セルフメンタルケア

楽しいことがわからない原因、心理と対処法5ステップ

社会人の方が楽しいことがわからない場合、子供の時から楽しい体験をしたことがないケースが非常に多いです。

この場合原因はシンプルで、あなたが育ってきた家庭環境(両親との関係性)の影響が100%と言っても過言ではありません。今まで生きてきて楽しい体験をしたことがなければ、何が楽しいのかわからなくて当然です。

この記事ではその詳細と、楽しいことを見つけるために必要なステップを解説します。

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楽しいことがわからない理由

結論からお伝えすると、ほとんどのケースがあなたの生育歴(生まれてから育ってきた環境)が原因です。

幼い時、子供時代に

  • 親が非常に厳しかった
  • 素直に甘えられる環境ではなかった
    (親や兄弟を助けることが求められた)
  • 自由に言いたい事を言えなかった
    (何を言っても言い返される)

家庭環境で育ち、子供の時から楽しい経験ができなかった場合、大人になってからも楽しいことのイメージが湧きません。

上の赤枠のような環境で育つと、何とかその場に適応して生きるために、次のような価値観が無意識に根付きます。

無意識に根付いている、楽しめない原因の価値観

  • 耐えなければならない
    (我慢しなければならない)
  • 役に立たなければならない
    (自分より他人を優先すべき)
  • 期待に応えなければならない
  • 言いたいことを言ってはならない
  • 完璧でなければならない

どれか1つのみの場合もあれば、複数の場合もあります。ポイントは、無意識に根付いているという点です。

子供ながらに生きるために、そう思わざるを得なかった、そう思うのが自然な環境だったため、上記のような価値観があることに気付いていないケースが100%です。

何かがおかしい感じはしても、これまでは上記のように考えるのが当たり前だったため、自分でも意識せずに自分を苦しめるクセが根付いています。

上記のような自分を苦しめる価値観のことを、心理学では禁止令と呼んでいます。禁止令があると人生において同じような失敗、嫌な出来事が繰り返されることもあります。
詳細:人生脚本とは|効率的に書き換える方法を心理学を通して解説

この自分を苦しめる価値観があると、楽しいことを見つけようとしてもわかりません。

車で例えるとブレーキをかけながら、アクセルを踏もうとしているような形です。

そのため楽しいことがわからない時は、まずは育ってきた家庭環境を振り返り、自分の中に楽しめない原因の価値観がないかどうか振り返ってみて下さい。

幼少期に満たされなかった思いを振り返る

  • 幼少期に甘えたかったけれど甘えられなかった状況
  • その当時本当はどう思っていて、どうして欲しかったか

をまずは振り返り、当時の満たされなかった思い、感情を振り返ると、自分の本音が浮き上がります。

なぜ楽しめない原因の価値観が根付いているのかという自己理解が深まると、今の自分に納得感がでて自己肯定感も高まります。

1人でやりにくい面もあるため、心理カウンセリングを活用するのも有りです。

楽しいことを見つける方法5ステップ

1 楽しめない原因の価値観を緩める

ネックとなっている価値観が自分の中にあると気付けると非常に大きいです。

気付いていないとどうにもできませんが、気付けると我慢している状態の自分、他人を無意識に優先している自分を客観的に見れるためです。

ネックとなっている価値観ですが、それまでの環境である意味必要があって身に付いたものであり、今まで数十年間続けてきた生き方ですので、急にはそれを変えられません

ですので下記のように緩めることを意識すれば自分を苦しめる状態が少しづつ楽になり、楽しいことを意識する心の余白が生まれます。

耐えなければならない。

耐えてもよいが、無理に耐える必要はない。

役に立たなければならない(自分より他人を優先すべき)

役に立った方がよい。(他人を大切にするように自分も大切にする)

言いたいことを言ってはならない(何を言っても言い返される)

言いたいことを溜め込むと爆発するため、できるだけ小出しで自分の思いを伝える。

完璧でなければならない

完璧であった方が良い

詳細:完璧主義になる原因と今すぐ出来る治し方(緩め方)5つ

楽しいことがわからない場合、まずは上記のようにネックとなっている価値観を掴み、それを緩めていくことで人生を楽しむブレーキを緩めることができます。

これをやると生きるのが断然楽になりますが、心をマイナスの状態からゼロ(ニュートラル)の状態に近づけている途中ですので、まだ楽しい事は見つけにくいです。そのため次のポイントを意識してみて下さい。

