独立開業

心理カウンセラー個人事業主として独立開業する方法5ステップ

心理カウンセラーは他の業種に比べ、とても独立開業しやすいです。私自身個人事業主として心理カウンセリングの事業を始め、10周年を迎えることができました。

最短で開業すると物件を借りる必要もなく、少ない出費で開業出来るのが特徴です。許認可も必要ありません。

とはいえ、スキルがないのに開業しても相談者の役に立てず、事業を続けられません。まずはカウンセリングスキルを身に付ける必要があります。何らかの資格を取得していたほうが相談者にも信頼して来てもらいやすくなります。

心理カウンセラーで個人事業主(自営業)として開業するまでのステップはシンプルで

になります。未知のことにトライする時は不安や怖さが付き物ですが、この記事を読めばそれが少し軽くなるはずです。

動画で知りたい方はこちら

1 スキルを身に付ける(資格を取得する)

資格が一切無い状態でカウンセラーとして独立開業しても法的には一切問題ありませんが、お勧めはできません。まずは先人の知恵を習ってスキルを高める方が効率的です。

資格については、1番手堅いのは国家資格の公認心理師ですが、心理系の大学を4年、さらに大学院に2年通う必要があります。何より公認心理師取得の過程で習うことは幅広く、個人事業主カウンセラーにとっては使用しない知識があまりに多いです。

民間のカウンセリングスクールが発行する資格で独立開業している人も多いです。

これから考える方は、様々なスクールがありますので、こちらから一括資料請求して比較検討してみて下さい。

スクールに通う時点でブログ(SNS)スタート

この時点ではアメブロなどの無料ブログで充分です。なぜスクールに通う時点でブログを開始したほうがよいかというと、その方が見込み顧客を集められるからです。いきなりカウンセラーとして開業しましたといっても、なかなかすぐには相談者さんは来てくれません。

濃いお客さんは、ブログの隅々まで見てくれています。そんな時にあなたのカウンセラーとしての歴史のログ(ブログ)があると、親しみが持てます。ブログに書く内容は、どんな事を習ったか、その過程で何を感じたか、実生活にはどのように活かしている・活かせそうか、そのスクールを選んだきっかけや、スクールに通ってみてどうかなど、あなたが感じたことを自由に書いて、「あなたらしさ」がブログから感じられるとファンもあなたを身近に感じられます。

将来独立して別にホームページを立ち上げる際にも、このブログは役に立ちます。なぜかというと、ホームページが検索で上位表示されるためには、そのサイトへの被リンク(別サイトからのリンク)が大切になるからです。関連性の強いサイトからのリンクほど効果も高いため、旧ブログから新しいサイトにリンクを張れば、貴重なリンクになります。

HPを作りたての時には被リンクがなく、結果として「地域名 カウンセリング」などと検索されても上位表示されず苦労します。

2 とにかくプロとして立ってみる

笑顔の男性ビジネスマン

受講とトレーニングを積んでカウンセリングが出来るメドが立ったら、とにかくまずはいくらでも良いのでお金をもらってカウンセリングを行い、プロとして立ってみて下さい。プロと素人の大きな違いは金銭が発生するかどうかです。やろうと思えばカフェでも、貸し会議室でもカウンセリングは出来ます。

筆者が初めてカウンセリングでお金をもらったのは、介護施設で働いていた時に勤務後に他の職員さんに箱庭療法(人形やグッズを使って行うカウンセリング)を30分実施した時です。2,000円頂きました。

当時箱庭療法の練習のため、上司に許可をもらって介護の仕事の後にお年寄りの利用者さんに箱庭の練習をさせてもらっていて、必要な道具をその職場に置いていたんですね。その延長で練習として、他の職員さんに箱庭療法をやったのですが、「良かったから」と言ってお金をもらえた時はやはり嬉しかったです。その施設の洗濯物をたたむ場所で、テーブルを並べて良い匂いがするとはいえない環境でやりました。

無料でカウンセリングする場合

独立開業を考えていて、ホームページを作る予定のある方は、「無料でカウンセリングするので、ホームページに公開しても良い感想を書いて」とお願いするのも1つの方法です。顧客の声があると、安心して来てもらいやすいです。

