心理カウンセラーの井上です。職業柄、悩みを抱えた人のサポートを20年以上行っていますが、マイナス思考が癖になっていると、シンプルに苦しくて生きづらいです。また、自己否定に繋がるだけでなく、他者否定にも繋がって良い人間関係を築きにくいです。
この記事ではプラス思考になるためのトレーニング方法と、物事をポジティブに捉えるコツを紹介します。ある意味考え方を変える方法ですが、いずれも新しい見方・価値観を増やす観点で捉えるのがお勧めです。
というのも「考え方を変える」という捉え方は、自己否定にも繋がって辛くなりやすいためです。できるだけ肯定的な言葉を増やしていきます。それではどうぞ。
目次
1 プラス思考になれない時もある
はじめに大切なのが、生きていれば必ずマイナス思考になる時もあるという事です。
何かが上手くやれない時には落ち込んで当然ですし、大切な人が亡くなった時には悲しくて当然です。
ですので、何かに落ち込んだり、不安になったり、腹を立てたり、マイナスの気持ちになっている自分はダメだという思いがあれば、それを緩めるのがお勧めです。
というのも、プラス思考になれない自分を受け入れられないと、ますます落ち込みます。
落ち込んだり不安になったり、マイナスの状態の自分を「今はこういう気持ちなんだな」と受け入れた方が落ち込みは軽くなります。
プラス思考になるためには、マイナスの気持ちを排除するのではなく、それを受け入れるほうが効果的です。生きていれば誰でもマイナスの気持ちになったり、不安や怖さを感じる時があるのは自然な事で、特に不安や怖さは自分を守ってくれる大切な感覚です。
ですのでプラス思考になれない自分はダメだという思いがあれば、少しそれを緩めてプラス思考になれないときもあるという観点を増やしてみて下さい。
2 マイナスの言葉を使わず、肯定的な言葉を使うようにする
他人から受ける言葉の影響も大きいですが、自分が発する言葉が自分に与える影響も大きいです。
マイナスの言葉とは、具体的に以下の赤字の言葉を使わないようにして、代わりに太字の肯定的な言葉を使うようにします。
~だと出来ない。~は無理です。
~だと可能です。~だと出来ます。
例えば「今度の水曜日の夜、食事でもどうですか?」と誘いを受けた時、
「水曜日は無理です」だけだと一緒に食事するのが嫌なのかと感じられますが、その後に「金曜日の夜だと大丈夫です」と加えられるかそうでないかは大違いです。
~してしまった。
シンプルに事実を述べる。
これは~してしまったという言葉は、そうなった自分はダメだというニュアンスを含むためです。
例えば「失敗してしまった」ではなく、「失敗した」という事実のみ言葉にします。
失敗に対しての捉え方も、「上手くいかない方法がわかった・行動したことで結果を作れた」と次に活かすためにプラスに捉えればOKです。
「~してしまった」というフレーズは、特に自己肯定感が低い方は無意識に使っています。使えば使うほど自分へのダメージがありますので、まずはこの言葉を使っていることを意識できると大きいです。
普段の自分の言葉が自分にやさしくなると、たとえ小さな積み重ねであってもプラス思考に結びつきます。
~は悪い。~は嫌い。
~は良くない。~が好きではない。
良い悪い、好き嫌いは人の主観によって変わりますが、「嫌い」という言葉と「好きではない」という言葉では、相手へのダメージは段違いです。
~だとダメ。
~だとOK。
たとえば、仕事が忙しい月曜日に休みをよく取る人に対して
と言うよりも
と言われるのでは、言う側も含めてストレスは変わります。
また、何かを身に付ける、習得する、スキルアップの時には指導する側は、どうしてもダメ出しをしないといけません。
「~がダメ」と言われると少なからず嫌な気持ちになりますし、モチベーションは落ちますが、そんなときにも使えます。
私自身傾聴トレーニングを指導する時は、共感の言葉が無いのがダメという伝え方はせず、
「このポイントで共感の言葉があるとより良かった。どんな共感ができそうですか?」
という伝え方をしています。
上記のような肯定的な言葉を、24時間日常的に使うように心がけると習得が早いです。上記以外にも
のろま→慎重派
せっかち→すぐに行動に移せる
など、とにかく否定的な言葉は減らします。
自己肯定感が高まるのはもちろん、マイナスの言葉のダメージが無い事が一生続きますので、生きやすさ抜群です。
3 他人から受けた好意的な出来事を記録につける
