キンダーカウンセラーとは、幼稚園に定期的に訪れてカウンセリングを実施するカウンセラーの事です。「キンダー」はドイツ語で「幼児」の意味合いです。
主な支援対象は幼児とその保護者ですが、保育者(担任の先生や園長)の支援も含まれます。スクールカウンセラーの幼稚園版といえます。
2003年から大阪府私立幼稚園連盟で導入されており、2009年からは京都府私立幼稚園連盟でも「キンダーカウンセラー派遣事業」が開始されており、他の都道府県にも広まっています。
発端は東京都で、2002年より「子育て支援カウンセラー」として実施されています。東京都は文部科学省の委託で区立の幼稚園と保育所で導入されていますが、大阪府では府から私立幼稚園を対象として、事業補助金を受け取る形で実施されています。
この記事ではキンダーカウンセラーの特徴、なるために必要な事などを解説します。
仕事内容と特徴
特徴としては、保護者へのカウンセリングが多い点です。
これは幼児の場合、どうしても悩みを言葉にするのがまだ得意ではないためです。
主な相談内容としては、
- 幼児期までの発達関係(発達障害)の相談
- 幼児の問題行動(例:他の友達と打ち解けられない、他の子への乱暴が多い)
- 子育てについての悩み全般(食事の好き嫌い、トイレ等)
です。その中でも
発達上の問題に関する内容が86%を占めている
引用元:奈良教育大学 幼児期の発達障害支援におけるキンダーカウンセラーの役割 P1(参照2019-10-31)
というデータもあるくらい、発達関係の相談が多いのが特徴です。
キンダーカウンセラーになるには
公募されており、応募要件として基本的に臨床心理士資格が求められます。
※類似の仕事の場合、臨床心理士は求められません。
臨床心理士を取得するには、4年制大学卒業と、指定大学院の卒業が必要です。
詳細:社会人になってから臨床心理士資格を取得するまでにかかる費用と期間
ただ臨床心理士は民間資格のため、今後は国家資格の公認心理師でもOKになると予測されます。
基本的に年度初めの4月からの年間契約での雇用がほとんどです。募集時期は都道府県により違いがありますが、1月くらいからの募集が多いです。
ハローワークの求人をチェックするか、各都道府県の募集元のサイト【大阪府私立幼稚園連盟、みどり保育支援相談(名古屋市)等】をその時期にチェックしてみて下さい。
年収、給料、勤務形態について
1日支援(6時間)で16,200円。(名古屋市の場合)
引用元:キンダーカウンセラー登録者募集
週1~3日勤務のため、最大で週3日(すべて6時間)入ったとして、月の総支給は199,400円です。(年収約240万円)月12日勤務ですので、良い給料といえます。
時給換算すると2,700円で、一般的な仕事と比較すると良いのですが、スクールカウンセラー(基本時給5,000円)と比較すると劣後します。
まとめと類似の仕事について
キンダーカウンセリング事業は、大阪府では15年以上継続実施されており、他府県にも拡がりを見せているのですが、東京都では拡がりがありません。
東京都では類似の事業として2018年にLINEでの子育て相談窓口をスタート。「子ゴコロ・親ゴコロ相談@東京」として実施されており、2週間で576件の相談を受けています。
こちらは発達相談よりも「子どもと親のための虐待に関する相談」として開かれています。そのためこちらの相談員は臨床心理士資格が求められておらず、キンダーカウンセラーよりはハードルも低いです。(時給は1,500円~3,000円となっています。)
SNSカウンセラーの名目で募集されており、SNSカウンセラー資格所持者、民間のスクールが実施している「SNSカウンセリングトレーニング」を受講し、トレーニングを受けている方が優先して採用されています。
SNSカウンセリングトレーニングは、関東だとアイディアヒューマンサポートサービス、関西だと関西カウンセリングセンターで実施されています。関心の有る方は↓から両校の資料を請求できますのでどうぞ。