TA交流分析

エゴグラムでACが高い人の特徴とストレス|下げたい場合の対策6つ

様々なタイプのACが高いエゴグラム

エゴグラムのAC(Adapted Child)は適応力、順応性を表す要素のため、他の要素と比べて高いとストレスが強いケースが多いです。そのためAC優位型や、満点だったりすると、「自分には何か問題があるのではないか?」と気になりやすいです。

しかし「ACが高い=悪い」わけではありません。私自身心理セミナーを開催すると、ACが満点の方もかなりの頻度で見かけます。

ACの高さは、その場の雰囲気を読み取る力や、協調性の高さでもあります。
改善すると楽になるケースは

  • ACの高さが原因で、現在何らかのストレスが強い場合
  • 無意識に相手を優先し、自分がどう思っているか、どうしたいかが見えなくなる場合

です。この記事では、エゴグラムでACが高い人の特徴と強み、抱えやすいストレス、適職などについて解説します。

ACが高い人の特徴|満点に近いほど順応性が高い

前提としてエゴグラムで20点満点の場合、13~20点の間だと高いと分類されます。

ACが高い人の特徴は、他人に合わせる傾向が強く・適応力が高い点です。満点に近づくほどこの傾向が強くなります。

これは強みにもなりますし、人によってはストレスの起点にもなります。詳細を解説します。

ACが高い人の強み3つ

1 適応力が高く、新しい環境になじみやすい

ACは、Adapted childの略ですが、Adaptは適応するという意味です。

この適応力がACが高い人の非常に大きな強みで、ある意味生きるエネルギーの強さでもあります。

というのも、人は大人になって力がつけば自分の環境を選べますが、幼少期はどうしても家庭環境は自分では選べません。その環境で生きるため、適応するために必要な力を身に付けてきた結果、ACが高くなっている方は多いです。

適応力が高いと

  • 職場や学校などのルールや人間関係を読み取り、うまくなじむ力がある
  • 相手や集団の期待に、自分を合わせる能力が高い

という特徴があるため、組織には絶対に欠かせないタイプです。

2 協調性が高い

ACが高い人は、チームや家族・友人の中で、人間関係の潤滑油的な役割を果たせます。そのためどんな組織に入っても、うまく立ち回れる性質があります。

というのもACが高い方は、周囲の意見や状況を観察しながら行動するのが得意です。そのため集団の中で自分の役割を理解し、他の人と歩調を合わせることが苦になりません。

自分のやり方に固執せず、必要に応じて相手に合わせられるため、協調性が非常に高いです。

3 相手への配慮ができる

ACが高いと、相手の表情、声の調子、態度などから気持ちを読み取り、相手が不快にならないように行動できます。

  • 「これを言ったら傷つくかもしれない」
  • 「今は声をかけない方がよさそうだ」
  • 「相手が困らないように準備しておこう」

等、相手の立場を想像しながら行動できるのは、ACが高い人の強みです。

ACが高い人が抱えやすいストレス

ACが高くても本人が辛くない、ストレスは無いということであれば、その方の個性・特徴ですので、それを変える必要は一切ありません。特にエゴグラム心理テストの理想と現実を両方やってみて、ACの差がほぼ無いのであれば全く問題ありません。

ただし次のいずれかの傾向がある場合、何らかの対策をとると生きやすくなります。

  • 相手を優先するあまり、仕事を抱えやすい(仕事を断れない、他人に振れない)
  • 身近な人にして欲しいこと、して欲しくないことを伝えるのが苦手
  • 自分にも他人にもダメ出しをすることが多く、怒りやイライラを溜め込みがち
  • 人と会った後に強く疲れる
  • 自分がどう思っているか、どう感じているかがわからない

ACが高いと一律に上記のストレスが出るわけではなく、グラフパターン毎にストレスが異なります。

ACの高さがストレスになるグラフパターン7つ

AC優位型、N型Ⅱ、N型Ⅲ

AC優位型、N型Ⅱ、N型Ⅲに共通しているのは、FCが低くACが高い点です。

両者の差が開けば開くほど、自分の言いたい事は抑え、他人を優先する行動パターンになります。特にN型Ⅱは、それに加えNP(母親的な優しさ)が加わるため、仕事を抱えやすくなります