3 開業資金、必要な物・場所を準備する

お金(小銭)の写真

友人知人・紹介のみではなく不特定多数の方を対象に開業するとして、最低限必要な物は以下になります。

  • 電話(携帯のみの場合、MVNO(格安SIM)で月1500円程度)
  • パソコン(11インチ程度のノートPCで4~5万円)
  • プリンター(約2万円)
  • 名刺(両面カラー100枚で2,000~6,000円程度)

すでに持っている場合、必要なのは名刺くらいです。

名刺作成はアスクル運営のパプリがお勧めです。ネット上のテンプレートから選択し、氏名や住所は自分で入力するタイプです。デザインの自由度も高く、ロゴなども自由に入れられます。両面カラー印刷で送料を入れても、1,500円程度でできます。私も使用しています。

合計10万円もあれば充分に独立開業できますが、副業ではなくこれ1本でやっていく場合、1年間はまったく顧客が来なくても生活できるくらいの蓄えがあったほうが余裕を持って取り組めます。

プリンターは、スキャン機能があるものが良いです。顧客が書いてくれた感想をホームページにアップする場合、感想を写真で撮るよりはスキャンしたほうがずっと綺麗です。

無料ブログではなく、独自ドメインのホームページを自分で作る場合、ホームページのサーバー運用費として年間6,000円~12,000円程度かかります。独自ドメインとは、「http://好きなアルファベットを設定.com」のような形のオリジナルのサイトアドレスになります。

4 ホームページを作成する

起業の際にアメブロで自分の読者を増やし、そこから集客される方もいますが、自分でホームページを作成するのをお勧めします

理由はシンプルで独自ドメインのホームページだと検索で上位表示される事が多いためです。顧客が悩み事を検索し、そこから集客に繋がります。

ホームページは業者に依頼すると、相場として10~15ページで40万円程度かかります。綺麗なデザインのホームページが作りたくとも、最初は自分で作ってみて、売上が出てきたところで業者に依頼するのをお勧めします。とにかく小さく始めたほうが良いです。

関連:カウンセラーとして独立した時のオススメのホームページの作り方

カウンセリング実施場所について

カウンセリングの場所はどうするんだという疑問が出てくるかと思いますが、いきなりアパートの一室をカウンセリングルームとして借りるより、まずは予約が入ったときのみ貸し会議室を借りるか、ご自宅の一室をカウンセリングルームにする方法がおすすめです。

専用のカウンセリングルームを借りると、部屋代・電気代・水道代などの固定費が地方でも月々最低4万はかかりますし、敷金・礼金などの借りる時の初期費用も大きく必要になります。大事なことなので何度も書きますが、小さく始める方法をおすすめします。

貸し会議室、自宅で行うメリット

貸し会議室や自宅の一室で行うメリットとして、赤字が出ないという事です。

特に開業当初は、ほとんどの人はクライアントさんがいない、もしくは少ないはず。赤字が続くと当然ですがカウンセリング事業を続けられませんし、自分自身が生活出来なくなってしまいます。

貸し会議室利用の場合、当日キャンセルされると部屋代分は赤字になりますが、あらかじめHPに

キャンセルされた場合は、先払いで予約を受付させて頂くシステムになっております。

と記載しておけば何度もキャンセルする顧客は避けられます。

とりあえず貸し会議室で始め、予約が多くなってきて賃貸の部屋を借りた方がコストがかからないメドが立ったところで、専用のカウンセリングルームを開設するのが賢明です。飲食業ではこういったスタート方法は難しいです。

カウンセリングは提供するサービスが、食べ物のように腐ること無く、毎日仕入れたりする必要もないため、赤字を出さずに続けやすい業種といえます。在庫が必要なく、小資本で始められます。

貸し会議室の料金は、施設や場所によりけりです。1時間単位で借りれるところもあれば、9時~12時、13時~17時など借りれる時間が決まっているところもあります。「貸し会議室(レンタル会議室) お住まいの都市名」などで検索して調べてみて下さい。

服装、白衣について

カウンセラーが白衣を着ることは違法ではありません。調理師も白衣ですし、この職業の人でないと白衣を着てはいけないという法律は無いです。

ただ、白衣でないほうがクライアントの方が安心して話しやすいです。クライアントの方もカウンセラーが白衣だと、「自分は病気なのか・・」と間違って取られる可能性もあります。

