人と会って疲れやすい人もいれば、そうでない人もいます。
あまりに人と会うストレスが強いと引きこもりがちになりますし、生活する上で大なり小なり人との関わりは欠かせません。
この記事では人に会うのがしんどい、人といると疲れる心理学的な理由と、その対処法を7つ解説します。上から多いケース順に紹介しますが、1つだけの場合もあれば複数該当する場合もあります。
目次
1 常に明るく元気に振る舞う
たとえ落ち込んでいても、辛い状態でも、常に明るく元気に振る舞うと、どうしても疲れます。
世間の風潮として、前向きで明るいのは良い事、後ろ向きで消極的なのは良くない事という雰囲気があります。
もちろん人間関係を円滑にする上で明るい人が好まれるのは間違いありませんが、人であれば時に落ち込んだり、暗くなるときもあります。
特に完璧主義傾向が強いと、明るく元気な自分はOKで、落ち込んでいる自分、暗い自分はダメだという思いが無意識に働きやすいです。
この思いが強いと、落ち込んでいる状態・暗い状態の自分を否定する結果になり、落ち込んでいる時はそれだけで辛いのに加え、その状態の自分を否定する辛さが二重でかかって苦しくなります。
これを改善するためには、
- 人であれば明るい時もあれば暗い時もある
- 人であれば前向きになれる時もあれば、後ろ向きで消極的な時もある
と、明るく元気でない自分自身を受け入れるようにしていけばグンと楽になります。
特に幼少期に親のしつけが厳しかったり、親に素直に甘えられなかったりすると、無意識にしっかりしなければならない思いが根付いて、そうでない自分を否定して苦しくなることがあります。
また、人に合わせて自分を抑える傾向が強いと、どうしても疲れます。
2 人に合わせる傾向が強い、他人に気を使いやすい
無意識に自分よりも他人を優先したり、自分がどう思うかよりも他人がどう思うかが気になりやすい人もいます。
人に合わせる傾向が強いと、自分の希望は常に後回しにしたり、自分が言いたいことも抑え込みやすいのでどうしても疲れます。
人に合わせやすいかどうかは、エゴグラム心理テストをやると一目瞭然で、この傾向がある方はACの要素(自分の中の順応する部分)が高いです。
AC(人に合わせる部分)を下げる方法についても上記リンク先にて解説してます。自分はどう思うか、どうしたいかを意識し、自分の希望(ああしたい、こうしたい、これが食べたい等)を口に出すようにしたり、自分の考えや意見を言うようにするのが基本です。
ワガママを言っても愛される人に近づけば、人といる時の疲れは大きく変わります。
3 人からどう思われるかが強く気になる
特に人間関係を重視している方が、人からどう思われるかを気にしやすいです。
ここが強く気になると、エネルギーを大きく使う結果になるので疲れます。例えば仕事をしながら「上司から怒られはしないか」という不安感を常に持ち続けて働いている感じになりますので、疲れます。
これをクリアにするベストな方法は、人がどう思うかは自分ではどうにもできないので放っておいて、目の前の必要な仕事に手を付けることです。
詳細は人からどう思われるか気になる、怖い時の対処法6つの記事をご参照下さい。
また、人の頼みを断るのが苦手で、仕事を抱え込んで疲れる人もいます。
4 人に頼るのが苦手で仕事を抱え込みやすい
仕事を自分一人で抱え込みやすい、他人に振れない、どうしても他人に頼れない・甘えられないと非常に疲れます。
このケースも本人に無意識に根付いている価値観が原因です。
5 関係性が浅い人とは疲れて当然
初対面の人やあまり仲良くない人と会うと、どうしても疲れますし気を使います。
この場合の疲れる理由はシンプルで、よくわからない人・自分の事を理解してくれていない人と会うと緊張しやすいためです。場所も同じで初めての場所は緊張します。
緊張感は疲れの大きな理由で、緊張すると鼓動は早くなりますし、身体に力も入りますし、汗もかきます。
ただ、初対面の人と会っても緊張しやすい人もいれば、そうでない人もいます。
人と会う緊張感を軽くするために
実は私自身以前は人と会うと緊張しやすく、特に電車やバスなどの公共の場に出ると緊張感が強く、疲れやすい方でした。
これは私自身ほとんど公共の交通機関を使う必要が無い場所で育ったため、シンプルに慣れていなかった点が大きかったです。
同様に初対面の人と接することに慣れていないと疲れやすいです。人との関わり方に苦手意識がある方は、コミュニケーションスキルを高めれば問題は解決します。
コミュニケーションは話す事も大切ですが、それよりも聞くスキルが大切です。私の場合傾聴のスキルを身に付けてから人と会う時の緊張感はグンと楽になりました。
詳細:傾聴とは|意味と効果、方法を動画付きでプロが解説
傾聴は非常にシンプルで、例えば
- 相手が好きな事を聞く
- 相手が言ったことをオウム返しする
- それについてより深める質問をする
と楽に関われます。漫画が好きと言われたら、「漫画が好きなんですね!」と返した上で、「どんな漫画が好きなんですか?」と聞く感じです。好きな漫画を答えてくれたらさらにそれをオウム返しし、その漫画のどんなところが好きかを聞くのもOKです。
傾聴についてはほとんどのカウンセリングスクールで習います。こちらからお近くのスクールの資料を無料で取り寄せられますので、関心のある方は是非どうぞ。
また、不快なコミュニケーションが多いと必然的に疲れます。
6 無意識のうちに不快なコミュニケーションパターンになっている
人といると疲れる理由として、緊張や行動パターン以外に、シンプルに不快なコミュニケーションのパターンにハマっているケースがあります。
これは心理学的にはTA交流分析の中の、ゲーム分析と言われるプログラムとして立されています。
人であれば必ず仕掛けられたり仕掛けたりする可能性のあるコミュニケーションで、なぜかいつも目の上のタンコブのように注意されたり、不毛な堂々巡りになるパターンがあります。
様々なパターンがありますので、詳細はゲーム分析とは|不快なコミュニケーションのパターンを掴み、変える心理学の記事をご参照下さい。
7 嫌な人と接する必要がある
これは疲れます。。。特に会社で働いていると、嫌な上司や顧客は残念ですが選べません。ご近所さんが嫌な人であっても、そう簡単には引っ越せません。
対処法は関係性を作ろうと無理に頑張るのではなく、必要最低限の関わりに留めて距離を取るのが手っ取り早いです。挨拶や仕事をする上での確認、質問は欠かせませんが、嫌いな人と無理に接する必要は一切ありません。
その人がマウンティングを取ってくるタイプであれば、マウンティングを取ってくる心理学的な理由と根本的な対処法2つの記事をご参照下さい。
まとめ
人といると疲れる理由と対策として
- 常に明るく元気に振る舞ってしまう
- 人に合わせる傾向が強い、他人に気を使いやすい
- 人からどう思われるかが気になりやすい
- 人に頼るのが苦手で仕事を抱え込みやすい
- 関係性が浅い人とは疲れて当然
(人と会う緊張感が強い) - 無意識のうちに不快なコミュニケーションパターンになっている
- 嫌な人と接する必要がある
を紹介しました。
HSP(他人よりも繊細な方)の方は、繊細な分どうしても疲れやすいですが、上記がクリアだと楽になりますので該当していないかどうか確認してみて下さい。