カウンセリングは心理カウンセラーとの心の問題解決のための会話ですが、その効果は非常に幅広いです。
効果が得られるまでの期間には個人差があり、1回90分程度のカウンセリングで大きく変わる人もいれば、カウンセリングのゴールまで、2年3年とかかる場合もあります。
この記事では、カウンセリングで得られる効果・メリットと、効果が出やすい人と出にくい人の違いについて解説します。
目次
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1 話す事で得られる心の安定感
心理カウンセラーの聞き方は傾聴と言われていて、受け止めてもらえた、わかってもらえたと感じてもらえる関わり方です。
カウンセラーはただ受け身で聴くわけではなく、受容的に相談者を受け止める姿勢で聴きます。
受容は決して相手を否定したり評価しない関わり方なので、誰しも持っている自分のことをわかって欲しい・認めて欲しいという承認欲求が満たされます。
特に辛い体験は、普段関わりがある人には話しにくいものです。自分の事をしっかりとわかってくれている人が1人でもいると、心の安定感はグンと高まります。
2 自己肯定感が高まる
カウンセリングの目的として自己肯定感を高めてもらう(自分の事を好きになってもらう)ケースは非常に多いです。
特に自殺願望がある場合、自己否定感(自分をダメだと思う感覚)が非常に高く、ここがカウンセリングで和らぐと、圧倒的に生きやすくなります。
また、自己肯定感が高まると自分に不自然にダメ出しする回数が大きく減ります。
例えば、前向きで積極的な自分は良い!という思いの強さから、消極的な自分や受け身な自分はダメ・・・と無意識のうちに捉えてしまっている事があります。
受け身な部分は誰にでもあるものですが、そんな自分を否定する考え方だと苦しいです。
カウンセリングではこういった無意識のうちに持っている自分の考え方や価値観のクセに気付くことができ、様々な状態の自分を受け入れていく(自己肯定感を高めていく)ことが出来ます。
上記の例であれば、受け身の自分にOKが出せるとシンプルに生きやすいですし、同じような受け身の人に対してもやさしくなれるので、人間関係が良くなるメリットもあります。
また、うつ病やパニック障害などの日常生活に支障をきたすような症状がある場合も、カウンセリングでクリアになります。
3 問題行動をクリアに出来る
カウンセリングで扱う心の問題行動は幅広く、うつやパニック障害、自律神経失調症、強迫神経症などの~症とつく各種症状から、やめようやめようと思うけれども中々やめられない事など様々です。
問題行動をクリアにするためには傾聴だけでは難しく、認知行動療法や森田療法など、様々な心理療法・心理学が活用されることが多いです。
以下のような苦しい状態も改善できます。
3-1 感情の起伏を整える
感情の起伏とは、テンションが妙に高い元気な時と、激しく落ち込む時の落差のことです。
躁鬱病が代表的ですが、テンションが高くとも、低くとも(落ち込んだ状態)、どちらも体力を使って疲れます。
自律神経のバランスが崩れているのもその原因の1つですが、カウンセリングでは不自然な感情の起伏をニュートラルに戻し、心を整えていくことができます。
3-2 過剰な心配性をやわらげる
心配性が激しくなると、お子さんや配偶者の事が気になって仕事や家事どころではなくなったり、ガスの元栓やカギを閉めたかどうかが気になって、いてもたってもいられなくなります。問題解決のためには、森田療法が使われる事が多いです。
3-3 過食・拒食をクリアにする
特に拒食は親とのコミュニケーションが原因の場合が多いです。問題解決に数年かかるケースもありますが、回復した後は社会的に大きく活躍される方も多いです。
特定の症状で困っている人だけでなく、一般的な人が抱えやすい心の問題もカウンセリングで解消出来ます。
4 ストレスと適切に付き合えるようになる
ストレスの原因は人によって様々です。詳細を解説します。
4-1 コミュニケーション力が高まる
問題になりやすいのは、職場や親子間、恋人とのコミュニケーションです。
不快なコミュニケーションのパターンは、心理学的にはゲーム分析として確立されています。
自分自身の行動パターンを掴んだり、自分が望む状態に変化させる方法として、TAエゴグラムはカウンセリングに限らず幅広く使われています。
4-2 不眠が改善される
不眠の原因は様々ですが、緊張状態が続くためになる事が多いです。
リラックスするためのスキルを高めたり、緊張と適切に付き合えるようになるのもカウンセリングで得られる効果の1つです。
4-3 人生で繰り返し起きている問題を改善出来る