これを改善するためには、理論的には自分の意見を伝えられる要素のFCやCPを高めることですが、それがスッとできれば苦労しないと思います。
N型になる理由を知り、根本的な部分を見ていくと相手も自分も大切にできます。

W型、V型、U型

W型、V型、U型のグラフパターンは、ストレスがかなり強めです。というのも上記のFCが低くACが高い(自分の意見を言うのが苦手)点に加え、CPの高さがあるためです。

CPの高さが加わると、他人の行動に対して「それは止めたほうがいい、こうした方がいい」という思いが出る頻度が高くなります。つまりAC優位型、N型よりもさらに言いたいことを抑える傾向が強くなります。

また、自分にも他人にもダメ出しをすることが多く、イライラを溜め込みがちです。

改善方法は、NPまたはFCを上げることですが、仕事でのストレスが強い場合、NPを上げるのがおすすめです。他人が失敗したときはイラッとすると思いますが、「そうなった理由が何かあったのではないか?」と思いやるだけで相手も自分も楽になります。

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理想と現実でACの差が8以上

理想と現実でACの差がある型

理想と現実でACの差が大きいということは、「本音では人に合わせたくないが、気がつけば合わせている」ということがグラフに現れています。いわゆる無理をしているため、ストレスは高くなります。特に人と会った後は、強く疲れる傾向が出ます。

この場合のACの高さは本人の性質・性格的なものではなく、後天的に身に付いた(身に付けた)ものといえます。

このグラフパターンの方は、心理セミナーを実施すると体感的に10人に2人くらいの割合で比較的多く見ます。

対策はとなりの要素のFCまたはCPを上げることですが、FCを上げるほうが簡単です。パフェ等が食べたいと思ったらそれを行動に移すといったシンプルなもので、自分の欲求や思いを大切にするよう意識します。

要注意ポイント

ACが高い方の中には、常に他人の思いを優先するあまり、自分がどう思っているか、どう感じているかがわからなくなる場合があります。

この場合、人の頼みを断れないのはもちろんですが、自分が生きている実感が弱くなります。何より自分の思いがわからないのは、怖いです。FCも高めようがありません。

原因は無意識に根付いている価値観で、まずは自己理解を深める必要があります。詳細、改善方法などは↓の記事をご参照ください。
頼まれたら断れない理由・心理と改善方法3ステップ

ACを下げたい場合の改善方法6つ

ACを下げたい場合、隣の要素のFC(Free child 自由な子どもの要素)、またはCP(Critical Parents 厳格な父親的要素)を高めると自然と下がります。

ポイントは、ACを下げようと意識しないことです。高い要素は個性でもあるため、下げようとすると自己否定につながって落ち込みます。

CPを上げるよりもFCを上げるほうが難易度が低いため、まずはFCを意識してみてください。現状の他人優先の行動パターンに、バランスの良さが加わります。やりやすい方法を6つ紹介します。

1 自分にとっての心地良さを大切にする

特にACが高く、FCが低い方は楽しむのが苦手です。楽しいことがわからないケースもあります。

そんな時は「心地良いこと」を意識し、ご自身にご褒美を上げる感覚を増やしてみてください。

  • 食べたいものを選ぶ
  • 好きな音楽を聴く
  • 一人で好きな場所に行く
  • 手触りの心地良いタオルを選ぶ
  • 興味のあることを試す

誰かの役に立つことではなく、自分自身が心地よいと感じることを大切にする行動パターンを増やします。

人生でいちばん大切なのは「自分にとって心地よさを感じること。」
(チェリスト、ヨーヨー・マの言葉)

関連:楽しいことがわからない原因、心理と対処法5ステップ

2 自分の欲求を意識する

自分の欲求を伝えられるようになればベストですが、その前に「自分はどうしたいか・どう思っているか」を掴む必要があります。日常生活で人と関わった時など、次のような感じで自分の欲求を意識してみてください。

  • 今日は和食が食べたい
  • 私は午前中の方が都合がよい
  • 今日は家庭の都合で残業が難しい
  • 少し考えてから返事をしたい

いきなり伝える必要はなく、まずは意識するだけで大きな一歩です。そのために次の方法が有効です。

3 日記をつける

日記の良い点は、今日の出来事や、やったことの振り返りだけでもOKで、「自分が思ったこと」よりも書きやすい点です。出来事を振り返っているうちに、その時にどう思ったか?もイメージしやすくなります。

