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エゴグラムN型Ⅰ、Ⅱ、Ⅲの特徴と恋愛傾向、適職、相性と改善方法

エゴグラムN型Ⅰ、Ⅱ、Ⅲの図

エゴグラムN型は合計3タイプあり、共通の特徴は自分よりも他人を優先し、人間関係を大切にする点です。

当サイトで心理テストを実施して頂いた方では、N型の方が最も多いです。(パターンページの中でこのページへのアクセスが最多)

東大式エゴグラム(TEG)では次の3つに分類されています。

  • N型Ⅰ(A低位、FCやや優位)
  • N型Ⅱ(Aやや優位)
  • N型Ⅲ(A優位)

3タイプとも誰に対してもやさしく、悩んでいる人の話を聞くのも得意で思いやりも非常に強いため、人間関係は良好です。N型の周りの人は楽ですが、本人はストレスをためやすいです。

その大きな理由は自分を抑え込む傾向が強いためです。自分がどう思うか、どうしたいか、やりたい事などを無意識に抑え込み、他人に合わせる傾向が強いです。

そのため無理な残業を頼まれてもノーと言えなかったり、人に頼るのが苦手なため、仕事を抱えすぎても他人に甘えられない、仕事を断りきれずストレスを抱えやすいです。

この記事ではエゴグラムN型Ⅰ、Ⅱ、Ⅲの特徴と、改善したい場合のポイント等を解説します。

関連:エゴグラムを使った相性判断|合う人合わない人がわかります

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N型になる理由の1つ

特にN型Ⅰ、Ⅱの方に多いのは、良い人であるべき、役に立たなければならないという思いが無意識のうちに根付いているパターンです。

この思いがあると、自分を後回しにしたり、自分の希望や思いを押し殺し、他人をとにかく優先する、自分がどう思うかよりも他人がどう思うかを重視する傾向があります。

このような価値観が根付く理由として、その方の生育歴(育ってきた家庭環境)が大きく関係しています。

共通しているのは、幼い時期に親に甘えられなかったケースです。甘えられなかった理由は様々で、幼い時に親のグチを聞かざるを得なかったり、妹・弟がいて、親が大変そうだとどうしても素直に甘えにくくなります。

また、親のしつけが非常に厳しく、何を言っても言い返されてこちらの話を聞いてくれない場合、必然的にわがままが許されず、自己主張する経験が非常に少なくなるため、N型になる場合があります。

N型の各タイプ毎の特徴を解説します。

エゴグラムN型Ⅰ、Ⅱ、Ⅲの図

N型Ⅰの特徴

N型Ⅰの図

N型Ⅰは、NPとACが高く(13以上)、CPとAが低い(7以下)パターンです。

N型の中でも最も優しいタイプで、頼まれた仕事はすべて引き受けてくれます。周りの人はとても助かりますが、N型の中でも断るのが最も苦手なタイプで、仕事を抱えすぎて過労になりやすいです。

N型Ⅰがノーと言えない大きな理由は、NP・ACの高さとCP・Aの低さが関係しています。

CPが低いため自己主張が苦手なのはN型Ⅱ、Ⅲと同様ですが、加えてAが低いため、これを引き受けたら自分がどうなるかを考えるのが苦手です。さらにNPが高いため自分が苦しくても仕事を引き受け、様々な仕事を抱えていても人に頼めない傾向があります。

N型Ⅰのプラスα

改善方法は、Aの要素を高めればOKです。頼み事を引き受ける時に、引き受けた場合自分はどうなるかを予測したり、自分が仕事を抱えすぎていると感じたら他人にそれを振れないか考えてみます。詳細:エゴグラムAの高め方

どうしても自分よりも他人を優先する傾向があれば、あなたが育ってきた過程で無意識に根付いている価値観が根本原因です。(幼い時期に甘えられない状況が続くと、自分の本音を抑え込む傾向は強いです。)

関連:人生脚本とは|効率的に書き換える方法を心理学を通して解説

N型Ⅱの特徴

N型Ⅱの図

N型ⅡはNPとACが高く(13以上)、CPとFCが低い(7以下)パターンです。

Aもやや高めのため仕事が出来るタイプで、大きな特徴はとにかく他人のために動く点です。

職場でも家庭でも同様で、人に尽くすことに喜びを感じます。非常に親切ですが、自分のことはそっちのけで尽くす傾向があります。他人が何を求めているかには非常に敏感ですが、自分が好きなことや食べたいものは放置して他人のために動くタイプです。

CPとFCが低いため自己主張が苦手で頼まれたら断れず、なおかつAが高めで仕事を頼まれやすく、どんどん仕事を抱えてオーバーワークになる傾向があります。

人間関係では頼られるを超えて依存されやすく、共依存の関係になることがあります。
詳細:依存されやすい人の特徴・心理と依存された場合の対応法3つ

N型Ⅱのプラスα

FCを高めて自分が楽しいと感じることを増やすのがセオリーですが、あまりに他人を優先する生き方を続けていると自分がどう思っているか、どうしたいかがわからなくなる場合も多いです。

その場合はまずN型になる理由を振り返ってみて下さい。その上で他人を大切にするように、ご自身の思いや希望も同様に大切にすると生きやすくなります。
関連:エゴグラムFCの高め方

N型Ⅲの特徴

N型Ⅲの図

N型ⅢはAとACが高く(13以上)、CPとFCが低い(7以下)タイプです。

エゴグラム創始者のデュセイは働き者と名付けており、静かにコツコツ仕事に励むタイプです。Aが高いため仕事の生産性が非常に高く、ノウハウはすぐ自分のものに出来ます。

CP・FCが低いため自己主張はせず、イエスマンで上司に反発することはありません。

AとACが高いため不安感が人一倍強く、人からどう思われるかが気になるタイプです。「~すれば●●さんからどう思われるだろうか?」等と何度も考えて疲れます。
詳細:人からどう思われるか気になる、怖い時の対処法6つ

