カウンセリング関係

カウンセリングで話せない、話すのが怖い理由5つとその対策

心理カウンセリングで自分の思いを話すのが怖い、本当のことを言えないケースがあります。

自分自身の状況や、身体の症状(不眠、動悸など)は伝えられても、気持ちの部分は伝えられない方もいます。

特にネガティブな感情は、日常生活だと嫌がられるのでどうしても話にくいですが、本当のことを言えない方は他人思いのやさしい方が多いです。

この記事では、カウンセリングで話せない、本当のことを言えない理由と対処法を解説します。

カウンセリングでは話せなくてもOK

まず知っておいて頂きたいこととして、カウンセリングでは相談者は自由で、全く話せなくてもOKということです。

訓練を受けたカウンセラーであれば、辛い体験を思い起こす苦しさ、話にくさを理解しています。なので話せない時も、それにふさわしいカウンセリングをしてくれます。

決して無理に話す必要はなく、その時その時で話せる事を話せる範囲で話せばOKです。

中には話すことができないほど、身体や脳が疲労している方もいます。そんな時は疲労を回復する自律訓練法を提供される場合もあります。これは話す必要が一切ありません。

自分の思いをなかなか言葉にしにくい時には、絵やモノを通じて行う芸術療法もあります。会話からスタートしないカウンセリングの1つです。

また心の問題は、話せる時期とそうでない時期があります。

話せない、話すのが怖い理由5つ

1 今は話せる心の準備が整っていない

悩みが根深いほど、過去の辛い体験を話すのは苦しいです。そしてそれを話すのは、心の体力を使います。泣いたあとはスッキリしますが、同時にとても疲れます。これは泣く事がとてもエネルギーを使うからです。

辛い体験は、話せる時期とそうでない時期もあります。話せる心の準備が整っていない時期に無理に話したとしても、絶対に良い結果にはなりません。訓練されたカウンセラーはそれをちゃんと理解してますので、そんな話せないあなた自身のことも受容しながらカウンセリングを進めてくれます。

心の準備が整っていても、カウンセラーが原因で話せないケースもあります。

2 カウンセラーの聴き方・関わり方が悪い

カウンセラーの関わり方が悪いと、悩みや辛い体験は話せません。

これは辛い体験を話してそれを受け止めてくれなかった場合、気持ちのやり場がなくなって余計に傷つくためです。

訓練されたカウンセラーであれば、例え状況や身体の症状だけを話したとしても、その奥にあるあなたの気持ちを汲み取りながら話を聴きます。

これは、傾聴技法の共感というレッキとしたスキルで、これがないと辛い体験は非常に話しにくいです。

心理カウンセラーと接して、「この人になら話しても大丈夫」と感じられないのであれば、カウンセラーが未熟か、あなたとは合わない状態ですので、他をあたるべきです。

関連:カウンセリングを受けても効果なし、意味がないケース5つ

次に、その人の価値観が原因となって話すのが怖いケースを紹介します。人によって当てはまったり、そうでなかったりします。

3 きちんと話さないといけない思いが強い

事前にかなり考えて、人に違和感なく話せるように書いた言葉なら言える

という場合は、その人自身の「きちんとしないといけない」「きちんと話さないといけない」「完璧でなくてはならない」という価値観が原因になっている事が多いです。

この場合は、その人自身がどんな家庭環境で育ってきたか、生育歴を見ていくことでそれを紐解いていく事ができます。

ケース的には、優秀な姉や弟等の兄弟と比較される機会が多く、いつも

「もっと頑張らないといけない」「今のままの私では愛されない」

という思いを頻繁に感じている場合が多いです。

詳細:完璧主義になる原因と今すぐ出来る治し方(緩め方)5つ

4 どう思われるか?が強く気になる

話せないと今日の面談でなんだこいつ何で来たんだよと思われたと思います。
無言で気まずいことになっていたと思います。

もし↑のような思いが出て話すのが怖いとしたら、人からどう思われるか?をとても強く気にする傾向が強いといえます。

人からの評価を気にしやすく、他人の顔色を伺う機会も多いかもしれません。疲れますよね。

他人がどう思うかはコントロールできないので、好きなように思わせときましょう。また、訓練されたカウンセラーは、無言でも気まずくならない関わり方、雰囲気を作るスキルがあります。話せない時は無理に話す必要はありません。カウンセリングで、話をしようがしまいが、基本的にクライントは自由です。

