独立開業

カウンセラー開業前後の体験談、効果が薄かった広告

カウンセラー井上の顔写真

私自身カウンセラーとして独立開業して丸7年と少し経ちましたが、開業前の不安感は独特で、この感覚をなんとかしたい!という思いはとても強かったです。

この記事ではその不安感をクリアにするためにやった事や、開業後の体験談と、効果が薄かった広告を解説します。

※開業の方法については心理カウンセラー独立開業への最短5ステップの記事をご参照下さい。

動画で知りたい方はこちら

開業前の不安を軽くするために有効だった事4つ

実行した事は、↓の4つです。

  1. 納得のいくカウンセリングスキルを身に付ける
  2. 他所のカウンセリングを複数受ける
  3. 経営に関する本を読み漁る
  4. 海外のカウンセラーに触れる

順に詳細を解説します。

1 納得のいくカウンセリングスキルを身に付ける

民間のカウンセラー養成スクールで学び始めた当初は、そこから2~3年で独立しようと考えていたのですが、今から思うと浅はかでした。

実際に受講後すぐに独立した人もいましたが、1年も持たずです。

結局学び始めから独立するまでに約10年かかりました。誰よりも自分自身が納得のいくスキルが身に付いてないと、独立に踏み出す自信が持てなかったので、これでよかったかなと思っています。

所属していた団体に見習える先輩がいたのも有難かったです。

私にとって独立しようと吹っ切れたきっかけになったのは、それ以上そこにいても、劇的なスキル向上は見込めないだろうと感じられた時でした。

2 他所のカウンセリングを複数受ける

実際にカウンセラーとして独立開業されている方はどんな感じでやられているのかを知るために、予約してカウンセリングを受けにいっています。

自分を知るという目的で箱庭療法を受けたり、聞けそうな人には自分の素性を明かした上で、「プロとして1番大切にしている事は何ですか?」と聞くと、丁寧に教えてくれた方もいます。

カウンセラーに限らず、同業他社のリサーチは大切だと思いますが、人生をかけてやっている人ばかりなので、とても良い刺激をもらいました。

特に↓のポイントはルームによって違いがあり、相談者目線でメリット・デメリットを考えられたのは大きいです。

  • お金の受け渡し方法(事前か事後か)
  • カウンセリング申込書(カウンセリング前に書く用紙)の内容
  • 飲み物の種類、出すか出さないか
  • カウンセラーの対応(会話の切り出し方)

3 経営に関する本を読み漁る

カウンセリングについての勉強はしてきましたが、実際にいかに経営を安定させるか、顧客に来てもらうためにどんな事をするかについては、あまり深く考えてませんでした。

20冊ほど読み漁りましたが、1番参考になったのは↓の本です。

集客は切っても切り離せないです。他の集客の本に書いてある事も、ベースはこの本で紹介されていることが多かったです。独立を考えている人にはお勧めの本で、一歩踏み出す勇気をもらえます。

ここまでやってみたのですが、それでも強い不安感は消えなかったんですね。考えてみると、日本以外のカウンセラー・カウンセリングに触れた事がなかったので、少しでも海外のカウンセリングも取り入れたいと思い、渡航してみる事に。

4 海外のカウンセラーに触れる

英語はそこまで話せないので、海外で活躍している日本人カウンセラーに話を聴いて刺激を受けようと考えたんですね。海外で暮らすだけで凄いのに、さらにカウンセリングを生業にされているのは、私にとってはスーパーマンです。

本場のアメリカに行くか、ヨーロッパに行くか迷いましたが、ネットで調べたところ、スウェーデンで活動されている方が1番信頼できそうだったので、事前にメールして高飛びです。※心理カウンセラーとして海外で働く方法と実際に活動している方7選で紹介している方です。

