セルフメンタルケア

人の話を聞けない理由3つと簡単に改善する方法

傾聴トレーニングで話を聞いている女性の写真

傾聴トレーニングを行っている女性

普段の生活で人と関わっていると

どうしても話が聞けない、入ってこない、聞きながら他の事を考えてしまう

ときがあります。話が聞けないとコミュニケーションのすれ違いが起きたり、相手と良い関係は築けません。

この記事では、自分自身が話を聞けない場合の原因と改善方法と、身近な人がこちらの話を聞かない場合の対策について解説します。

動画で知りたい方はこちら

内容的に動画の方がわかりやすい部分もあるかと思いますので、ご参考下さい。

自分が話を聞けない原因と改善方法

原因は非常にシンプルで、以下のいずれかまたは複数です。

  • 自分のストレスが強い
  • 意識が自分に向いている
  • 自分自身が話しを聞いてもらえた経験が無い

それぞれ詳細を解説します。

1 自分のストレスが強い

自分自身が疲れていたり、ストレスが強いときはどうしても話を聞きにくくなります。

TVやラジオのように聞き流すのであればそれほどエネルギーは使いませんが、相手が言った事を理解する、相手の感情を受け取る観点で聞くと、聞くだけでどうしても一定のエネルギー・集中力を使います。

そのため自分が疲れていると、どうしても落ち着いて話は聞きにくいです。

特に悩み相談になると聞く側の負担が強く、人のことよりもまずは自分のケアを優先させる状態の時は、どうしても落ち着いて聞けません。

そんな時はシンプルに

今は疲れているので話を聞けない、また明日以降か別の機会にして欲しい

と相手に伝えればOKです。

2 意識が自分に向いている

話が聞けない原因として最も多いのが、会話中に意識が強く自分に向く事です。

特に授業、講義形式になると、相手(講師)が一方的に話すことが多くなります。すると話を聞きながら、

  • 疑問点(これはどうなんだろう?)
  • 自分の意見や考え(自分はこう思う、こう考える)

が出てきても、それをすぐに相手に伝えることが出来ないケースが多いです。するとどうしても聞きながら他のことを考えてしまう状態になります。

疑問点や自分の考えをその都度メモに残しておけば、その後も相手の話に耳を傾けやすくなりますが、会話中に自分に起きている事に強く意識が向くと、どうしても相手が話している事に意識を向けづらくなります。図で現すと↓のような状態です。

話が聞けていない時の意識状態の図

上の図のように、会話中に意識の配分が、相手よりも自分に強く向くと話を聞けない状態になります。

これは会話中に自分の緊張感が強くなった時も同様で、緊張すると声が震えたり、動悸が激しくなったり、顔が赤くなったり、手足が震えたりします。すると普段の状態ではない、緊張している状態の自分を何とかしないといけない気持ちが働き、意識が自分に強く向きます。その結果、相手の話が入ってこなくなります。

特に完璧主義傾向が強い方ほど、少しの違和感が気になりやすいです。
関連:完璧主義になる原因と今すぐ出来る緩め方5つ

この改善方法は非常にシンプルで、自分に向いている意識を相手に向けるようにすればOKです。

話が聞けている時の意識状態の図

具体的には会話中に意識が自分に向いているなと感じられたら、相手の表情や言葉の内容に意識を向けるようにします。

相手はどんな思いでどんな事を話しているか、相手に意識が向くと、必然的に自分自身に意識が向かなくなり、話が聞ける状態になります。

ただ会話中に疑問点や自分の考え、自分の感情が出てくるのは自然な事です。会話中に自分に起きている事は一旦受け止め、相手に意識を向けていきます。

傾聴トレーニングでも同じことが起きる

上記は、心理カウンセラーが行う傾聴という聴き方のトレーニングをしている時にも、同様のことがかなりの確率で起きます。

例えば傾聴では、できるだけ相手が自由に答えられるオープンクエスチョンを使うのがセオリーですが、会話中に

次はどんな質問をすれば良いだろうか?