カウンセリングは、言いたい事、やりたい事を我慢せざるを得ない普段の生活とは違い、自由を感じてもらうことで素の部分を見つめていく非日常の空間でもあります。

詳細:人からどう思われるか気になる、怖い時の対処法5つ

5 迷惑をかけてはいけない思いが強い

「なんだかカウンセラーに申し訳ない」という気持ちが勝って上手く話せない

という方もいらっしゃいます。

この場合知っておいて頂きたい事として、カウンセラーは悩みを抱えた方の役に立てる事に、喜びややりがいを感じているという点です。

話をすると罪悪感や自己嫌悪に陥るのは目に見えています。

のように自分の愚痴や辛い体験を話すと、カウンセラーに負担をかけたと感じ、罪悪感や自己嫌悪になるのではないかと思う人もいます。

カウンセラーに愚痴や辛い体験を話すのは、迷惑でもなんでもありません。むしろ、自分自身の心の回復のために、つらい体験を勇気を持って見つめようとしている時期だと感じられます。出来る限りその力添えになろうと、クライアントの気持ちに寄り添うのがカウンセラーの仕事です。

日本は特に「他人に迷惑をかけてはいけない」という風潮が強いです。

迷惑かけたくないからって死んじゃう人がいますけど、人って迷惑をかけるために生まれてくるんですよ、あえて言うとね。どれだけ迷惑を許しあえるかが、人と人とのつながりの深さだと思う。

関野吉晴 (探検家・人類学者)「絶望に効くクスリ vol.1」より引用

「迷惑をかけてはいけない」と感じるのは、他人を思いやる気持ちが強いからこそです。他人を大切にするように、あなた自身の思いや気持ちも大切にして、つらい時は他人を頼って良いと思います。

本当のことを言えない場合

誰かに対する怒りや憎しみなど、暴言を吐くと性格が悪いと思われるので言えないような場合は、上記のどう思われるか気になるに当てはまります。

また、弱みを出せない方もおられます。

弱みを出せない場合

つらくても大丈夫なように振る舞ったり、常に明るく人と接する方です。本人は苦しくても、辛くても無意識にそうしてしまうので、周りの人は楽ですが本人はとても辛いです。

弱みを出せないと、落ち込むことは許されませんし、辛さや悲しさ、寂しさなど本当の気持ちも出せません。理由としては育ってきた家庭環境の影響がほぼ100%です。

長男長女であれば、弟、妹がいるとしっかりしないといけない(良い子、良い人でなければならない)という思いが根付く場合があります。
また、親が何を言っても強く言い返してきて、自分の意見をほとんど言えなかった環境で育った方もいます。

幼い時から両親のグチを聞かされ続け、自分よりも他人を優先する生き方をせざるを得ない環境だと、役に立たなければ愛されないという思いが根付きます。この場合も自分よりも他人を優先する生き方が身に付いています。

弱みを出せない場合、当然本当のことも言えません。上記のような価値観が原因ですので、まずはご自身の家庭環境を振り返ってみて下さい。その上で上記の価値観を少し緩める(良い人でなければならない→良い人であった方が良い)と楽になります。
関連:自分の意見が言えない理由6つと対処法

まとめ

カウンセリングで自分の思いを話すのが怖い理由として

  1. 今は話せる心の準備が整っていない
  2. カウンセラーの聴き方が悪い
  3. きちんと話さないといけない思いが強い
  4. どう思われるか?が強く気になる
  5. 迷惑をかけてはいけない思いが強い

を紹介しました。

話すのが怖いというのは、凄く大切な感覚です。カウンセリングでは話してもいいですし、話さなくても良いです。無理に話す必要は一切ありません。

関連:カウンセリングで話す内容、話すことがないと感じる時の対処法


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  • この記事を書いた人

井上 隆裕

2004年よりプロの心理カウンセラーとして活動。2013年に独立開業。ジョイカウンセリングスクール代表。 運営者情報

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