特に家庭内の事情は、なかなか人に話せるものではなく誰にも言えずに苦しさを溜め込みやすいです。そういった思いを丁寧に受け止めて、心のケアとサポートをしていくのが大切な仕事の1つです。
必要な情報の提供
DVを受けた場合は、まず加害者から離れることが大切ですが、離れるために知っておくと良いことは沢山あります。
- 離れる時に持って出るべきもの
- 自立支援のための情報提供
- 公共の一時保護施設や民間シェルターなどの情報
- 場合によっては警察へ「保護命令」の申し立てが出来ること
こういった情報は、男女共同参画センターでカウンセラーとして働くとき以外にも相談者にとって有効な情報です。
DV加害者へのカウンセリングについて
まず加害者がカウンセリングを希望しない限り、改善の余地はありません。変わる意志の無い他人を変えるのは無理です。
実際に男女共同参画センターで働いているカウンセラーに聞いたところ、加害者が希望した場合でも、男性が改善する可能性は1割に満たないと言われています。
基本的にDV被害者へのカウンセリングで、加害者へのカウンセリングはレアケースです。
他のカウンセラーと比較しての特徴
DVに対するカウンセリングの特徴として、アドバイスの要素が強いです。
なぜかというと、身体や言葉でDVを受け続けると、相談者に落ち度が全くなくとも「本当に自分が悪いのでは?」という思いを抱きやすく、あまりの苦しさで正常な判断が出来ないことがあるためです。※実際に知人が次のような指示を出されました。
「典型的なDVのケースです。男性が改善する可能性も1割にも満たないので、今すぐ離れて実家に戻って下さい。離婚すべきです。もう2人だけでは絶対に会わないで下さい。離婚の話しをする際には、喫茶店などの第三者の目がある場所で行って下さい。」
命の危険があるため、強い指示を出さざるを得ないのがDVに関するカウンセラーの特徴です。
DV被害者のカウンセラーになるには
ハローワークで公募されている求人に応募します。募集は基本男女共同参画センターから出されています。
臨床心理士・公認心理師資格があると、もちろん有利です。採用人数が1~2人と多くないため、競争率は高いです。
年収、給料、勤務形態について
地域によって差がありますが、基本週4~5日勤務、労働時間7時間程度、時給1,500~2,000円程度です。(日給の所もあります)
収入換算すると、月約20万円、年収約240万円になります。
まとめ
相談に来られる方は、ほとんどが男性からDVを受けた女性ですので、相談員は女性が多いです。地域によって男性からの相談を受けるための男性相談員が採用されているケースもあります。
男女共同参画センター(配偶者暴力相談支援センター)は、DVを受けた女性にとって、心のオアシスのような場所だと思います。そういった場所で、心理カウンセラーは絶対的に必要な存在です。