日記は自由なものですので、「歩道を歩いていて、道は広かったのに相手がなぜか自分の進路に近づいてきてムカついた」などでOKです。

一日の終わりに、主に次の点を振り返って日記に書いてみてください。分量も自由ですので、1行2行でもかまいません。

  • 今日あったこと、やったこと
  • どの場面で疲れたか
  • 何に腹が立ったか
  • どの場面で無理をしたか
  • 本当はどうしたかったか
  • 今日は何がうれしかったか

日記には上記のようなFCを高める効果(自分の感情を意識する)と、CPを高める効果(自分が決めたことを実行する)があり、一石二鳥です。

4 やりたくない・出来ないことを明確にする

「やりたいこと」も大切ですが、それよりも「やりたくないこと」の方がイメージしやすいです。

やりたくないことを明確にすると、何をされると嫌なのか、どこまでなら引き受けられるのかも明確になり、嫌なことを断りやすくなります。

  • 休日の仕事は原則引き受けない
  • 夜遅い連絡には翌日対応する
  • 金銭の貸し借りはしない
  • 疲れている日は誘いを断る
  • グチを聞くのは30分までにする

ACが高い人の行動パターンは、「相手に合わせる」ですが、それでしんどい場合、上記のような自分の行動指針を決めておくと惑わされずに済みます。

5 気が進まない場合、一旦保留にする

何かに誘われたり、たのみごとをされて気が進まない場合、断るのは相手に悪い感じがあると思います。引き受ける時に何か嫌な感覚がある場合、一旦保留にしてみてください。

  • 「予定を確認してから返事します」
  • 「少し考えさせてください」
  • 「今日中に回答します」

など、落ち着いて考えてみると、自分の負担や気持ちを確認する余裕が生まれます。

一旦保留にすることで、「嫌なことを避ける」行動パターンを加えやすくなります。

6 断る理由はシンプルでOK

断ることに罪悪感があると、相手を納得させるために理由をしっかりと説明したくなることがあります。そうなると労力も使いますし、色々と考える面倒さも出ます。

  • 今回は難しいです
  • その日は予定があります
  • 手持ちの仕事がいっぱいで無理です

断るのはそれだけで一定のエネルギーを使いますので、シンプルに伝えることを心がければOKです。

ACが高い人の適職、職業について

ACが高い方は、特に周囲との調和が求められる仕事が向いています。

公務員(総合職)、事務、医療、福祉、教育、接客、カスタマーサポート、秘書業務

などでACの良さが生かされます。次のような場面でACの良さを発揮しやすいです。

  • 決められた手順を正確に行う仕事
  • 周囲との連携が必要な仕事
  • 相手への細かな配慮が求められる仕事
  • サポートや調整を行う仕事
  • 地道な継続性が求められる仕事

上司や組織の方針を理解し、求められている役割を忠実に果たせるのが強みです。

逆に向いていないのは、独立開業、企画・開発系、インフルエンサー等のクリエィティブさ(創造性)が求められる仕事です。これは良い悪いではなく、向き不向きの適性です。

ただし、適職はACの数値だけで決まるものではなく、他の自我状態、能力、経験、価値観、職場環境なども含めて考える必要があります。

まとめ|ACの高さはエネルギーの強さ

ACが高いとストレスを感じやすいため、エゴグラムの5つの要素の中で最もマイナスイメージが強い要素だと感じます。

元々の性質的にACが高く、ストレスが弱いのであれば、何の問題もありません。

理想と現実でACの差がある方は、後天的にACを身に付けた(身に付いた)方ですが、ACの高さは適応力の高さ、生きるエネルギーの強さでもあります。あなたの今までの行動や関わりで助かった・救われた人も多いと思います。

ACが高くてストレスが強い・違和感がある場合は、本記事が参考になれば幸いです。

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  • この記事を書いた人

井上 隆裕

2004年よりプロの心理カウンセラーとして活動。2013年に独立開業。ジョイカウンセリングスクール代表。 運営者情報

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