行ってみると、「本当に来るとは思わなかった」と。

1ヶ月ほど週に3回ペースで教育分析を受けましたが、行ってみて本当に良かったと思います。

それまでとは違うカウンセリングに触れられた事はもちろんですが、スウェーデンの人の価値観に触れられた事も大きいです。

夏休みをほとんどの人が2ヶ月間とるような文化なので、日本のように忙しい・仕事が多いのが美徳という考えは一切ありません。

正社員になって、結婚してない人はダメというような生き苦しさも無いので、そういった文化に触れられたのは、自分の財産になったと思います。

新しい事を始めるのに不安はあって当然ですが、何かを行動して少しでも軽く出来るのであれば、不安要素は潰したほうが良いと思います。

開業後にかかってきた電話について

電話を受ける女性の写真

ホームページに電話番号を掲載すると、どんな電話がどんな頻度でかかってくるか予測がつかないので、緊張感も強いと思います。

開業当初に多くかかってきた電話の実例と、あなたの時間を無駄にしないための簡単な電話対応方法を紹介します。

電話がかかってくる頻度について

ホームページをオープンさせ、電話番号をネット上に掲載すると、どのくらい反響があるかわからないので、ドキドキものです。

安心して下さい。始めはほとんど顧客からの電話はかかってきません。

というのも、ホームページを作りたての時は、有料広告を使わない限り検索されても上位に入らないためです。※半年ほど経過すると徐々に上がってきます。

私の場合は有料のネット広告「PPC広告」を使っていましたが、それでもほとんど電話はかかってきませんでした。週に数本かかってくれば良いほうです。

ただし、開業までにブログやホームページを育てていて、すでに読者が複数名ついている場合は話は別です。

開業当初は顧客からの電話はほとんどありませんが、開業初期に狙いをつけた業者から様々な営業電話がかかってきます。

かかってくる営業電話の種類と効果的に減らす方法

営業電話の種類として多いもの順に紹介します

SEO対策業者

SEO対策とは、ネットで検索された時に上位表示させる対策のことです。「ホームページを検索で上位表示させるのに関心はありませんか?」といった感じでかかってきます。

特にホームページを打ち出した当初は、ご自身のサイトがなかなか上位表示されずやきもきするかもしれませんが、基本的に業者にリンクを貼ってもらい、上位表示させる対策はお勧めしません。SEOについてはネットで無料かつ有益な情報を得られます。「SEO」や「SEO対策」と検索してみて下さい。

やんわり断ってもひどい業者になると数ヶ月のうちに5~6回電話をかけてくるところもあり、迷惑です。

必要ありません」とシンプルに断るのも良いですが、私の場合はその業者の電話番号を着信拒否に設定しても、違う番号から何度もかけてこられました。

最も効果的で、電話がピタッと止まった方法は、業者の社名を相手が言った瞬間に電話を切る方法でした。それ以来しつこい営業電話がストップしてます。

雑誌・TV取材業者

企業向けの雑誌の出版社や、TV番組から出演依頼の電話がかかってくることもあります。

安心して下さい。基本的に有料です。

雑誌に取材されて数万円。TV番組の出演依頼だと、出演してお金を頂けるのではなく、出演してお金を数十万円支払うことになるはずです。

広告費と考えて、費用対効果が合えば良いのですが、基本的に元を取るのは難しいと思います。

開業当初は溜め込んだお金もあると思いますが、広告費として5万円でも大きいです。どうしても広告を出したければ、ネット広告(PPC広告)だと数千円から小さくスタートして、どんな文言の広告が反応率が高いか、効果検証しながら進めることができます。そちらの方がまだ良いです。

雑誌取材、TV出演依頼の業者は数えるほどでした。1回断れば何度もかかってくる事もありません。

開業当初は顧客をとにかく集めたい焦る気持ちもあると思いますが、有料での雑誌取材、TV出演はお勧めしません。無料で掲載してもらえるのなら、これほど有り難いことはありませんので、是非利用させてもらいましょう。

続いて業者ではなく、こんな見込み客から電話があるという実例を紹介します。

困る見込み客からの電話

あなたが独立開業すれば、絶対に次のような顧客と出会うはずです。私自身数名経験してます。

どんな顧客かというと、

電話でいきなり悩みや自分自身の事を延々と話しだす顧客

です。お金を支払っていないのにも関わらずです。

カウンセラーとして活動すると、「話はしっかりと聞かなければいけない。話をさえぎっては良くない。」という意識は少なからず働くと思います。その思いから電話で話を聴いてしまうと、あっという間に30分はたってしまいます。

そうなってしまうとお金を支払ってカウンセリングを受けてくれている人に申し訳ありません。商売としても成り立たなくなります。

もし電話を受けて、見込み客がいきなり自分の話をどんどんしだしたら、

「詳しいお話はカウンセリングでお伺いしてますので、ご予約を希望されますか?」

と切り返すのがお勧めです。

電話で詳しい話は聴かない(電話カウンセリングとして予約を受けていない限り)というスタンスを保つのは、カウンセラー自身の時間と、お金を支払ってくれている顧客を守るためにとても大切な事だと感じます。