というところに意識が強く向くと、その前の相手の話が入ってこなくなります。これはオープンクエスチョンのスキルが上がれば解決できます。

話を聞けないときは意識が自分に強く向いているケースが多いです。その状態に自分で気付けると改善できる非常に大きな一歩になります。

3 自分自身が話しを聞いてもらえた経験が無い

意外に思われるかもしれませんが、心理カウンセリングを行っていると自分の両親に話しを聞いてもらえた経験が無い方は多々いらっしゃいます。

自分自身が聞いてもらえた体験が無いと、どうしても人の話を聞きづらいです。

  • 聞いてもらえるとどんな効果があるのか
  • 具体的にどんなふうに聞けばよいのか

もわかりません。

また親の嫌なところであっても、似たくなくても似てしまう事は多々あります。親が話しを聞かない人で、そのコミュニケーションパターンを引き継いでしまった場合、同様に話しが聞けなくて当然です。

話しを聞いてもらえた体験が無いと、「わかってもらえた」感覚も弱く、自己肯定感もどうしても低くなります。

この場合の改善方法は、まずは自分自身が誰かに聞いてもらえた・わかってもらえた体験をすることです。

私自身もオンラインカウンセリングを実施しておりますので、お気軽にご活用下さい。

身近な人がこちらの話を聞かない場合

身近な人がこちらの話を聞かない場合、理由は次の3つのいずれかです。

  • シンプルに興味がない
  • 話を落ち着いて聞ける状態ではない
  • 自分がその人の話を聞いていない

話を落ち着いて聞ける状態ではないというのは、例えば感情的になっている時です。

例としてお子さんを叱って泣きわめいている時に、悪さをした理由を聞いても会話にはなりません。

これは会話しながら相手の反応を見ればOKで、自分の言葉を受け取ってくれているかどうか、確認しながら会話することで改善できます。

また、アドバイスや指示等、こちらの言う事を聞いてほしい場合、まずはその相手と会話してその方の理解を深める事も大切です。

人は特に自分のことをわかってくれていない人の指示やアドバイスは、受け入れ難いです。

まずは相手の話を聞き、相手と信頼関係を築くことでこちらの言い分も聞いてもらいやすくなります。

実際に心理カウンセリングでも始めはじっくりと相手の話を聞き、絶対的な信頼関係(ラポール)を築いた上でないと、こちらのアドバイスや情報提供がいくら適切でも受け取ってもらえません。

例外|ADHDの方

例外として、ADHD(注意欠陥・多動性障害)の方は、どうしても落ち着いて聞くのが得意ではありません。

授業などでも疑問点が出てきたら後でそれを確認するのが苦手で、すぐに質問する自分を抑えにくいです。

ADHDはその人の性質であり、有名人だと長嶋茂雄さん、黒柳徹子さんもそうです。人には得手不得手がありますので、自分自身の性質を知った上で向いていることをするのが良いと感じます。

まとめ

人の話を聞けない理由は

  • 自分自身のストレスが強い
  • 会話中に意識が自分に強く向いている
  • 自分自身が話しを聞いてもらえた経験が無い

ためです。

それに気付き、意識を相手に向ければ話は必ず聞けるようになります。

話が聞けるようになると、その相手と良い関係が築けるのが大きなメリットです。

また、話を聞くのも内容によって難易度が変わり

  1. 相手の会話の内容を理解する
  2. 相手の感情を受け止める
  3. 相手の心の問題解決のサポートにつなげる

の順で難しくなります。

相手の感情を受け止めるには、自分自身がしっかり話を聞いてもらえた、わかってもらえた体験も大切です。

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  • この記事を書いた人

井上 隆裕

2004年よりプロの心理カウンセラーとして活動。2013年に独立開業。ジョイカウンセリングスクール代表。 運営者情報

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