看護師の方は、日々何らかの辛さを抱えている患者さんと接しているので、心理の学びを即仕事に活かせます。
また、カウンセリングの知識やスキルを取り入れると、患者さんや職員との対応や、自分のストレスマネジメントにも役立ちます。
この記事では、看護師の方が心理学を学ぶ時の注意ポイントとお勧め方法を解説します。
学びの選択肢について
大きく次の3つに分けられます。
- 通信の心理資格取得
- 民間のカウンセラー養成スクールに通学
- 大学で学ぶ(臨床心理士または公認心理師の取得を目指す)
特に今の仕事に活かしたい、患者さんとのコミュニケーションのために学びたいのであれば、民間の通学スクールがお勧めです。
通信 | 通学のスクール | 大学 | |
メリット | 敷居が低い | 実践力が身に付く | 大卒資格が得られる |
デメリット | スキルは身に付かない | やや高額 | スキルは身に付かない |
学ぶ期間 | 平均2ヶ月 | 6ヶ月~ | 4年間 |
費用目安 | 約4万円 | 20万円~ | 約100万円(通信大学) |
看護の仕事に活かす場合
問答無用で民間のカウンセラー養成スクールでの学びがお勧めです。理由は最も実践的なためです。
民間のスクールだと、すぐに仕事に使える傾聴方法や、ストレスマネジメント方法が学べます。
身体と心はつながっていますので、看護師さんが患者さんにどう接するかで、回復スピードが変わってくるといっても過言ではありません。私自身も、もし病気や怪我をしたら心理学・カウンセリングの知識とスキルのある方に看護してもらいたいです。
看護の仕事を続けながら新しい学びをスタートさせるのは、大変な面もあると思います。スクールによっては講座を欠席しても、他の日程に振り返られるところもありますので資格取得の際には「欠席した場合はどうなるか?」も要確認ポイントです。
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大学、通信がお勧めではない理由
大学や通信課程での学びは、いわゆる座学での講義です。実技、ロールプレイが無いため具体的にどのように関われば相手の方が楽になるかが実感できません。
大学の心理学部を出たからといって、傾聴やカウンセリングのスキルが身に付くわけではありません。学部は定員が多いため、講師も受講生一人ひとりを見ながら教えることができません。
大学院であれば10名程度の少人数制になり、実習も増えるのですが費用が200万以上かかります。そのため今の仕事に活かす目的で臨床心理士、公認心理師(どちらも基本大学院の修了が必要)の取得を目指すのはお勧めできません。
心理カウンセラーへ転職を考える場合、労働環境の違いは↓になります。
看護師と心理カウンセラーの労働環境の違い
仕事としては看護師の方が需要、安定性が高いです。詳細を解説します。
求人の違い
看護師は離職率が高く、カウンセラーよりも求人は圧倒的に多いです。
心理カウンセラーの求人は非常に少ないです。ハローワーク等で公募されているものが無いわけではありませんが、正社員の募集が少なく、期間雇用がほとんどです。
給料の違い
心理カウンセラーは、給料面では看護職に比べるとまず減ると考えて間違いありません。年収400万円が目安です。
詳細:心理カウンセラーの年収・給料まとめ
看護師はパートなどの派遣で働いたとしても、働ける日数が安定していますのでそれに比例して給料面も安定しやすいです。
独立を目指す場合
私の先輩カウンセラーは元看護師で、医療の現場でドクターが話を聞くだけで症状が大きく改善されたケースを見たのが、カウンセラーを目指したきっかけです。
カウンセリングの仕事は月々の固定費がかなり抑えられるので、他業種と比較すると独立しやすいです。
看護の経験があると、他のカウンセラーよりも薬や医療分野の知識と経験が有利になり、売りにできます。独立についての詳細は、↓の記事をご参照下さい。
看護師から公認心理師になるには
以前使用できていた受験資格の特例措置は、2017年9月15日から5年間有効のため、今はこの方法では受験出来ません。
看護師から公認心理師になるには、心理系の大学を卒業されていなければ通常のルートを使うしかありません。
最短最安の方法だと、心理系の通信制大学を4年で卒業後、実務経験を最低2年(標準3年)積む必要があります。費用は約100万円ですが、最短で7年かかります。
詳細:社会人から公認心理師になるには|必要な費用と期間
まとめ
看護師から心理カウンセラーへの転職は、条件面での変化が大きいです。それでも転職したい、カウンセラーになりたい方は、看護の仕事を続けながらカウンセリングを学ぶのがお勧めです。
学んでみてもっとやりたいと感じるのか、プロカウンセラーになるのはちょっと考えたほうがいいと感じるのか、やってみることで改めて自分の気持ちが明確になることも、多々あるためです。