中卒でも心理カウンセラーになれますか?という疑問を持つ方がいらっしゃいますが、結論からお伝えすると、なれます。
ルートとしては何らかの心理資格を取得後に仕事を得ますが、基本的に取得難易度が高い資格ほど仕事を得やすいです。
難易度の低い順から具体的な方法を解説します。
資格について
実はほとんどの心理資格が中卒で取得出来ます。
というのも心理の資格は、国家資格の公認心理師以外は、すべて民間団体が認定している資格です。有名な臨床心理士も民間団体が認定している資格の1つですが、これは指定大学院を修了する必要がありますので、中卒では無理です。
それ以外のほとんどの資格は中卒で取得出来ます。当サイトで紹介している独立開業カウンセラーは、どの方も臨床心理士資格を取得していません。
通信課程で取得する事も出来ますが、プロを目指すのであれば通学になります。まずは仕事を得やすい資格から解説します。
難易度低めでお勧めのキャリア・コンサルタント
キャリア・コンサルタントは学歴不問の国家資格で、中卒で取得可能です。心の問題解決というよりは、就職相談(就労支援)のイメージが強い資格で、基本的に各種心理療法は使いません。取得難易度は低めです。
条件に合う方は合計15万円程度で取得できます。デメリットとしては正規職員としての募集がほぼ無い点です。詳細は下記をご参照下さい。
難易度やや高め|実力が重視される方法
民間のカウンセラー養成機関で資格を取得し、そこからプロになる方法です。こちらはプロになるまでの期間は約2年間で、費用も約20~50万円と現実的です。ただし、この方法だと病院でカウンセラーとして活動したい場合は、通学したカウンセラースクールが病院とのコネクションを持っていない限り難しいです。
民間は資格よりも実力重視のため、頑張れば通学したカウンセリングスクールのスタッフとして勤める道も現実味を帯びています。
もしくは独立開業するかですが、資格取得後すぐに独立するのはあまりお勧め出来ません。通学したスクールに仕事が入った場合、頑張っている研修生に紹介される事もありますし、そのスクールで非常勤のカウンセラーとしてある程度経験を積んでからの方が、プロの世界を理解出来て良いです。
難易度は非常に高いが堅実な方法
堅実な方法は、公認心理師(国家資格)を取得する方法です。この方法であれば病院に雇われたり、スクールカウンセラーにとして働ける現実味が帯びてきます。ただ、難易度は非常に高く、学歴も上げる必要があります。
ルートとしては、
- 高等学校卒業程度認定試験に合格する
- 通信課程で4年制大学を卒業する
- 最低2年間(標準3年)の実務経験を積む
- 国家試験を受ける
になります。
大学受験の合格は無理!と思われるかもしれませんが、実は通信課程なら入試は無く、書類選考のみです。
期間は最短で7年間(1年で高等学校卒業程度認定試験に合格出来た場合)。費用は通信制大学だと4年間で学費のみで最低100万円は必要です。
詳細:心理学が学べる通信制大学は全10校|学費とおすすめを解説
ただ、この方法だと大学卒業のためにどうしても心理関係以外の勉強をする必要が出てきます。
まとめ
中卒の方が心理カウンセラーになるには、
- キャリア・コンサルタントを取得し、公募されている仕事にトライする
- 民間のカウンセラー養成スクールで資格取得→そのスクールでカウンセラーとして活動する、またはそのスクールから紹介された心理関係の仕事をする
- 高認合格→通信制4年大学を卒業→最低2年間の実務経験を積んで公認心理師を取る
のいずれかです。
中卒の方は、学歴が原因で社会に出た時に何らかの不条理さを感じた人も少なくないかもしれません。
カウンセリングに来られる方も、同じように何らかの不条理さを感じている事が少なくありません。何らかの理由で行き詰まっていたり、自分を認められない苦しさを抱えている方も多いです。
そんな人達のサポートに必要なのは、学歴よりもその方の気持ちを的確に汲み、本当に求めている事を共に探していく、カウンセラーとしての実力だと思います。