2 嫌な事、楽しくない事を明確にし、それを避ける

楽しいことを見つけるのも良いですが、それより先に嫌な事、やりたくない事、避けたい状況などをできるだけ明確にし、それを避けるようにします。

楽しいことがわからない場合、無意識に苦しい状況でも我慢するクセがある事が多く、今まで嫌な体験を人一倍してきたはずです。その体験を思い起こし

どんな状況が嫌なのか、どんな人と関わるのが嫌なのか

を明確にし、それを避ける、そこから逃げるようにします。

プラス要素(楽しいこと)を取り入れる前に、マイナス要素(嫌なこと)をできるだけ少なくします。

例えば給料は良いけれど、顧客にウソをつかないといけない、だまさないといけないような状況が嫌なのであれば、そういった職場を避けるイメージです。

今まであまり楽しい体験をしていない場合、楽しいことよりも嫌な事・状況の方がイメージしやすいです。

ここまではマイナスを除去する考え方で、ここからプラスを取り入れる方法を紹介します。

3 「心地よさ」を意識する

楽しい事と心地良い事は若干違いますが、かなり近く、心地よさの方がハードルが低いです。

楽しい事がわからない場合、自分にとって心地良いことがわからない場合がほとんどです。

今までは苦しい環境で生きるために、必要があって感覚を止めてあまり感じないようにしてきています

そのため嫌な出来事に耐える(出来るだけ感じないようにする)ことには慣れていますが、その半面良いことも感じにくくなっています。

これをシフトするためには、少しづつ感覚を開いて自分にとって心地良いことを意識していきます。自分にとって何が心地良いかは、五感を大切にします。

五感の心地よさを大切にする

五感とは視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚で顔にすべて含まれています。

五感を意識する理由は、非常に本能的な感覚で理屈抜きにシンプルに快・不快が判別しやすいためです。

ちなみにストレスが強い環境に置かれると、人は自分を守るためにこの五感を無意識に閉じて感じないようにします。以前芸能人の堂本剛さんが突発性難聴になったことがありますが、芸能界はどうしてもストレスが強いです。

ストレスが強い環境だと、人によって嗅覚が弱くなったり、味がしなくなることもあります。主に次のポイントを意識して心地よさを増やしてみて下さい。

視覚

あなたがパッと見て「良いな!」と感じられるものを部屋や身近に増やします。

人によって海や山の自然だったり、動物や子供の笑顔だったり様々です。心地良いと感じられる色も、カーテンやシーツなどで部屋に増やせられるとベターです。

ちなみに心理カウンセリングに使われるコラージュ療法は、手軽にできてパッと見て良いイメージを作りやすいです。(この場合は理想の状態の自分をイメージしてコラージュを行うと良いです)

また、パッと見て嫌なものは避けることも大切で、私自身散らかっている環境、汚い環境が嫌なためそれを避けるようにしています。

その他の五感に心地よさを増やす方法は、心と身体が疲れた時の効率的な対処法7つに記載してますのでどうぞ。

人生でいちばん大切なのは「自分にとって心地よさを感じること。」
(チェリスト、ヨーヨー・マの言葉)

五感の心地良さ以外では、次の点を意識してみて下さい。

4 自分の欲求を大切にし、気になった事はとりあえずやってみる

これは例えば何となくソバが食べたいなと思ったら、シンプルにその欲求にしたがってやってみる感じです。今までの

我慢する=自分の欲求は横に置いておく

行動パターンを変え、自分がどうしたいかを意識していきます。

その上で気になったことがあれば、とりあえずやってみて楽しいかどうかを確認してみます。

やってみてあらためて感じられる事は多いですし、楽しければもう1回、楽しくなければ自分にはそれが向いていないことがわかったと捉え、他に意識を向ければOKです。

5 自己理解を深める

これは心理学を通して自分の性質、行動パターン、心の深い部分を知り、自分が本当はどう感じているか、どう思っているかを掴む方法です。

私自身心理カウンセラーとして20年以上活動していますが、自分のことに興味があって心理学を学ぶ方は多いです。楽しい事がわからないという悩みも、自分に関心があるからこそです。

手軽にとりくめるのはエゴグラム心理テストで、自分の行動パターンが目に見える形でわかります。是非現実の自分と合わせて理想の自分もイメージしてやってみて下さい。

より詳しく自己理解を深めたい方向けに、実践心理アートセラピー通信講座も私自身が作成してます。
木の絵を描く心理テストや、色彩心理、夢分析などを通して自己理解を深める体験ができる通信講座です。動画講義メインでわかりやすさを重視してますので、気になる方は是非チェックしてみて下さい。

まとめ

楽しいことがわからない原因と対処法として

  1. 無意識に根付いている楽しめない原因の価値観を見つける
  2. その価値観を緩める
  3. 嫌な事、楽しくない事を明確にし、それを避ける
  4. 「心地よさ」を意識する(特に五感)
  5. 自分の欲求を大切にし、気になった事はとりあえずやってみる
  6. 自己理解を深める

を紹介しました。

大切なことは、楽しめない原因の価値観は今まで必要があって身に付いたもので、無意識に続けてきた生き方のため、急には変えられないという事です。

育ってきた環境の影響は大きいですが、不都合な価値観は大人になってからでも緩められます。その結果、楽しめる時間が出てきます。

ご自身にとっての心地良さを意識し、それを大切にしてみて下さい。


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  • この記事を書いた人

井上 隆裕

2004年よりプロの心理カウンセラーとして活動。2013年に独立開業。ジョイカウンセリングスクール代表。 運営者情報

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