用語集

心理カウンセリングと人生相談の違いをわかりやすくプロが解説

心理カウンセリングと人生相談の違いとして

  • 取り扱う悩みの深さの違い
  • 各種心理学・心理療法を使うか、使わないか
  • 金銭発生の有無
  • 相談しやすさの違い

があります。わかりやすい違いとして、心理カウンセリングは心理カウンセラーが行うもので、人生相談は何らかの人生経験を積んでいる方であれば誰でも行えます。

どちらも心の問題を取り扱う点では共通しています。この記事ではそれぞれの違いをわかりやすく解説します。

取り扱う悩みの深さの違い

人生相談の場合、主に人間関係、進学や就職、恋愛の悩みなどがテーマになることがほとんどです。相談を受けたあとは、その人の経験を踏まえて何らかのアドバイスを受けることが多いです。

心理カウンセリングでも上記のテーマを取り扱うのですが、お金を支払っている分、悩みが深いことが多いです。例えば

  • いつも同じような理由で仕事を辞めている
  • 恋愛でいつも同じような別れ方になる
  • 不安感が強く、いつも特定のことを考えてしまう

等、何かがおかしいと感じられるけれど、その根本原因がわからなくて何とかしたい思いで来れられることが多いです。

根本原因を掴むため、カウンセラーは今の状況を含め、その方が育ってきた家庭環境を聞くこともあります。カウンセリングでは状況だけでなく、なぜその出来事がその方にとって悩みとなるのか?という心の背景も含めて話を聞きます。その上で必要であればアドバイスも行います。
関連:人生脚本とは|効率的に書き換える方法を心理学を通して解説

対して人生相談の場合、今の状況はある程度聞きますが、人によって聞き方もまちまちで、しっかりと自分のことをわかってもらえていないケースもありえます。そのためアドバイスを受けてもしっくりこなかったり、「あなただからできたんでしょ」という思いも出やすいですが、基本的に無料で相談することが多いため、多くは望むのはお門違いともいえます。

また、心の悩みが日常生活に支障をきたすような不安障害、うつ病、摂食障害などは当然ながら心理カウンセリングで取り扱う分野です。

人生相談のメリット・デメリット

人生相談は深い悩みには不向きですが、最も大きなメリットはカウンセリングに比べると相談のハードルが圧倒的に低く、悩みが深くなる前に対処しやすい点です。

立ち話やカフェで手軽に相談できるため、悩みを1人で抱えずにすむメリットは非常に大きいです。

ただし相談する相手によっては、逆に傷つく恐れもあります。落ち込んでいる時に

悩んだり落ち込んだりするのは時間のムダだから、前向きに考えようよ!

などのアドバイスを受けたりすると、落ち込んでいる今の自分を否定された気持ちになって、ますます落ち込みます。そのため無料とはいえ、誰に相談するかは重要です。

カウンセリングのメリット・デメリット

カウンセリングを行う心理カウンセラーはお金を頂いて相談を受けているため、上記のように逆に傷つくケースは非常にまれです。

カウンセリングの場合様々な心の悩みに対応しており、癒やしや生きやすさを得られることも多いですが、人生相談と比べるとカウンセリングを受けるハードルはどうしても高くなります

お金を支払って今まで行ったことが無い場所(カウンセリングルーム)に行き、初対面の人に悩みを話すだけでもハードルは高いですが、心理カウンセリングで悩みの本質を見ようとすると、

自分自身の見たくない部分や、マイナスの感情と向き合うのは怖い!

という思いも出やすいためです。もちろん熟練されたカウンセラーであれば、無理に心をこじ開けるようなことはしませんが、悪い状態から良い状態に変わるのも人は怖いものです。

まとめ

人生相談は相談のハードルが低く、深い心の悩みには不向きでアドバイスはその人の経験からです。

カウンセリングは相談のハードルが上がる代わりに深い悩みに対応しており、生き方を考える分岐点にもなります。アドバイスは心理カウンセラーの経験+各種心理学・心理療法を使ったものが基本です。

気軽にカウンセリングを受けれるような文化になるのも良いかと思いますが、個人的には気軽に人生相談が出来て、カウンセリングを受ける必要が無い状況になるのがベストだと思います。

ストレスや我慢は溜め込めば溜め込むほど、回復に時間がかかります。カウンセリングはどうしてもハードルが高いため、もし身近に落ち込んでいる人や、悩んでいる人がいたら気にかけて差し上げて下さい。

余談ですがカウンセラーの友人を作り、その人に人生相談するのがいいんじゃないか!?と思われた方がおられるかもしれません。優しいカウンセラーであればある程度話を聞いてくれると思いますが、プロに無料で多くを望むのは、友人のレストランに入って無料で食事をするのと同じような行為です。

お金を支払うと、その分は何かを得ようという意志も出て生産性の高い会話になりますので、深い悩みには心理カウンセリングをご活用下さい。


無料EBook|自己肯定感が低い苦しみから抜ける方法

自己肯定感が低くなる仕組みを心理学の観点から学べ、効率的に高める方法をケースごとに解説しています。

ぜひ、 あなたのメンタルケアにご活用下さい。

自己肯定感EBookの表紙

無料ダウンロードはこちら

  • この記事を書いた人

井上 隆裕

2004年よりプロの心理カウンセラーとして活動。2013年に独立開業。ジョイカウンセリングスクール代表。 運営者情報

-用語集

© 2024 心理カウンセラーの種