心理カウンセラーの井上です。心理の資格取得前に、ネットで様々な情報を検索されると、取得しても意味が無い?と不安になると思います。心理資格は種類も非常に多いです。
私自身民間のスクールで資格取得後、プロとして20年活動しています。結論からお伝えすると、心理カウンセラー資格取得しても意味がないケースは、
- 過剰広告に勘違いさせられるケース
- 通信で資格取得後、仕事にしたいと思っている方
- 通学で資格取得後、病院、学校で仕事を希望している方
です。この記事ではその理由と、民間の心理資格取得で意味があるケースを解説します。
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心理資格を取得しても意味が無いケース3つ
1 過剰広告に勘違いさせられるケース
という表現をみて講座に申し込みし、実際は違ったというケースです。次のようなまぎらわしい(攻めた)表現をするスクールがあります。
- 心理カウンセラーが足りていません。
- ◯ヶ月で心理カウンセラーを目指せます。
これは非常にまぎわらしい表現で、スキルの高い心理カウンセラーが足りていないケースはありますが、基本的に人気商売のため、人手不足の業界ではありません。
◯ヶ月で心理カウンセラーを目指せますという表現は、「なれます」と書いてはいないのでウソではないのですが、まぎらわしいです。ぱっと見◯ヶ月でプロの心理カウンセラーになれるように受け取れます。
そもそも資格取得せずとも「私は心理カウンセラーです」と名乗っても法的には問題ないため、ウソではありませんが、かなり攻めた表現です。
なぜスクール側がこのように資格取得(受講)すれば仕事につながるように見せるのかというと、その方が受講生が増えてスクールが潤うためです。
確かにプロを輩出しているスクールもありますが、広告表現から簡単にプロになれるんだなと受け取って資格取得すると、思っていたことと違ったという状況になります。
心理資格のほとんどは民間資格で、民間(NPOや財団法人含む)のスクールは、基本的に利益を出さなければ継続できません。そのため過剰な表現が見受けられますが、心理の資格を取得しても簡単にはプロになれません。
2 通信で資格取得後、仕事にしたいと思っている方
通信の心理資格には様々なタイプがありますが、仕事にするのが非常に難しい理由として、通信ではスキルを身に付けるのが非常に難しいためです。
※ 例外として、オンラインでカウンセラーとのマンツーマントレーニングは除きます。
カウンセリングはそもそも人と関わって(会話して)心の問題解決をサポートしますが、通信では実際の人と関わることが出来ません。
練習で出来ないことは本番でも出来ませんが、テキストと映像で学ぶ通信では、カウンセリングロールプレイの練習さえできません。
通信の心理資格のほとんどは、費用も安く(3~5万円)短期間(2~3ヶ月)で取得できます。手っ取り早く何らかの心理資格が欲しい、気軽にカウンセリングを学んでみたい方には向いていますが、仕事にしたい方には向いていません。
ご自身のSNSなどで集客できる方は、通信の心理資格でも仕事にすることは可能ですが、相談者の成果につながらないと長続きしないです。
通信で心理資格を取得後、仕事にしたいと考えている方は、ご自身がそういったカウンセラーに相談したいと思えるかどうか振り返ってみて下さい。
3 通学で資格取得後、病院、学校で仕事を希望している方
心理カウンセラーの活動場所として多くの人がすぐに思いつくのが、病院と学校です。このどちらかで働くには、ほとんどの場合国家資格の公認心理師が求められます。
公認心理師資格取得のためには、心理関係の大学、大学院を修了する必要があります。そのため、民間(通学)のスクールで資格取得後、病院、学校で仕事をしたいと考えている方は、資格取得の意味が弱いです。
心理カウンセラーの活動場所は病院や学校だけではありません。通学で民間のカウンセリングスクールに入学後、仕事につなげている人は多くいます。私もその1人です。
通学だと実際にプロのカウンセラーのカウンセリングを見たり、カウンセリングをやってみてそれを見たプロからアドバイスを受けることも可能です。
ただし民間(通学)のカウンセリングスクールで資格取得後、病院・学校で働くのは難易度が非常に高いです。
要点をまとめると、心理カウンセラー資格を取得しても意味がないケースとして
場合です。
民間の心理資格には意味がないのか?
国家資格(公認心理師)があるため、民間の心理資格には意味が無いと捉えられる単純思考の方がおられます。
確かに上記2つの目的の場合は意味がないと言っても過言ではありません。ただ、民間の心理カウンセラー養成スクールは全国に多々あり、50年以上の歴史があるスクールもあります。
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全く意味がなければすべて廃業しているはずです。
具体的に民間の心理資格取得にどのような意味があるのか(メリット)を、私自身の実体験を交えて4つ解説します。
心理資格取得の意味があるケース(民間通学)
1 自己肯定感を高めたい方
自己肯定感が高まる理由として、ほとんどのスクールが講座の中で、まずは心理療法を受講生自身が体感することを重視しているためです。自分が体感して効果が実感できるものでないと、他人にはそれを提供しにくいです。
基本的にカウンセリングスクールには他人の役に立ちたい思いが強い方が集まるため、私自身講座内でのワーク(講師が見守った上での受講生同士の関わり)では、自分自身を肯定してもらえる関わりを多く受けました。
今までの人生を振り返りながら、自分自身本当はどう思っているのか、感じているのか、自己探求の機会を作れます。
2 コミュニケーションスキルを身に付けたい方
特に傾聴というカウンセラーが使う話の聴き方のトレーニングでは、共感、質問、話しやすい関わり方など、日常でも使えるスキルが満載です。しかも一生使えるスキルですので、コミュニケーションに自信もつきますし、人と関わるストレスも減ります。
通学のスクールだと、実際に傾聴されてみてどう感じるのかを体感でき、どう聴けば相手が心を開いてくれるか、トライアンドエラーで実践しながらスキルアップできます。
また、人がハマりやすい不快なコミュニケーションの解消として、ゲーム分析の講座を取り入れているスクールは非常に多いです。
3 ストレスマネジメントスキルを高めたい方
心理療法、心理学にはストレスマネジメントに役立つものが非常に多いです。
自分と他人の行動パターンの分析に、世界的に使われているTA交流分析はもちろん、森田療法は特に使いやすいです。
4 悩みを抱えた人の役に立ちたい方
プロレベルまでではなくても、友人や職場の方の悩み相談であったり、ストレスが軽くなる関わり方を学べます。
私自身はプロとして活動してますので、収益につながっているという点でもこのメリットが1番大きいです。
まとめ
心理カウンセラー資格を取得しても意味が無いケースとして
- 過剰広告に勘違いさせられるケース
- 通信で資格取得後、仕事にしたいと思っている方
- 通学で資格取得後、病院、学校で仕事を希望している方
を紹介しました。
心理カウンセラーはなりたい人が多く、人気商売ですので通学のスクールで資格取得しても、仕事につなげるのは難易度が高いです。
通信であれ、通学であれ難易度が高いことを簡単そうに「やれますよ」と打ち出しているスクールで資格取得を考える場合、事実をきっちりと確認するのをお勧めします。
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