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エゴグラム逆N型Ⅰ、Ⅱ、Ⅲの特徴と適職

エゴグラム逆N型の3タイプ

エゴグラム逆N型は合計3タイプありますが、成人している一般人にやってもらった場合、逆N型Ⅰ以外は見かける機会は少なめです。

共通しているのはCPが高く、NP・ACが低い点で、実行力が高く好きなことに夢中になれ、マイペースで他人とつるまないタイプです。

逆N型は、東大式エゴグラム(TEG)では以下の3タイプに分けられます。

  • 逆N型Ⅰ(CPとAが高く、NP、ACが低い)
  • 逆N型Ⅱ(CPとFCが高く、NP、ACが低い)
  • 逆N型Ⅲ(CPとFCが高く、A、ACが低い)

この記事ではそれぞれの特徴と適職、改善方法を解説します。

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注意点2つ

各タイプの適職を紹介はしていますが、エゴグラムは自我形成段階の高校生や大学生の時は、どんどん変わる場合が多いです。あくまで参考程度にとどめ、本人の意志を大切にされるのをお勧めします。

各タイプの冒頭にエゴグラム創始者のデュセイがつけた名称を記載していますが、支援者側が覚えやすくするための名前と捉えるべきで、この心理テストを実施した人自身に伝える名前ではありません

心理テストの診断結果が、頑固な警察官です、プレイボーイです等と言われて喜ぶ人はまずいません。エゴグラムは人の行動パターンを掴み、なりたい自分になる、自己肯定感を高めるために行うものですので、それを踏まえた上でご覧下さい。

逆N型Ⅰの特徴と適職

エゴグラム逆N型1の図表

逆N型1

逆N型1は、CPとAが同程度に高く(13以上)、NPとACが低い(7以下)グラフで、エゴグラム創始者のデュセイは頑固な警察官と名付けています。

自分にも他人にも厳しいタイプで実行力があり、論理的に物事を進めるのが得意なため、仕事ぶりは非常に有能です。

適職はどんな仕事でもその能力は発揮されますが、特に警察官が向いています。CPとAが高いため間違いを見抜くのが得意で、会計事務も天職です。その他、人と関わる機会が少ないモノづくりなどの職人的な仕事も合っています。

逆に向いていないのは、人と関わることが多い仕事・人の支援に関わる仕事です。NPが低いため、人への気づかいが苦手で、人の意見を聞いたり取り入れるのはあまり得意ではありません。

仕事自体は楽しみながら取り組めるタイプで出世しやすいのですが、上司になると部下に必要以上にイラついたり、部下に慕われにくい一面があります。

それを改善するのであれば、NPを高めると今の指導力に面倒見の良さが加わり、周りの人からも好かれ、人間関係のストレスがグンと楽になります。
詳細:エゴグラムNPの上げ方

逆N型Ⅱの特徴と適職

エゴグラム逆N型2の表

逆N型2

逆N型2は、CPとFCが同程度に高く(13以上)、NPとACが低い(7以下)グラフで、究極の我道を行くタイプといえます。他人がどう思うかよりも、自分がどう思うか、どうしたいかを優先し、自分の人生を生きるのが得意です。

言いたいことはズバズバ言えるタイプで、嫌なことだけでなく好意も軽く言える特性のため、エゴグラム創始者のデュセイはドンファン(プレイボーイ)と名付けています。

FCが高いのが大きな特徴で、好きな事に対しての集中力は非常に高く、何時間でもそれに取り組めるタイプです。加えてCPが高いため、それを地道に積み重ねる力も兼ね備えています。

ただしNPが低く他人にあまり気を使わないため、どうしても自分勝手でわがままと捉えられがちです。

適職は芸術・音楽・芸能関係、モノづくりなどで特にその才能が発揮されやすいです。

NPが低いため人のサポート・支援に関わる仕事には向いていません。

FCが高く、A・NPが低いため浮気しやすい傾向があり、罪悪感もそれほど感じません。

NPを上げていくと人間関係が円滑になり、自分自身の居場所を作りやすくなります。
詳細:エゴグラムNPの上げ方

逆N型Ⅲの特徴と適職

逆N型3のエゴグラム図

逆N型3

逆N型3は、CPとFCが同程度に高く(13以上)、AとACが低い(7以下)グラフです。

CPとFCが高いため、好きなことには一直線にガンガン取り組めるタイプですが、Aが低いため感情に流されやすく、その場のノリで動いて後悔することがあります。

Aが低くFCが高いため、良くも悪くも調べる前に身体が動くタイプで、後先考えずに行動しやすいです。また、事実関係や状況を整理する力が弱いため、うまくいかないことがあると人のせいにする傾向があります。

適職は逆N型Ⅱと同じく芸術・音楽・芸能関係、モノづくりなどで、好きなことに関してのめり込むタイプです。

Aを上げるとカッとなって怒りをぶつけてしまい、後から後悔することが無くなります。
詳細:エゴグラムAの上げ方

要素を高めるアドバイスをする時の注意点

逆N型Ⅰ、ⅡはNPを高める、逆N型ⅢはAを高めると良いと書きましたが、もしそれを誰かに伝えるのであれば注意するポイントがあります。それは

  • 本人が変えたくないのであれば変える必要は無い事
  • 伝える人自身が手本となる事

です。実際にその人の話しを共感しながら聞いたり、出来ている所を伝えて、NPが高い状態で関わられる心地よさを実感してもらう必要があります。(Aも同様に手本を示すと行動につながります)

「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。」

という山本五十六の言葉もあります。

特に逆N型Ⅰの方は、仕事が出来る分出世しやすいのですが、管理職になってからストレスを抱えやすいです。

人の話に耳を傾けるとNPが上がるよ

と伝える前に、その方の話をじっくりと共感しながら聞いて差し上げてみて下さい。

他のグラフ
エゴグラムパターン一覧

参考文献
交流分析療法 新里里春著 P44,52
新版TEG 解説とエゴグラムパターン 東京大学医学部心療内科TEG研究会編 P76,77

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  • この記事を書いた人

井上 隆裕

2004年よりプロの心理カウンセラーとして活動。2013年に独立開業。ジョイカウンセリングスクール代表。 運営者情報

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