また自分がどう感じているかを掴むのが苦手なため、疲れていても仕事に励んで過労に繋がる傾向があります。

N型Ⅲのプラスα

N型Ⅲのネックは、自己主張が苦手な点です。Aが高く仕事が出来るタイプのため頼み事をされやすく、断るのが苦手です。

また、私はこう思う、こう感じる、こうした方が良いと思うという意見を伝えるのが苦手なため、どうしてもストレスを抱えやすいです。Aが高いため色々と考える点・思う所はあるのですが、自分の思いを主張するのが苦手です。

これを改善するにはCPを高めればOKです。
詳細:エゴグラムCPの高め方

N型の恋愛について

N型Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ共通して人当たりが良く、他人への思いやりも強いため惚れられやすく、比較的モテる人が多いです。

恋愛当初は良い関係が続きますが、だんだん関係性が深くなると

N型の人が我慢に我慢を重ねた結果、ブチ切れて破局する。
→新しい恋人が出来る→同様に我慢を重ねた結果、爆発する。

というループを繰り返す場合があります。

これはN型の特徴として、自分を押し殺し、ちょっとした希望を言うのが苦手でフラストレーションをためやすいためです。

関係性がそれほど深くない職場の人などであれば何とかなるのですが、関係性が近い恋人や家族には爆発しやすいです。

根本的に改善するには、なぜ自分よりも他人を優先する思考のクセがあるのか、ご自身が育ってきた環境を振り返ってみて、

  • 役に立たなければならない
  • 良い人でないといけない
  • 自分の希望よりも他人の希望を優先すべき

といった思いがあれば、それを少し緩める(役に立った方が良い、良い人であった方が良い)と良いです。その上で他人の思いだけでなく、自分の思いも大切にするように意識していけばOKです。

関連:人生脚本とは|効率的に書き換える方法を心理学を通して解説

N型の適職について

N型Ⅰ、Ⅱの場合

N型Ⅰ、Ⅱの人に向いている仕事は、医療系の人を支援する仕事、他人のお世話に関する仕事です。

医師、看護師、介護士、理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士、保育士、養護教諭、心理カウンセラー

にはNP(やさしい母親的な要素)が高い人が実際に多いです。
関連:OT(作業療法士)とPT(理学療法士)の違い

支援される側が助かるのはもちろん、N型の方がやりがいを強く感じられるのが上記の職種です。困った人を放っておけない、悩みを抱えた人に寄り添える力が高いというN型の特性が最大限活かされます。

N型Ⅲの場合

N型Ⅲの方の適職は、正確さが求められる事務系です。Aが高いため論理的、効率的に考えるのが得意で何でも卒なくこなしますが、仕事を抱えやすい面があるため、ワークライフバランスに気を配ってくれている会社だとより働きやすいです。

N型との相性について

N型と相性が良いタイプ

N型の方ともっとも相性が良いタイプは、M型です。

M型のエゴグラム

N型には無い、わがままを言いつつも愛されるという特性があり、自分だけでなく他人を大切にするバランス感覚の良さがあるため、居心地の良い相手です。

また、あなたが我慢しているかどうかにも注意を配ってくれるやさしさがあるため、思っている事や希望も言いやすいです。
詳細:エゴグラムM型の特徴と適職、相性、恋愛傾向

N型と相性が悪いタイプ

N型と相性が悪いのは、逆N型です。

逆N型のエゴグラム

実行力があり、やりたい事を追求して他人よりも自分を優先するというN型には無いものを持っているため魅力を感じやすいのですが、一緒にいてだんだんしんどくなる傾向があります。

というのも逆N型は我が道を行くタイプでNPがそれほど高くないため、我慢しやすいあなたの状態を思いやる、あなたに合わせる点が弱く、あなたが振り回されやすい相手です。

お互いに無いものを持っているので一見バランスが取れているように見えるのですが、N型が我慢し続けなければならない相手です。

関連:エゴグラム逆N型Ⅰ、Ⅱ、Ⅲの特徴と適職

まとめ

N型の自分よりも他人を優先する行動パターンは、ある意味今までの環境で生きていくために必要があって身に付けたものです。

子供時代は誰しも無力で、生きるためにも親から愛される必要があります。ただこの行動パターンは、大人になって成長するにつれ、自分を抑えてストレスを抱えやすい一面もあります。

この行動パターンを変えたい場合、N型の特性であるNPやACの高さを下げる必要はありません。他人を大切にするように、ご自身の思いや希望も同様に大切にすると生きやすくなります。

N型の人のやさしさや思いやりで今まで助かった人は、非常に多いと思います。悩みを抱えた人に寄り添える力が高いのがN型の特徴です。

今の行動パターンを変えたい気持ちがないのでしたら変える必要は一切ありませんが、エゴグラムチェックテストで現実と理想両方やってみて、現実と理想の差が大きいのであれば変えたい気持ちも強いはずです。

変えたい気持ちがおありでしたら、自分よりも他人を優先する思考パターンを少し緩めるか、この記事で紹介した実践方法を是非試してみて下さい。

他のグラフ
エゴグラムパターン一覧

参考文献
交流分析療法 新里里春著 P56,66
新版TEG 解説とエゴグラムパターン 東京大学医学部心療内科TEG研究会編 P75,76

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  • この記事を書いた人

井上 隆裕

2004年よりプロの心理カウンセラーとして活動。2013年に独立開業。ジョイカウンセリングスクール代表。 運営者情報

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