これは他人との関わりで好意的に感じられたことを、1日の終わりにすべてメモをとる方法です。日記のような形でノートに書いても良いですし、スマホなどのメモ帳を使ってもOKです。
好意的に感じられた事というのは具体的には
- 褒めてもらえた、肯定的な言葉をかけてもらえた
- 肯定的に関わってもらえた
- 買い物の時に店員さんが目を見てくれた
- 食事や遊びに誘ってもらえた
(目を見て挨拶してくれた、仕事を終えたら笑顔でお礼を言ってくれた等)
等、とにかく人との関わりで好意的に感じられた事を記録に残します。
やっていくうちに、プラスの部分に意識を向けるクセがつくので、それに比例してプラス思考になります。
社会人になると人から褒めてもらえる事はあまり多くありませんが、笑顔で関わってくれたり好意的なメッセージを感じる機会は必ずあります。それをしっかりとピックアップしていくためのトレーニングです。
4 新しい見方・価値観を増やす
特に心理学・カウンセリングを学ぶと、自己理解だけでなく相手への理解を深められます。
例えば職場等できつく言ってくる人がいる場合、ゲーム分析の考えを取り入れることで、
自分の将来や立場が不安な気持ちから、立場を上に保っていたくてきつく言ってくるんだな
という新しい見方・価値観が加えられます。
嫌な上司という捉え方から、自分の将来が不安な上司という観点が加わると、その人との関わりも楽ですし、出来事に対する捉え方も結果としてポジティブなものに出来ます。
心理学・カウンセリングは先人が培ってきた楽に生きるための知恵だと感じます。
こちらから社会人向けのカウンセリングスクールの資料を無料で請求できますので、比較検討してみて下さい。
5 他人を変えようとせず、自分が出来る事を探す
例えば職場の上司や部下のグチを言いたくなる時もあると思いますが、グチを言っている人がプラス思考かマイナス思考かでいうと、間違いなくマイナス思考に取られます。
「ああして欲しい、こうして欲しい、あの人が悪い、会社が悪い」等の思いが生まれた場合、その実現のために他人を変えようとするのではなく、自分は何が出来るのか?を考えて実行すれば、必然的にグチは減ります。
自分の思いや希望を、相手が受け取りやすい言い方を考えたり、問題解決のために自分として出来る事を可能な限り多く探してみます。方法は多ければ多いほど希望に繋がりますし、その分プラス思考になります。
その環境にいる事を選んでいるのは自分自身なので、何かを他人任せにするよりは自分任せにした方が前向きになれます。
6 完璧主義を緩める
完璧主義傾向が強いと、「完璧にやれない自分はダメだ」という思いを抱きやすいので、どうしてもマイナス思考になりがちです。自分だけでなく他人にも厳しくなったり、完璧にできないのであればやらない方がマシと感じ、行動が億劫になるデメリットもあります。
生きていれば100に出来ない事も多いですが、その都度完璧にやれないとダメだと捉えるとしんどいです。
具体的な方法については、完璧主義になる原因と今すぐ出来る治し方(緩め方)5つの記事をご参照下さい。
7 自己肯定感を高める
自己肯定感を高めるのは、究極のプラス思考トレーニングです。
というのも、マイナス思考=自己否定感が強いといっても過言ではないためです。低い原因と高め方の詳細は次の記事をご参照下さい。
まとめ
プラス思考トレーニング方法として
- プラス思考になれない時もある
- マイナスの言葉を使わず、肯定的な言葉を使うようにする
- 他人から受けた好意的な出来事を記録につける
- 新しい見方・価値観を増やす
- 他人を変えようとせず、自分が出来る事を探す
- 完璧主義を緩める
- 自己肯定感を高める
を紹介しました。
ポジティブな時もあればネガティブな時もあり、前向きになれる時もあれば後ろ向きになる時もあります。
そういったマイナスの状態の自分をダメと捉えたり排除するのではなく、受け入れて自分や他人の良い面を見るようにするのがお勧めです。
また、体調は良いのにも関わらず、部屋でじっと動かずにいると、どうしてもマイナスの事を思い悩みやすいです。本来考えなくてよいこともアレコレ考えやすいです。
そんな時は散歩をするなり、仕事をするなり身体を動かす事で気持ちも前向きになります。心と身体は繋がってますので、もし猫背であれば背筋を伸ばすのも良いです。
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