ただ、顧客としてもどんなカウンセラーなのかをある程度知ってからカウンセリングを予約したいと思うんですね。そのためには、普段の活動やケース、あなたが学んできたことなどを自社サイトのブログなどにしっかりと掲載しておいて、自分自身を知ってもらう手段としては、電話でなくネットを活用するというスタンスが必要になります。

ちなみに非通知での通話は受付けないようにしておくと、この類の電話は激減します。非通知OKにしておくと深夜に着信があることも多いので、番号通知の電話のみ受け付けるようにしておくのがお勧めです。

その他

他にもコピー機などの業者からも電話があると思いますが、業者は複数回かけてくる事も多いです。私自身無駄な電話を受けるのが嫌いなので、必要無いと感じたら電話機の機能で着信拒否にしています。

あなたの大切な時間を効果的に使うためにも、上記の方法を使って必要無い電話はカットし、優良顧客にかける時間を増やしていくのがお勧めです。

続いて集客のために使った広告について紹介します。

効果が薄かった広告

新聞広告とちらし広告

新聞広告とカウンセリングの親和性は非常に悪いです。ストレートに言うと、まず元がとれません。実際に新聞広告やちらしでカウンセリングの案内を見ることはほとんど無いはずです。

知り合いで開業当初7万部ちらしを発行して、そのちらしに無料カウンセリングも案内していたけれど、結果問い合わせが1件あっただけの人もいます。広告費約40万円の赤字。

これはカウンセリングの性質によるところが大きいです。食べ物のように毎日必ずしも必要なものであれば、当然その情報を探し求める人は多いです。しかしカウンセリングは基本的に生き苦しい時に利用するものです。「なんとなくちらしを見ていたら目に入ったからカウンセリングを受けた。」という人はまずいません。「たまたま目に入った」ではなく、HP検索などで「自分から見つける」ことでカウンセリングを受ける人がほとんどです。

新聞広告、ちらし広告でカウンセリングの案内を出すと赤字になります。疑問に感じる人は、発行地域を狭めて5万円以下で出来るところもありますので、試してみて下さい。

PPC広告(インターネット広告)

PPC広告とは、グーグルやヤフーでインターネット検索した時に最上部や下段に出てくる広告です。pay(ペイ)per(パー)click(クリック)広告の略で、1クリックごとに料金がかかります。

「東京 カウンセリング」の検索結果画像のPPC広告

上の画像は「東京 カウンセリング」のキーワードで検索した画面です。新聞広告のように一気に料金がかからないので試しやすいです。

カウンセリングのPPC広告の単価は高めで、1回クリックされると約300~1,000円程度の広告費が必要になります。特定のワードが検索された時のみに表示できるようにしたりと細やかな設定が可能なのですが、正直これも個人で開業している分には割に合わないです。

実際に著者も広告が表示される時間帯や、1日の広告費の上限を決めてやってみたのですが割に合いませんでした。1日に上限2000円で設定していましたが、7回ほどクリックされるとあっという間にその金額になります。

後でクリックされたキーワードを確認すると、カウンセリングとは関係のないキーワードで検索されてクリックされていることも多くありました。特定のワードで検索された際に広告が表示されないようにも設定できるのですが、とにかく検索して文言を何も見ずに1番上に表示されているものをクリックする人が多い事に広告を出して初めて気付きました。

実際に「都道府県名 カウンセリング」のワードで検索してPPC広告を使っている開業カウンセラーはほとんどいません。興味のある人は試してみて下さい。PPC広告についてかなり勉強しても、カウンセリングの分野は赤字になる可能性は高いです。

マンツーマンのカウンセリングだけでなく、複数人対象の心理学・カウンセリング講座を実施する場合は、利益率が高くなるため、PPC広告は使える手段です。

関連:無料で出来る!カウンセラーホームページ集客方法5つ

まとめ

カウンセリングは在庫を持たない商売ですし、ローコストで始められ、他業種と比較すると赤字になるリスクは低いです。

独立開業すれば働く時間を自由に選択出来るのもメリットの1つです。(基本予約制ですので、自分のライフスタイルに合わせてカウンセリング時間を設定出来ます。)

定年が無く、健康を保っていれば、話が聴ける限りカウンセリングは出来ます。自分よりも年下のカウンセラーには相談しにくいという方もいらっしゃいますので、カウンセラーにとって年齢はメリットになるといっても過言ではありません。

関連:独立開業した場合の年収目安


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  • この記事を書いた人

井上 隆裕

2004年よりプロの心理カウンセラーとして活動。2013年に独立開業。ジョイカウンセリングスクール代表。 運営者情報

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