白衣を着るよりも、一般的に浸透しているスーツか少しフォーマルな格好のほうがクライアントの方が親しみやすく、話もしやすいです。

5 個人事業主として開業届を出す

開業届けの控え

ちなみに↑の写真は筆者の開業届けの控えです。

カウンセリングの場合、株式会社設立よりも費用がかからない個人事業として開始される方がほとんどです。株式会社設立の場合、法務局での登記が必要となり、(約25万円~30万円必要)登記が終わるまで1~2週間かかります。

個人事業主としてスタートすると仮定して、その方法を紹介します。とてもシンプルで、開業届を所轄の税務署に出すだけです。税務署に必要書類もありますが、オンラインでも公開されています。

開業届の記入欄はA4用紙1枚のみ。数分で書き上がります。わからない事があればその場で職員の方に聴けばOKです。開業届には、「納税地」「氏名」「職業」「屋号」「事業の概要」などの記入項目があります。

職業の欄はカウンセリングは、サービス業となり、「事業の概要」の欄は

心理カウンセリング、電話・オンラインカウンセリングなどの心理相談。
心理カウンセリング講座、研修。

など、詳し目に書いておけばOKです。

中でも屋号は大切ですので事前に考えておきましょう。

屋号(店名)について ~クリニックは違法

屋号とは、いわゆるお店の名前です。その後顧客がインターネットで検索する大事なものですので、アルファベットなどの覚えにくいものでないほうが良いです。

ちなみにこのサイト名は「心理カウンセラーの種」ですが、これがもし「Seed of 心理カウンセラー」または、「心理カウンセラーのtane」だったらそれだけで覚えにくく、検索する時にも変換が面倒です。

店名を思いついたら、一旦それをインターネットで検索してみるのをお勧めします。すでに誰か使用していないものであれば、その店名で検索された時に検索トップになれる可能性が高いです。

注意点として~クリニックという屋号は法律違反になります。

診療所でない場所が「○○クリニック」のように診療所に紛らわしい名称を付けることは医療法上禁止されています。

引用元:厚労省ガイドラインP.22

~カウンセリングルームであればOKです。一旦間違えた屋号を作ってしまうと、看板やホームページ、封筒の印刷物など様々な箇所に変更が必要になり、余計な経費がかかってきます。

次に年間いくら稼げば、確定申告の義務があるかを紹介します。

副業として活動する場合

副業による「所得」が20万円を超えると確定申告が必要となります。

収入―必要経費=所得】です。「顧客から頂いたお金が20万円になったら」ではありません。その収入を得るために必要となった経費(その年に購入したパソコン代、部屋代など)を差し引くことができます。

副業の場合、所得が20万円を超えなければ確定申告の必要はありません。

個人事業主(フリーランス)として活動する場合

個人事業主として確定申告が必要なのは、1年間の事業所得が48万円を越えた場合です。

青色申告について

個人事業主として活動される場合、次年度よりも初年度に初期費用で多くの費用がかかる事が多いです。赤字になることもあるかもしれません。その場合、青色申告しておけばその赤字額を3年まで繰り越せるので、必ず青色申告するのをおすすめします。白色申告より青色申告のほうが多少手間ですが、その手間に対する見返りのほうが大きいです。

青色申告のやり方は、それほど難しくありません。経理や会計の仕事をした事がなくても問題ないです。月々の収支をきっちりとつけ、レシートはとっておく必要があります。

集客する(開業後)

集客がうまく出来さえすれば、その後も事業を継続できます。逆に言えば稼げなければ続けられません。たとえ赤字にはならなくとも、続けるモチベーションが無くなります。

稼ぐ方法については↓の記事をご参考下さい。

スクールの講座は、受講料を取り戻す気持ちで受ける

心理カウンセラーは、飲食のように開業時にコストが大きくかかったり、仕入れたものが腐るようなこともなく、月々の固定費が安くすむ業種のため、非常に開業しやすいです。

スキルを身に付ける(資格を取得する)時に、どうしても初期投資としてまとまった費用がかかりますが、小さく地道にプロとしての活動を始めていけば、その金額を取り戻せるようになります。まずはご自身の方向性に合ったスクールを選択する事も大切です。


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  • この記事を書いた人

井上 隆裕

2004年よりプロの心理カウンセラーとして活動。2013年に独立開業。ジョイカウンセリングスクール代表。 運営者情報

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