自分を大切にするとは、どういうことか意味がわからない理由はシンプルで、
ためです。
例えば幼少期に親から虐待を受けたり、暴言を吐かれ続けると自分には愛される(大切にされる)価値がないという価値観が無意識に根付きます。無意識に根付いているため、そう思っている自覚はありません。
こうなると必然的にその価値観に合った行動を取るため、無意識に自分を大切にしない行動を取りがちです。
こういった幼少期の環境・影響で根付いた否定的な価値感を、心理学では禁止令と呼んでいます。
特に両親から大切にされた経験が弱いと、自分を大切にする意味がわからなくて当然です。
この記事では自分を大切にするとはどういう事かと、大切にする方法について解説します。
自分を大切にするとは
自分を大切にするとは、自分の心と身体の健康を保つように、自分で自分を守ることです。
体調が悪い時は無理せず学校や仕事を早退したり、自分が辛い時は他人の依頼を引き受けず、断れるのも1つの能力です。
自分を大切にするには、一定の自己肯定感が必要です。特に誰かの助けになることで初めて自分の価値を実感出来るタイプの方は、自分を犠牲にして相手に尽くしすぎてしまう事があります。
自分を大切にする方法7つ
自分を大切にするには、
- どんな状況の時に自分を大切にできていないのかを知る
- そうなる原因(心理)を理解する
ことが根本的な解決につながります。以下のケースは人によって当てはまるものとそうでないものがありますので、ご自身に近いものをご参考下さい。
1 自分が辛い時には断る力をつける
自分が辛くても頼みを断れないと、仕事を抱えすぎて一杯一杯になるだけでなく、過労にもつながります。
相手の頼みを断れないのには理由があり、常に相手がどう思うかを優先する思考パターンが根付いているためです。
自分がどう思うかよりも相手がどう思うかを優先してしまうため、自分の思いや本音がわからなくなることも多いです。
これを克服するには、まずはなぜその思考パターンが根付いたのか、自己理解を深めることが大切な一歩です。
2 我慢しやすい行動パターンを緩める
我慢に我慢を重ねるとストレスで心だけでなく身体にも影響がでたり、最終的に感情を爆発させて人間関係を壊してしまうこともあります。
自分の意見を言うのが苦手な場合と、自分の怒りや悲しさなどのマイナスの感情を無意識に抑えてしまう場合があります。
- 我慢していた自分の本音を確認する
- 我慢の元になっている価値観に気付く
ことで我慢を緩め、自分を大切にすることにつながります。
3 自己肯定感が低い原因を知る
- 他人に認められるために、きつくても無理に頑張ってしまう
- 自傷行為がある
等の場合はここに該当します。幼少期に親から認められなかったり、家庭環境の影響が非常に強いです。
私自身若い時に職場の人から認めてもらうために無理に頑張っていたことがありますが、先輩がそれを止めてくれたことはとても有り難く、今でもハッキリと覚えています。
自己肯定感が低い方は、まずは他人から大切にされる経験が自分を大切にする経験につながります。
詳細:自己肯定感が低い原因8つ|幼少期の親との関係、家庭環境の影響が大半
4 自分を大切にしてくれる人を大切にする
自分を大切にしてくれる人を突き放し、その後で後悔することを繰り返す場合があります。
大切にされるのが怖いと、どうしてもこうなります。
こう感じられる方は、幼少期に大切な人と離れる経験がなかったかどうか振り返ってみて下さい。この経験があると、愛情は途中で失われるものだという思いが根付き、大切な人との辛い別れがまた繰り返されるのではないか?という思いから、大切にしてくれる人を自分から突き放してしまいます。
放置すると結婚と離婚を繰り返す場合もあります。脚本分析(人生脚本)とはの記事に事例を交えて解説してますのでご参照下さい。
次の方法から人を選びません。
5 素直な欲求を大切にする
この方法はシンプルで、例えばラーメンが食べたいと感じたらそれを実行したり、行きたい場所があればそこに行ってみるイメージです。
これを行うと、自分は今どう思っているか、どう感じているか、どうしたいかに意識がフォーカスされるようになります。
こういった自己理解を深めることは、自分を大切にすることに直結します。
自分を大切にするのが苦手な人は、エゴグラム心理テストを実施すると、AC(人に合わせる要素)の項目が高く、FC(自由奔放な要素)が低い場合が多いです。
エゴグラム心理テストは自分の行動パターンを客観視できますので、是非やってみて下さい。
ここまでは自分自身の内面(心)を大切にする方法を紹介してきました。次からシンプルな方法を紹介します。
6 自分の身体と持ち物を大切にする
自分の心を大切にすることと、身体を大切にすること、持ち物や部屋を大切にすることは関連性があります。心が荒れてくると部屋も荒れます。
大切な物であれば
- 汚れがついたらきれいに保つ
- できるだけ傷がつかないように丁寧に扱う
- 大切に保管する(物を休める)
などのメンテナンスを行います。管理できないほど物が多ければ、捨てるのも大切です。
大切にするとは、今の状態を見つめ、それをメンテナンスできているかどうがが1つの目安です。以下のような目に見えるものが判別しやすいです。
- 自分の身体(歯、肌、髪など)を大切に扱っているかどうか
- 睡眠を大切にし、身体をしっかり休めるようにしているかどうか
- 自分の服や靴、バッグなどの身の回りの物を大切にしているかどうか
もし身近に壊れているものがあれば、それを治すか捨てる、汚れたり傷がついているものがあればメンテンスする等、自分の周りの物を大切にすることは、自分を大切にすることに直結します。
7 共依存を緩める
- ダメな男性(女性)と離れられなくてボロボロになる
- 人に喜んでもらえるために過剰に尽くす
場合はここに該当します。
誰かの助けになることで初めて自分の価値を実感出来ることがネックとなり、ダメな人から離れられなかったり、自分を犠牲にしても相手に尽くす結果になります。
これを解決するには、人を助けなくても自分を保てるように自己肯定感を高めるに尽きます。まずは依存されやすい人の特徴・心理と依存された場合の対応法3つをご参照下さい。
自分を大切にすると、自分勝手で自己中だと思われないか?
自分勝手や自己中は、自分のことだけ考え、すべて自分優先にしている状態です。
大きな違いとして、自分を大切に出来るようになると周りの人のことも大切にでき、相手への配慮、思いやりも強くなります。
例えば仕事で連休を取りたい時、仕事が忙しい時期にそれをすると自分勝手と思われても仕方ありませんが、会社全体の仕事の余裕がある時に連休を取ればOKです。
自由に生きても、忍耐で生きても、それほど文句を言われる量は変わらないと思う。だとしたら、自由に生きたほうが自分のためになるのではないか。
大津秀一 (医師)「死ぬ時に後悔すること25」より
上記は心が楽になる、必ず元気が出る言葉41選で紹介している言葉の1つです。
まとめ
自分を大切にすることがわかりにくい方は、物を大切にすることをイメージするとわかりやすいです。大切なものは、
- 大切に保管する(休息、睡眠を大切にする)
- 汚れがついたらきれいにする(身体や心が傷ついていればメンテナンスする)
ように心がけます。
できるだけ肯定的に受け止めてくれる人と接してみて下さい。
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