実際にカウンセリングを受けてみると、メモを多く取るカウンセラー、少し取るカウンセラー、全く取らないカウンセラーと分かれます。
カウンセラーとして話を聴いた際に、メモをとっておかないと忘れてしまう!という心配をされる方もいます。この記事では、カウンセリング中にメモを取るメリットとデメリットを紹介しながら、メモを取るべきかどうかを解説します。
メモを取るデメリット
メモとって何か悪いことでもあるの?と思われるかもしれません。しかし相談者の立場からすると、話をしていて頻繁にメモを取られると、あたかも事情聴取を受けているような気持ちになって内面(本当に感じている事)が出しにくいというデメリットがあります。
また、メモをとっている間はどうしてもカウンセラーの意識がクライアントから離れる(表情もわかりません)ため、つらい出来事を話したとしても、受け止めてくれないのではないか?という思いが出てきます。
実際に筆者が以前とあるカウンセリングを受けた際、その方は話を聞きながらパソコンのキーボードを打ってメモされていたんですね。実際にこちらの表情を見ていた時間は、カウンセリング時間の5%くらいに感じられ、正直話す気力が失せました。
メモを取り過ぎるとこうなってしまいますが、メモが有効に働く時ももちろんあります。
メモを取るメリット
1番のメリットは、会話を整理して相談者に伝えやすいという点です。カウンセラーのためのメモではなく、クライアントのためのメモという観点ですね。会話よりも図で紙に書いて説明したほうが、会話の全体像がわかりやすい事が多いです。特に悩んでいる時には頭が混乱している事も多いので、整理されたメモを見るとそれだけでスッキリ出来る効果もあります。
カウンセラーにとってのメモ
記憶力がいい人はメモをとらなくても、すべて覚える事が出来る人もいますが、筆者はキーワードや、クライアントの大切な価値観が出てくるとメモを取ります。特に価値観は、カウンセリングの方向性を左右する大切なものでもあるのでメモしています。「仲良くしないといけないと思う」とか、「憎んではいけないと思う」等は、カウンセリングではキーワードになります。
また、家族構成を覚えるのも苦手なので、メモを取っています。お子さんの年齢や性別、数、親御さんの年齢など、1回ではバチっと正直覚えにくいのでメモが効果的に働きます。
カウンセリング中にはあまりメモを取りませんが、終わった後にカルテとして会話の内容や雑談なども記録しています。これが次回のカウンセリングに生きます。
カウンセラーは記録をとるの?
ちなみに「カウンセラーは記録をとるの?」という疑問を持つクライントの方がおられますが、通常記録(カルテ)を残さないカウンセラーはいません。
複数担当していて30日以上空いたりすると忘れるので、カルテは大切です。
音声の録音は私はしませんが、クライアントに許可を取ってするカウンセラーもいます。
まとめ
カウンセリング中にカウンセラーがメモを取ってはいけないわけではありませんが、取り過ぎるとクライアントが話しにくいです。集中して聴いていると会話の内容はほぼ記憶出来ますが、忘れたり飛ぶこともあります。そんな時はまた聞き直すのも1つの方法です。
ただ、あまりにも同じ事を何度も聴いていると失礼にあたりますので、会話に集中しながらキーワードはメモを取るというスタンスがおすすめです。