私自身民間のカウンセラー養成スクールで講師として20年活動し、様々なカウンセラー志望の方にお会いしてきました。
次の項目に2つ以上該当するようであれば、プロになれる可能性は限りなく低いです。なれたとしてもカウンセラーとしての役目が果たせず、その職場に居づらくなります。
- 他人の役に立ちたい気持ちが弱い
- 他に優先したい事がある
- 教わる意識が低い
- 他責思考
- カウンセラーは儲かると思っている方
この記事では、上記に該当すると心理カウンセラーとして向いていない理由を解説します。
1 他人の役に立ちたい気持ちが弱い
心理カウンセラーを目指す方のほとんどは、誰かの役に立ちたい思いが強いです。
この思いがあるからこそ、悩みを抱えている相談者の力に何とかなろうという姿勢で関われますし、より力を高めるためにスキルアップしようという思いにもつながります。
この思いがないと、対応が非常にドライで相談者に寄り添うことがハッキリ言って難しいです。
エゴグラム心理テストでいうとNP(養護的な母親)の要素が高くない人は、心理カウンセラーに向いていません。たとえ仕事につけたとしても、相談者から求められる可能性は限りなく低いと言い切れます。
2 他に優先したい事がある
心理の学びを第一優先にできない場合、プロになるのは難しいです。
例えば、お子さんが熱を出したり病気をした時は、カウンセリングの勉強よりもそちらを優先して当然と思いますが、お子さんのクラブやPTAの行事等に参加するために、カウンセリングの勉強を休むというような状態であれば、正直プロになるのはちょっと難しいです。
カウンセリングの勉強よりも優先したい事があるという事は、ストレートに言うと今のご自身にとってはそちらの方が大切という事です。
良い悪いではなく、ご自身にとって大切な事に時間を使うのが一番だと思います。
3 教わる意識が低い
プライドが高ければ高いほど教わる意識も低くなりがちですが、この要素に該当した場合、今の状態の自分を受け入れられればプロになれる可能性が高まります。
今の状態の自分とは、カウンセリングが出来ない状態の自分です。
年を取れば取るほど「誰かから教わる」意識は、若い時に比較して落ちてきます。特に自分より年下に何かを教わるのは、年上に教わるよりも抵抗感も出てきます。
今の自分を成長させたい、カウンセリングスキルを習得したい思いが強ければ強いほど、素直に教わる意識は高くなります。
座学のカウンセリング講座であれば、スキル習得よりも癒やしに重点を置いているため、教わる意識が低かろうが高かろうがその人の自由です。しかしスキル習得に重きを置いているトレーニングや研修になってくると、教わる意識が低いと「カウンセラーになる」という意味での得られるモノは弱いです。
4 他責思考
私が通っていたカウンセリングスクールには、トレーニングに何度も参加した後に「スキルが身に付かないのは、このスクールの講師のせい」というクレームをつけて辞めていく人がいました。
しかしそのスクールからプロが数名輩出されている事も事実です。
「自分の目標を達成できなかったのは、自分が原因」という事を認めるのは、ある意味勇気がいります。「講師が悪かったから出来なかった」と人のせいにしておいた方が楽です。
カウンセラーになるためには、今の自分には出来ない事を少しづつクリアして成長していく必要があります。何でもかんでも「あなたが悪い」と人のせいにしていれば、気持ちは楽ですが自分自身を成長させる事は出来ません。
何より心理カウンセリング自体が、今の心の問題解決のために自分として何ができるか?を考える要素が強いです。カウンセラーが他責思考であれば、心の問題解決のサポート役になるのは難しいです。
5 カウンセラーは儲かると思っている方
時代の流れに合っている仕事ではないか?と思い、儲かる仕事と勘違いされている方もいます。
そもそも人気商売で資格取得者数が多い割に求人が少ないため、儲かる仕事ではありません。
公務の仕事(心理判定員)に就くか、独立開業して成功しない限り、儲からないです。平均年収を上回るどころか正社員として採用されるのも難易度が高い仕事です。
この仕事が好きであればスキルも向上しますし、相談者にも真剣に向き合えますが、儲かるからやろうとすると間違いなくプロにもなれずに挫折します。
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ただしお金を頂いてカウンセリングを行うのは、双方にとって非常に重要です。相談者側としても何とか支払った分、何かを得て帰ろうという意識が高まりますし、カウンセラー側としてもプロとして提供する意識が生まれます。
諦めるのは悪いことではない
民間のカウンセリングスクールには、表向きは「カウンセラーになりたい」と言われつつも、真意は「自分を癒やしたい」目的で学ばれる方のほうが圧倒的に多いです。
自分が立てた目標は、達成できればそれに越したことはありませんが、難しい目標であればあるほど達成までの道のりも遠くなります。
「諦める」という言葉は、「継続する」という言葉に比較してネガティブなイメージがありますが、何かを手放すことで、新しい何かが掴める事もあります。
諦めるのは決して悪い事ではないと思いますが、諦める時に何か心残りがある時は、ひょっとしたら全力でトライしていないのかもしれません。
ネバーギブアップに逃げるな
という杉村太郎氏の言葉がありますが、本気で取り組まずにダラダラと続けるよりは、全力で2年ほど取り組んでみて、向いていないと感じたら、勇気を持って手放すのも大切な事だと思います。
もし「カウンセリングの勉強をやっていて楽しい、好き」と感じられていたら、「プロを目指すわけではないけれども、それを続ける」というのも、1つの選択です。好きな事があれば、人生に張りが出ます。