同じ音楽、曲を聴き続ける心理は心を整えようとしている現れ

延々と同じ音楽や曲を聞き続ける人がいます。人によっては1週間どころではなく、数ヶ月、半年以上続く方もいます。

明るめの曲であればそれほど気になりませんが、激しい・暗い曲調だと周りの人にとっては嫌気がさす場合もありますし、病気か何かと心配になることもあると思います。

この記事では、同じ音楽、曲を聴き続ける心理を解説します。

その曲調の感情をクリアにしようとしている

同じ曲を聴き続けるのは、その曲で表現されている感情と同様の感情が本人の中にあり、それをクリアにしようとしているからこそです。

音楽には様々な曲調のものがあります。ベートーベンの「運命」のような激しい怒りや悲しみが表現されているもの、「戦場のメリークリスマス」のように寂しさ、悲しさが表現されているもの、マイナスの感情が表現されているものから、明るいテンポの曲など様々です。

特にマイナスの感情は普段の生活では出しづらいものです。職場で落ち込んだり、怒りをあからさまに表現すると周囲の人に良くない影響が出ることもあります。

何らかのマイナスの感情がある場合、同じトーンの曲を聴くことでその感情がクリアになる(浄化される)効果が音楽にはあります。音楽療法ではこれを同質の原理と呼んでいます。

つまり同じ曲を聴き続ける場合、聴き続けることでその曲の雰囲気と同じ感情を発散させようとしています。ストレスケアの方法として、心理学的にも確立されています。

自分の感情とマッチしない曲は長く聞けない

例えばさみしい時、落ち込んでいる時に明るくなりたいと思い、ハッピーテンポな明るい曲を聞いても長く聞けません。

イライラしている時に落ち着かないといけないと思い、ゆったりとした曲を聞いてもイライラが増すだけです。

この理由はシンプルで、人は自分の感情とマッチしない音楽・曲は長く聞けません。同じ曲を聞いている人の周囲の人が不快に感じるのはこのためです。

逆に言うと自分の感情とマッチした曲であればしっくりくる感じ、癒される感じがあり、無意識に長く聴き続けたい気持ちが出てきます。

人であればプラスの感情もあれば、マイナスの感情も時に湧いてくるのが自然です。音楽にも明るいものと、暗いものや悲しいものがあります。中島みゆきさんや米津玄師さんの暗い曲が多くの人の支持を得るのは、暗いけれど癒される感じがあるためです。

どんな曲・音楽を繰り返し聞いているかがポイント

大切なのはリピートして聞いているのがどんな曲かです。

ロック調の激しさ(怒りやイラ立ち)が現れている曲なのか、ロートーンの悲しい曲なのか、激しさと寂しさが入り混じった曲なのか、どんな曲をリピートしているかで、その人が今どんな気持ちなのかを音楽から確認することができます。

暗い曲でなければ、感情としてはその曲のトーンに近く、その曲のトーンと同じような状態になりたい気持ちが強いといえます。

歌詞もポイント

繰り返し聞いている曲の歌詞も大切で、その歌詞が言いにくい自分の気持ちを代弁してくれていることがあります。

例えばアンジェラアキさんの「手紙 〜拝啓 十五の君へ〜」は 2008年NHK全国学校音楽コンクールの課題曲として作られました。歌詞の一節に

今負けそうで泣きそうで消えてしまいそうな僕は
誰の言葉を信じ歩けばいいの?

とあります。こういった言葉は自分の口からは言いにくいですが、それを聞いたり、歌うことで表現につながり、気持ちがクリアになる効果があります。

曲を聴き続けている期間について

同じ曲を聴き続けている期間が長ければ長いほど、その気持ちが続いているともいえます。

病気かどうかは別ものですが、暗い曲をひたすら半年以上聴き続け、本人が望むようであれば心理カウンセリングの活用をお勧めします。

私自身過去失恋した時に「Just Be Friends」という曲を半年ほど聴き続けていました。今は特に聞きたいとは思いません。

若い時によく聞いていた曲を聞く場合

10代、20代前後でよく聞いていた曲を、30代、40代以降になって改めて聞く場合もあります。これはすごく自然なことで、

その曲を聞いていた時の気持ち・活気を思い起こそうとしている現れ

です。音楽療法では想起療法と呼ばれています。

老人ホームで音楽療法を行う場合、ご老人が若い時に流行っていた曲をともに歌うことがほとんどです。昭和初期だとりんご追分や、青い山脈がメジャーです。

その方が元気で働いていた時、活発だったときの曲を聞くと、同時にその時の気持ちも思い起こされ、非常に良い刺激になります。

音楽には記憶だけでなく、その当時の感情・情動も呼び起こしてくれるメリットがあります。

周囲の人に出来ること

周囲の人にとっては、わずらわしさもあると思いますが、同じ曲を聴き続けるのは、その曲のトーンと同じ感情をクリアにしようとしているためです。

イヤホンにしてもらうのも1つですが、どうしても心配な場合、その曲が歌詞付きであれば是非カラオケに誘ってあげてください。

聞くだけでなく、その曲を歌って口に出すと、さらに感情の浄化作用が高いためです。

やってはいけないのは、リピートして聞いている曲を否定したり、その人自身を否定する関わりです。信頼関係が崩れます。

もし何か悩んでいるようであれば、それを無理に聞き出すようなことはしない方が良いです。

何か役に立てることがあったら言ってね

と伝え、側で見守る関わりがベストです。その方の気持ちには良いも悪いもありません。何らかの理由でその状態になっているだけです。

もし何か苦しいことや辛いことをお話されたら、共感しながら話を聞くと気持ちを楽にするサポートになります。

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心理資格取得を目指す女性
  • この記事を書いた人

井上 隆裕

心理カウンセラー、傾聴トレーナー、2004年からプロの心理カウンセラーとして活動し、2013年に独立開業。 詳細なプロフィール

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