臨床発達心理士とは
臨床発達心理士は、発達心理学をベースに支援活動を行うのが特徴です。
近年話題に上がる事が多い、ひきこもり、不登校、虐待、自閉症、ADHD(注意欠陥多動性障害)などの問題を専門としています。
臨床発達心理士認定運営機構が認定する資格で取得までの難易度は高めです。その分この資格を応募条件としている求人も、民間資格にしては多いです。
ただ、ほとんどの求人が臨床心理士資格でもOKのため、臨床心理士資格のように「資格取得のために大学院を目指す!」というよりは、すでに受験資格を満たしている人向けの資格といえます。
臨床発達心理士になるには
- 受験資格を満たす
- 一次審査に合格する(書類審査+筆記試験)
- 二次審査(口述審査)に合格する
ことで資格取得できます。受験資格の詳細を解説します。
受験資格(資格申請要件)
受験資格は厳しめで、もっともかんたんな方法でも発達心理学関係の大学を卒業+3年以上の臨床経験を積む必要があります。
次の5つのいずれかを満たす必要があります。
- 発達心理学隣接諸科学の大学院修士課程在学中、または修了後3年未満
(タイプⅠ)- 臨床経験が3年以上あり、発達心理学隣接諸科学の大学院を修了している
(タイプⅡ-1)- 臨床経験が3年以上あり、発達心理学隣接諸科学の学部を卒業している
(タイプⅡ-2)- 大学や研究機関で研究職をしている(タイプⅢ)
- 公認心理師資格を取得している(タイプⅣ)
引用:申請要件|臨床発達心理士
通信過程で受験資格を得たい場合
方法は↓のいずれかですが、いずれも難易度が高く、この資格よりも認知度が高い臨床心理士と難易度が変わりません。
- 対応している通信課程の大学院を修了する(タイプⅠ)
- 認定心理士を取得し、臨床経験を3年以上積む
- 公認心理師を取得する
1以外はいずれも臨床経験(実務経験)が必要です。
認定心理士を取得していれば、発達心理学隣接諸科学の学部を卒業していると認められます。
発達心理学隣接諸科学の範囲とは、↓とみなされています。
他の心理学が学べる通信制大学でもこれをクリアしているところはあると思いますが、どの大学も取得できる資格に臨床発達心理士を記載していません。
自分が卒業した大学が、発達心理学隣接諸科学の範囲にみなされるかどうかも審査の一環という事ですので、問い合わせて無料で確認する事はできません。
公認心理師は、通信課程の大学を4年間で卒業後、標準3年間の実務経験を満たせば公認心理師の受験資格が得られますので、そちらに合格後、この資格にチャレンジできます。
関連:公認心理師対応の通信制大学
受験資格の臨床経験とは
臨床発達心理にかかわる経験が求められます。
現実的なのはスクールカウンセラーですが、特別支援学級での教諭の経験も含まれます。
詳細はガイドの5ページ目に記載されています。
対応している通信課程の大学院
指定科目を満たせる大学院で、通信課程に対応しているのは以下の2校のみです。
- 東北福祉大学大学院 総合福祉学研究科
(宮城県仙台市) - 聖徳大学大学院 児童学研究科
(千葉県松戸市)
参考:臨床発達心理士 指定科目単位認定大学院
通信課程であってもスクーリングがあるため、年に数回通う必要があります。
費用について
受験資格を満たすための大学、大学院の学費以外に、以下の費用(合計55,370円)がかかります。
- 認定審査料:33,220円
- 登録料:12,150円
- 日本臨床発達心理士会年会費:10,000円
大学・大学院で必要となる費用
公認心理師資格を取得するルートであれば、通信制大学の卒業費用約100万円です。
大学、大学院を修了するための最低費用は、高卒の方で合計:337万5千円。期間7年間。
4年制大卒の方は、大学院のみの修了でOKですので合計:237万5千円。期間合計2年間です。(聖徳大学大学院通信課程を活用した場合)
難易度、合格率について
難易度は受験資格から判断すると、やや高めです。心理カウンセラー資格難易度ランキングでは5位としていますが、誰でもかんたんに取得できるものではありません。
合格率は非公開ですが、2001年の設立以来、15年間で約4,000名の方が資格取得しています。
更新の有無
5年毎に更新の必要があります。
資格更新時までに研修等で、規定の12ポイントの取得が必要です。
更新審査料:20,020円。
まとめ
この資格は、ADHDや発達心理学に強く関心があり、すでに発達心理学関係の大学院を修了して受験資格を満たしている方向けといえます。
社会人になってからカウンセラーを目指すために取得するのであれば、民間のスクールを活用する方法もあります。↓から複数のスクール資料を無料で請求できますので、チェックしてみて下さい。