セルフメンタルケア

人の悪口を聞くのが辛い時に楽になる方法3つ

人の悪口は聞くだけで本当に疲れますし、非常に嫌な気分になります。それを聞きたくないという感覚は、とても健全です。

そんな人からは離れる・距離を取るのが最も手早い対応法ですが、人の悪口を言うのはたいてい職場や友人、家族やご近所さんなどの身近な人で、すぐに距離を取るのが難しい場合もあります。

この記事ではそんな時に、楽になる・ストレスが軽くなる対応法を3つ紹介します。

1 相手の心理状態を理解する

人の悪口を常に言っている人の心理は、誰かを落としていないと自分を保てないためです。

いわゆる自己肯定感が低い状態で、他人の悪口を言うことで、自分の方が優れているという感覚が満たせます

この場合の自己肯定感が低い理由は様々ですが、その人自身の親も同じように他人の悪口ばかり言っていたり、その人が親からけなされてばかりで褒められた経験がほとんど無いと、どうしても同じような行動を取ってしまいます。

ですので人の悪口ばかり言っている人がいたら、

  1. その人が育ってきた背景
  2. その過程でなぜそのようになったのか

という心理状態の理解が深まると、それだけで聞く側に少し余裕が持て、その人を許容しやすくなります。
関連:自己肯定感が低い原因8つ|幼少期の親との関係、家庭環境の影響が大半

人の悪口を言う人は、一見強そうに見えますが、実はそうでもしないと自分の心が安定しないという一面があります。

2 聞き方を意識する

人の悪口を聞きたくない理由として、その人と一緒に陰口を言っている同罪になりたくない気持ちもあると思います。

あの人、嫌な人だと思わない?

等と言われると、同意しないと仲間外れにされたり、その場の空気が悪くなります。かといって同意すると、自分も陰口を言っているような状態になってしまいます。

この場合は対処法はシンプルで、同意するのではなく共感すれば同罪にはなりません。

共感とは相手の気持を汲み取って伝えることで、

そんなこと言われると腹が立つよね

など、悪口を言っている人自身の気持ちを汲み取って伝えます。

そうだね。私も嫌な人だと思う

といった同意とは全く違います。

共感で返すと、悪口を言っている人と同罪になりませんし、その場の空気も丸くなります。
詳細:共感の言葉の使い方 |相手の気持ちを汲む方法

聞く時間は区切る

上記の方法で共感しながら話を聞くのは、実はかなり集中力・エネルギーを使います。

そのためエンドレスで聞くのは避けるべきで、長くて30分、60分くらいまでにしておくとこちらの負担が軽くなります。

話を区切る時は、可能であればそこまでの話を要約し、

今日は次の予定がある(または時間が無い、しんどい)ので、また今度。

などと区切るのがベターです。
関連:要約のやり方と2つの効果

どうしてもそれがやりにくい、出来ないという方は、次のポイントを参考にしてみて下さい。

3 自己理解を深める

ここについては当てはまる場合とそうでない場合があります。当てはまらない方はスルーして下さい。

断るのが苦手な方

普段から自分はどうしたいか、どう思うかという自分優先ではなく、相手優先になっている方は、断るのが非常に苦手です。

人の悪口を聞くのが辛いという悩みは、聞きたくないけど断れないという状態でもあります。

とても優しい気持ちのために辛さが生まれていますが、自分が辛いときに断ることが出来ないと、あなた自身への負荷がとても強くなります。

この場合、頼まれたら断れない理由・心理と改善方法3ステップの記事をご参考下さい。

悪口を言う人がどうしても気になる方

陰で他人の悪口を言っている人の特徴は、怒りや妬み、他人を責める傾向が強いところです。悪口を言っている時はそれを思い切り出しています。

あなた自身の中に、

  • 怒ってはいけない
  • 妬んではいけない
  • 他人を責めてはいけない

という思いが強いけれど、実は怒りや妬みを感じている場合、どうしてもその感情を抑え込むことになります。

あなた自身は我慢して抑えているのに、人の悪口を言ってその感情を出している人と接すると

自分は我慢しているのになぜあなたはそんなことをするのか!

という思いが出て、その人自身を受け入れられず、強く気になってしまいます。

ユング心理学ではこれはシャドウ(影)と呼ばれていて、自分の中のまだ受け入れられていない・認められていない感覚のことを指します。

この場合の対処法はシンプルで、自分の中にもその人同様、怒りや妬み、他人を責めたい気持ちがあるんだなと受け入れるだけです。良い悪いは横に置いておきます。

世間一般では怒りや他責は無い方が良いイメージがありますが、嬉しい楽しいといったプラスの感情があれば、怒りや妬みなどのマイナスの感情も時に出てくるのが自然です。

自分自身のその感情が受け入れられると、それを出している他人のことも受け入れられる状態になり、必要以上に気にならなくなります。

相手の欲求を根本から満たす

この方法は可能であればでOKです。

先にお伝えした通り、人の悪口を言う人の心理は、自己肯定感が低く誰かを落としていないと自分を保てないためです。ここが満たせられると、その人が悪口を言わなくなります。その方法はシンプルで、

悪口を言っている人の自己肯定感が高まる関わり方

をすればOKです。心理学でいうプラスのストロークを意識します。

細かい点によく気がつく点を伝えたり、普段の生活で目を見て挨拶をしたり、ありがとうと伝える機会を増やしたりするだけでもOKです。

その人の良い所・出来ているところなども伝えられるとベターです。会話の中や普段の関わりで、自然な流れで伝える必要がありますが、効果は絶大です。

人の悪口を聞くとストレスが溜まる

人の悪口を聞くとそれだけで気分が悪くなりますし、なんの生産性もありません。

文句があるなら直接その人に伝わるように言えば良いですが、それが出来ない人はどうしても陰口に走ります。人の悪口を言う人は、ある意味自分の意見を相手に伝わるように言えない方でもあります。

その人からあなた自身がストレスを受けないよう、この記事で紹介したことを参考にして頂ければ幸いです。


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  • この記事を書いた人

井上 隆裕

2004年よりプロの心理カウンセラーとして活動。2013年に独立開業。ジョイカウンセリングスクール代表。 運営者情報

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