恋愛でいつも同じような別れ方をしてしまったり、いつも同じような仕事の辞め方をしてしまったり、変な人生のパターンを繰り返してしまうケースがあります。
なぜそのパターンにハマるのか、カウンセリングで自己理解を深めることでクリアに出来ます。
詳細:人生脚本とは|効率的に書き換える方法を心理学を通して解説
5 依存をやめられる
ネット依存や買い物依存など、様々な依存がありますが、1番多いのは人への依存、共依存です。助ける側も、助けられる側もお互いがダメになっていくのが共依存の特徴です。
詳細:共依存の仕組みと劇的に克服する3つの方法
依存症の中でもアルコール依存症は命に大きく関わってきますので、専門の施設でドクターと共に解決していくのが1番です。
6 自分の本音の部分が見えてくる
カウンセラーとの会話や各種心理療法を通して、心の深い部分を知ることが出来ます。
例えば今までの家庭環境(生育歴)で、親のグチの聞き役にならざるを得なかった体験があると、自分の気持ちは抑え込んで人の役に立たなければならないという思いが無意識のうちに根付くことがあります。
そうなると無意識のうちに自分はどうしたいか?どう感じるか?ではなく、他人の事を優先してしまいます。
何度もそれが繰り返されるうちに、自分は何がしたいのか?何を本当に望んでいるのか?が見えなくなってくることも。
カウンセリングで自分の事をゆっくりと振り返るうちに、なぜその出来事が悩みになるのか?が見えてきたり、その原因が浮き上がってきたりします。
特に、心に残っている過去のトラウマがクリアに出来ると、心にスペースが生まれて、新しい目標、やりたい事を探すモチベーションも湧き上がってきます。
自分自身が本当に望んでいる事を掴めたり、未来の自分をイメージ出来るのもカウンセリングのメリットです。未来の自分を描く場合には、コラージュ療法が使われる事が多いです。
カウンセリングの効果が出やすい人、出にくい人の違い
出やすい、出にくいで優劣があるわけではなく、あくまで性質の違いです。
自分の内面を見つめている人は効果が出るのが早い
これは、自分自身は本当はどう感じているのか?最も辛い事はどんなことなのか?その時はどんな気持ちなのか?どんな状態が幸せと感じているのか?という内面を見つめれば見つめるほど、カウンセリングのゴールに近づくからです。
そのため、感覚が繊細な人、感受性が強い人は効果が出るのが早いです。ただ、「内面を見つめる」のは慣れる一面もあり、カウンセリングの回数を重ねるとそれが進んでいく事が多いです。
逆に、感覚を止めている人、辛い、寂しい、苦しいといった感情をあまり感じないようにしている人はどうしても効果が出るのがゆっくりになります。
効果が出るのがゆっくりのケース
悩みやトラウマが深いほど、効果が出るのはゆっくりになりやすいです。というのも、悩みやトラウマが深いほど、「感じる気持ち」を無意識のうちに強く止めるからです。
まともに感じると苦しすぎる、辛すぎて生きていけない・生活できないので、そんな時は無意識のうちに「何も感じない」ようにして生活できるようにします。
ただ、一定期間はそれでなんとかなりますが、「何も感じない」ようにしても、辛さや怒りは存在してますので、心にどんどんそれが溜まっていきます。さらに、それがどれだけ溜まっているかもわかりません。
それが溢れてくると、感情のコントロールがきかなくなったり、涙が勝手に出てきたり、過呼吸や動悸などの自律神経失調症の症状が身体に現れてきたりします。
「何も感じない」期間が長いと、それを溶かすのにどうしても時間が掛かる場合が多いです。急に溶かすと心が壊れてしまいますので、そんな時はじっくりと取り組んでいく必要があります。
まとめ
悩んでいる時には混乱している事も多いですが、カウンセリングで傾聴される事で自分の状況が整理できます。その結果どうすべきかを自分自身で掴める場合もあります。
心の問題解決のためには、自分自身は本当はどう感じているのか?という自分の感情をどのくらい見れているかがキーになる事が多いです。
「自分の心にどれだけ触れられているか」ですが、これは慣れも大きいです。心理学やカウンセリングをスクールで学んでいる方がカウンセリングを受けると、少ない回数で問題解決できる事が多いですが、これは学ぶ過程で自然と自分自身の心を見つめる機会が多くなるからです。
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カウンセリングは今までの自分自身の生き方を見直せる良い機会で、そこで得られるものは今の自分や、未来の自分の財産でもあると思います。
ただし、本人が何とかしたい!という思いが無い限り、いくら優秀なカウンセラーにかかろうと、上記のような効果を得るのは難しいです。